【マンスリー・ラプターズ 2024年11月号】2024-25シーズン 期待選手3選
みなさんこんにちは。こんばんは。サイコロチキンカツです。現地10/4よりNBAのプレシーズンが開幕し、長かったオフシーズンを終えようとしています。そして現地10/22にはシーズンの開幕を迎え、NBAはその熱気を完全に取り戻しました。それぞれのチームが自分たちの目標に向かって歩みを始める中、ラプターズはどのようなシーズンを過ごすことになるのでしょうか。それでは本日のお品書きです。
はじめに
NBAの中では比較的新参者のトロント・ラプターズは今シーズンで30周年を迎えます。30周年を機にチームロゴが変更され、チーム設立当初の、紫を基調としたユニフォームをcity editionとして取り入れることが、現地9/30のメディア・デーをもって正式に発表されました。また、カナダにバスケットボールカルチャーを一気に広めたVince Carterを称えるべく、11/2のSAC戦にNo. 15を永久欠番とするセレモニーが開かれることが決定しています。
様々なイベントが催されるだけに、プレーに対しての期待も高まるラプターズ。今回のnoteでは、私サイコロチキンカツが、個人的に期待している選手を3人紹介したいと思います。
*今回紹介する選手は、プレシーズン開幕以前から決めていたものとなりますが、10月終了時点でのスタッツや感想なども加えながら紹介していきます。
前回のnoteをご覧になっていない方は、併せて見ていただけると幸いです。
プレシーズン・開幕5試合の振り返り
プレシーズン
では期待する選手を紹介する前に、まずはラプターズのプレシーズンの振り返りを行いたいと思います。ラプターズは5試合を戦い、3勝2敗。怪我人を多く抱えながらも、見事勝ち越しという結果に終わりました。特に第4試合となる現地10/16のBOS戦では、バーンズがPTS:26 REB:9 AST:10、ディックがPTS:27 REB:6 STL:2という素晴らしいスタッツを残しました。スタメンからドラフトメンバーまで、怪我人が一定数いたため一言で言い切るのは難しいですが、個人的には「希望の持てる」プレシーズンを過ごすことができたと思います。
開幕ロスター決定
「希望の持てる」プレシーズンを過ごせたラプターズですが、シーズンの開幕を控えるにあたって、その開幕ロスターを確定させました。プレシーズンでも活躍していたtwo way契約のカールソンと、無保証契約のラムジーがチームからウェイブされてしまいました。2人とも悪くない動きをしていた(特にカールソンは4戦目にゲームウィニングとなるブロックをした)だけに、チームを離れてしまうのは悲しいものとなります。その結果、ブルーノ・フェルナンドとジャミソン・バトル(two way)がロスタースポットを勝ち取りました。個人的には、カールソン>フェルナンドなだけに、少し悲しい思いもあります。バトルはしっかりとそのシュート力を発揮してくれてよかったです。これにより、ラプターズのシーズンロスターは以下のようになりました。
<2024-25 Opening Roster>
PG:Immanuel Quickley(クイックリー/ IQ) / Davion Mitchell(ミッチェル) /Jamal Shead(シェッド)
SG:Gradey Dick(ディック) / Bruce Brown(ブルブラ) / Ja'Kobe Walter(ジャコビ)
SF:RJ Barret(バレット) / Ochai Agbaji(オチャイ) / Garret Temple(テンプル)
PF:Scottie Barnes(バーンズ) / Chris Boucher(ブーシェ) / Jonathan Mogbo(モボ)
C:Jakob Poeltl(ヤコブ) / Kelly Olynyk(オリニク) / Bruno Fernando(フェルナンド)
TWO WAY:Jamison Battle(バトル) / D. J. Carton(カートン) / Ulrich Chomche(ショムシェ)
*以下で選手について言及する際は()内の表示を用います。
シーズン開幕5試合
現地10/23にラプターズはシーズン開幕戦を迎え、開幕5試合を1勝3敗という結果で終えました。負け越しという結果に対しては、そこまで悲観すべきものではありません。今シーズンのラプターズにおいて、プレイオフ・プレイイン争いをすることは至上命題ではなく、若手の才能を伸ばすことが重要視されています。結果よりも過程が重視されるシーズンになるからこそ、負けたすべての試合に対して悲観する必要はないでしょう。しかも、今年はクーパー・フラッグを中心にドラフトは豊作となることが予想されるため、ロッタリーチャンスが狙えれば素晴らしいことです。
しかし、それ以上に悩みのタネとなっているのが、主力の怪我。プレシーズンが開幕してから未だに、ジャコビ・ブルブラ・オリニクの出場は果たされておらず、復帰の目途もたっておりません。(ジャコビは現地11/1の試合に出場見込みあり。)またシーズン開幕戦となるCLE戦では、IQが骨盤を負傷し途中退場。現地10/28のDEN戦では、バレットが怪我から復帰し、シーズン初戦を迎えたものの、バーンズが目を負傷し途中退場。IQは未だdoubtfulな状態が続いており、バーンズは現地10/29に、少なくとも3週間は欠場が続くことが報道されました。このように、ルーキーからベテラン級の選手まで主力が中々揃わない状況が続いています。
とはいえ、主力が離脱することはデメリットだけではありません。その最大のメリットは、ベンチメンバーに出場時間を与えられること。先述したジャコビ・ブルブラ・オリニクの3人を除き、全てのメンバーが一度は試合に出場しています。特に、ローテーション争いをしていると予想される、ミッチェルとシェッド、ブーシェとモボの全員に毎試合ミニッツを与えられているのシーズン全体で見たときにすごくいい影響を与えてくれることでしょう。
それでは、10月までの振り返りを終えたところで、私サイコロチキンカツの期待している選手を3人紹介したいと思います。なお先述しましたように、シーズンここまでのスタッツなどを挙げて話をしますが、この3名の選手はプレシーズン開幕前から選んでいた選手となります。
期待選手3選
① RJ Barret
ラプターズ期待の若手トリオの総称BBQ(バーンズ・バレット・クイックリー)の一角を担うバレット。彼は残りの2人と異なり、オフシーズンに動き(契約延長・再契約)のなかった選手となります。大型契約を結んだため、バーンズ、クイックリーの2人その契約と今後について、注目を集めていました。一方、バレットはカナダ代表として出場したパリ五輪の活躍を経て、その評価を伸ばしたように思えます。そして今シーズン、ラプターズが飛躍を遂げられるかどうかはこのバレットに懸かっていると、私は考えています。
昨シーズン、NYKからラプターズに移籍してからはPTS:21.8(FG%:55.3 3P%:39.2) REB:6.4 AST:4.1という素晴らしい成績を残しています。特にFG%はキャリアハイ、3P%はキャリアで2番目を記録しています。NYK在籍時からスコアリング能力には目を見張るものがありましたが、TOR移籍後に一層磨かれたような気がします。
そして今シーズンは、2試合出場時点で、PTS:25.5 REB:4.5 AST:5.5という数字を残しており、その調子を維持し続けています。シュート効率においてもFG%:48.7 3P%:50.0という圧巻の一言。この数字をシーズンを通して維持・改善することができれば、他チームにとって脅威の存在となることは間違いないでしょう。
実は10/28のハイライトで1位を飾ってました。
私個人としては、BBQの組み合わせがうまくいくためには、全員が得点を取れることを前提となると考えています。その中でもバーンズにオールラウンダー、バレットにスコアラー、IQにハンドラーとしての役割を果たしてもらいたいです。ベンチメンバーの飛躍ももちろん重要ですが、BBQ、特にスコアラーとしてチームを積極的に引っ張るバレットに期待を寄せています。
② Ochai Agbaji
次に紹介したいのは、昨シーズンに、UTAとのトレードでチームに加入したオチャイ。彼は2022年にUTAにドラフトされてから、平均20分程度の出場時間を与えられ、2シーズンのキャリア平均でPTS:6.6 RRB:2.6 AST:1.1を記録していました。1年目と2年目の間でスタッツの変化が、あまり見られなかったことが少し不安材料ではありました。
ところが、今シーズンの彼は一味違います。開幕5試合を通して、平均27.8分の出場(うち4回はスタート)をし、PTS:12.3 RRB:5.8 AST:1.0 STL:1.5 BLK:0.5を記録しています。たった5試合という少なすぎるサンプルではありますが、確実に成長していると言えるでしょう。3P%においては、昨季のTOR移籍後が21.7%だったのに対し、今季の5試合では、45.5%という素晴らしい改善を見せています。特にコーナーからの3ptの決定率が高く、3 and D プレイヤーとしての地位を確立しつつあります。
また、スタッツ以上に私が彼に期待しているのは、彼のDF。彼の身体能力に期待して、今シーズンはPFにマッチアップすることも増えると予想しています。未だ実現してはいませんが、BBQとともに出場する、あるいはその中の1人とディックが入れ替わる形で出場するとなると、彼がストレッチ4的な役割で、相手のPFにつくケースも出てくるでしょう。一方それ以外の時間では、SGやSFの相手につくことになるはずです。多様なポジションの相手のマークを任されるとなると、彼のDFの役割は自然と大きくなるでしょう。
そして、ラプターズは現地10/29に、ディックと彼の来シーズンのチームオプションを行使することを発表。それにより、2025-2026シーズンまでは契約が続くこととなりました。シーズンが始まってすぐに、来シーズンの契約の話をチームが進めたということは、それだけフロントからも信頼されている証ではないでしょうか。まだ24歳の3年目。今年が飛躍の一年となるような大きな成長を期待しています。
③ Jamal Shead
2024ドラフトにおいて2巡目15位(45位)で指名されたシェッド。彼はプレシーズン時点から、そのプレーでラプターズファンを魅了してきました。シーズンが始まってからも、開幕5試合で、PTS:8.2 RRB:1.2 AST:5.6を記録。シュート効率もFG%:41.7 3P%:33.3と悪くありません。また、現地10/30のCHA戦では、9アシストを記録しました。そして、10月終了時点では、ルーキーの中で平均得点は4位、平均アシストはトップとなっています。(なお、平均ターンオーバーもトップとなっています。)
また10月終了時点では、IQが骨盤の怪我の影響で試合に出場できない状態が続いています。それによりシェッドは、先発PGへと名乗りを上げたミッチェルと併用されています。このミッチェルが現時点でのシェッドのライバルと言えるでしょう。
この2人は、現地ファンが上のポストをするくらい、似たタイプのPGです。どちらもDFが非常によく、ハッスルプレーを厭わない選手。また、OFにおいては、どちらも俊敏性があり、インサイドにドライブしたり3ptを打ったりと、プレーに幅があります。IQがそろそろ復帰することを考えると、今後どれだけシェッドが時間をもらえるかは、ミッチェルとのポジション争いを制することができるかどうかにかかっているでしょう。
個人的に、今回のドラフト組の中で1番期待しているシェッド。先述しましたが、彼のドラフト指名順位は45位。2巡目中盤にドラフトされた選手が、ここまで活躍していることを見ると、少なくとも現時点では、彼の指名は"STEAL"と呼ぶに相応しいでしょう。彼がいかに"STEAL"として評価されているかが気になる方は、ぜひ下のCBSのサイトをご覧ください。
さらに、ラプターズの低身長PGということで、彼にラウリーやバンブリートの面影を重ねてしまいます。特にテイクチャージがうまいところは、ラウリーの姿を彷彿とさせます。また指名順位が低いことを見ると、ラフト外からオールスターに選出されるまで成長を遂げた、バンブリートのことを思い出させます。彼らが長く時間を過ごしたラプターズのカルチャーでぜひ成長してもらいたいです。22歳とまだまだこれからの成長が期待できるシェッド。今後の活躍にも目を離せません。
さいごに
10月終了時点で、1勝4敗と幸先がいいとは言えないラプターズですが、悲観する必要はありません。あくまでも今は「再建期」であるため、無理に怪我を背負った状態で無理に主力選手が出るよりも、怪我の治療を優先したり、ベンチメンバーに活躍の機会を与えたりする方がよっぽど重要です。まだまだ先の読めないラプターズですが、ぜひラプターズの試合やハイライトを見る際は、本noteで紹介した3人の選手(バレット、オチャイ、シェッド)の活躍にも注目してみてください。
ということで最後になりましたが、非常に長く拙い文章を読んでいただき、ありがとうございました。次回以降の【マンスリー・ラプターズ】もご愛読よろしくお願いいたします。
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それではsee u next time!
出典
画像の下に表記がないものは全てESPNより引用しております。
モックドラフトについてはTankathonを使用しております。
ヘッダー画像はToronto Raptors公式Xより引用しております。