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声優グランプリpresents春のメルヘンティーパーティー(夜の部)に行ってきましたよ

3月10日(日)、東京証券会館にて開かれた朗読会イベント『春のメルヘンティーパーティー』に参加してきました!

私が参加させていただいたのは夜の部。出演者は田中有紀さん、長谷川玲奈さん(近藤玲奈さんの代役)、三川華月さんの三名です。

声優さんに焦点を当てて、全体を通してその魅力を味わうというイベントに参加するのは私はこれまであまり経験がなかったのですが、今回の参加は非常に楽しく、そして思い出深いものとなったので自分自身の記録の意味も兼ねてこのレポート記事を書いています。
本記事ではイベントの流れと印象的な場面を併せて感想を述べていきます。記憶をもとに書いているものになるので、実際の進行と食い違った場面があるかもしれませんが、ご容赦いただけますと幸いです。


◆入場~自己紹介

●衣装のお披露目、ぐるぐる回転
マジでどなたも似合いすぎ……

・田中さん背景と同化して消えそうなくらい白い、淡すぎる。雪の結晶の形をした髪飾りが会場のライトを反射しててすごい綺麗だった……見惚れた

・長谷川さんもお綺麗……本人も言ってたけど花の精がなんなのかは最後までわからなかった。元々はヴィランの格好をしたかったらしいが、メルヘンではないとスタッフ側に止められた模様。

・三川さん、衣装古着から制作ってマジ???
緑の着物に関しては元から持っていたらしく、羽織などは原宿の古着屋で調達したとのこと。帯に見えているのもベルトを繋ぎ合わせて作ったものだとか。金属がライトに反射してたのでガチです。
すげぇ〜〜〜

●イベント恒例どこから来ましたトーク

長谷川さん「とりあえず聞いてみますか、我こそは遠くから来たよという人〜?」
私「!!」←岡山から来た奴
(どーしよ、これ言っていいんだろうか……? いや、でもこの規模感だし、そんないないよな……)

逡巡すること三秒、決意を固めて挙手する。

長谷川さん「あ、手上げてくださってる! どこから来たんですか?」
私「岡山県です」
「「「岡山!」」」

めっちゃいい反応してくれた……嬉しい〜
すでに来た甲斐があった

長谷川さん「他にもっと遠くから来た人いませんか……? いなければ岡山が一番遠くになりますが……?」

遠方オークションが始まるも、他に誰も出てこず。私大勝利。ガッツポーズして応える。

三川さん「岡山……私も香川出身で、同じ瀬戸内なんですけど、近い者同士ですね」

この間ずっと三川さん私の顔見て話してくださる。何度もそれに合わせて頷く。本当に岡山出身でよかった、初めて自分の出身に感謝した瞬間かも。

・あと田中さんのスノボー趣味の話もあって、長谷川さんの出身である新潟から来た人はいるか、ウィンタースポーツができる人はいるかの質問もあった。
新潟から来た人は一人、列を挟んで私の隣の方だった。個レスをめっちゃもらったので拍手した。
出身地だけで俺らは一歩先ゆくオタクになったぞ、おめでとう。
ウィンタースポーツは結構な数のオタクが手を挙げていた。すごい、アウトドア派なオタク結構いるんだ。

田中さん「私はこの仕事(声優)を始めてからスノボー行けていないんですよね……」
長谷川さん「そうなんだ、っていうとどれくらい……」
田中さん「……10年?」
長谷川さん「10年!? それもうやってるって言えるの?! ていうかみんなそれ信じてくれてるの!?」
田中さん「スノボーしてる姿はお見せできてないんですけど、みんな信じてくれてます……はい……」

個人番組でもこの前やった鉄板の流れをそのまま生で見れてなんか嬉しくなっちゃった
いつか外ロケやってくれたら嬉しいなの気持ちでいます

長谷川さん「また仕事が落ち着いたら新潟来て滑りな、もう10年後くらいに」

遠くて草

イベント自体はいくつかのミニコーナーとメインイベントの朗読会にて構成されている。演者さんは舞台上の机と椅子に腰掛けて、マイク片手にトークをしてくださる形。イベントとして、おとぎ話や童話がテーマに設定されているのでミニコーナーもそれに関連したものとなる。

◆メルヘンテーマトーク

おとぎ話や童話に関連したトークを行うコーナー。ゆるーくまったりとした空気で素に近い表情を楽しめるコーナーだと思う。

・おとぎ話や童話に登場する食べ物で食べたいものは?

長谷川さん「ジブリっておとぎ話に入る?」
三川さん「私イベントの前におとぎ話について調べたんですけど……短い物語であればいいみたいです。なので」
長谷川さん「じゃあジブリダメか〜〜〜」
三川さん「え?w」
長谷川さん「え、短いってどれくらい? 何時間までなら許される?」
田中さん「ジブリは……いいんじゃないですか?」

長谷川さん→ラピュタのたまごトースト

三川さん「ああいうの逆に汚く食べたい」

三川さん→桃太郎のキビダンゴ

三川さん「実際にはあんなに大きいの売ってないですよね? ね?」

私の方を見て確認してくださる、嬉しい。キビダンゴのサイズを指で示してくれたので、私もそれを真似て指でお団子を作ってサイズを確かめ合う。
三川さんマジでめっちゃ俺に話振ってくれる。こんなことあっていいのかよ

三川さん「いつかデカいキビダンゴ作ります。皆さんにふるまえるぐらいに大きなやつ!」

田中さん→お菓子の家

田中さん「お菓子の家ってなんの童話のやつですっけ……?」

ヘンゼルとグレーテルが出てこないのおもろい

三川さん「私前にお菓子の家作ったことありますよ! なんかそういうキットがあって、クッキーとかコアラのマーチとか使うやつで……」

田中さんも今度番組でまたやろう

・おとぎ話や童話の中で憧れるシチュエーションは?

田中さん→不思議の国のアリスみたいに異世界に迷い込むやつ

田中さんはそういう奇想天外な展開みたいなのが好きなんだろうな〜というのは納得感ある
この人結構不条理ホラー好きだったりするんだよな……

長谷川さん→雲の影が落ちている草原を走りたい

長谷川さん「草原を走りたいんだけど……雲の影がある場所じゃないとダメなの、それ以外の草原は走りたくない」
田中さん「ってことは結構標高が高い場所ですね!」

これ即座にパッと出てきたの地味にすごいと思った
私はあんまり連想しないかも

長谷川さん「そうですね、結構山寄り?」
三川さん「今日の衣装もハイジっぽいかも?」
長谷川さん「ハイジ! ブランコ乗ってるみたいな格好してる?笑」

言われてみれば花柄のワンピーススタイルで牧歌的な雰囲気がある。

三川さん「雲が間近にあって……雲に乗れちゃうぐらいの高さのところ?」
長谷川さん「いや、雲には乗れない(無慈悲)」
田中さん「メルヘン!! 今日はメルヘンだから!!」

三川さんのメルヘンチックな考え方が即座にバッサリされて笑った
イベント中この二人の掛け合い、デレたり塩だったりが繰り返されててすごい良かった

三川さん→かぐや姫の物語みたいに一度に複数の男性にモテてみたい

その仕事ついとる時点でもう叶えとるやろがい!!

◆メルヘンアンケートクイズ

開演前に入場者に行ったアンケートの結果を集計し、その得票数が一番多かったのは誰かを当てるクイズコーナー。得票数ではなく、クイズの正解を当てた人に特典が入る仕組み。最下位の人には一位の人から指定のシチュエーションでのキュートセリフが課される。
それぞれどの回答をしたかまでは覚えていなかったのでご了承いただきたい。

①舌切り雀で真っ先に大きな鼓に飛びつきそうなのは?
→長谷川さん「舌切り雀って話あんまり知らない…」
三川さん「なんか大きい箱と小さい箱があって……小さい方を選んだらお宝が入ってて、大きい方に目がくらむと虫が入ってた……みたいなやつ?」

→会場アンケート結果:三川さん
「大きい方にいいものが入っていると信じそうなくらいピュアっぽい」など

②こびとの靴屋の物語では寝ている間にこびとが靴を仕上げてくれますが、朝になってもこびとの存在に気づかなそうなのは?

三川さん「長谷川さんが一番背が高くて気づかなそう、視覚的に見えないでしょ笑」

初対面の長谷川さんにめっちゃズケズケ言う三川さん。この間ずっと半笑いなの強すぎる

田中さん「いや、小人っているの? いないですよね? この世界に? そういう設定なんですか?」

急にメルヘンを受け付けなくなる田中さん
重篤なエラーが生じたのかと思った

長谷川さん「世の中には小さいおじさんを見たって言う人もいるから……」
三川さん「なんかちょっと前に流行りましたよね」
長谷川さん「あと私前に飼ってたよ、小さいおじさん! なんかアプリみたいなやつで!」
田中さん・三川さん「「???」」
三川さん「あ、づかんの奴ですか……?」
長谷川さん「あー、いや、そうじゃなくて……」
田中さん・三川さん「「???」」
長谷川さん「え、誰か知ってる人いない!? おじさん育てるアプリやってた人いない!?」

会場内でオタクがただ一人手を上げていて注目の的
本当にそんなアプリあったんだ

→会場内アンケート結果:田中さん
「朝が弱そう」など

田中さん「実際めちゃくちゃ弱いです……」

田中さんが朝弱いのは知られているところ
これ声優ゼミでやったところだ!が活きる体験である

③金太郎みたいなまさかりやバトルアックスのような武器を身につけて似合いそうなのは?

田中さん「これ見た目で判断するしかないですよね……?」
長谷川さん「ね、初対面だから。見た目で似合うのは誰かを考えないと……」

田中さん→長谷川さん
長谷川さん→長谷川さん
三川さん→三川さん

直前に身長のくだりをやっていたこともあり割と会場内も長谷川さんだと思っていたのが多数派っぽく、ちょっとどよめく

三川さん「私はテニスをやってたので、それを知ってる人は似合うって思ってくれるんじゃないかなって」
長谷川さん「それなら私は野球やってましたが!?(謎の張り合い) バットの方がそれっぽいでしょ!!」

→会場内アンケート結果:長谷川さん
「え? 持ってましたよね?」など

長谷川さん「おいこれ書いたやつ名乗り出ろ!」
三川さん「この中にいるんですよね? 手を挙げてもらったらどうですか? これ書いた人〜?」

静まり返る場内
おい!! 個レスチャンスだぞ!!

長谷川さん「そりゃ名乗りでないか、怖いもんな」

オタク、バトルアックスぽんちゃんの前に散る

④桃太郎のキビダンゴをもらった犬みたいにお菓子を一個もらったらすぐ着いていきそうなのは?

田中さん→三川さん
長谷川さん→三川さん
三川さん→三川さん
満場一致で三川さんの札を掲げてて草

→会場内アンケート:三川さん
「この三人で桃太郎の家来である犬・猿・雉をやるなら犬ははるちゃんだ!」など

長谷川さん「いや、これはよくわかんないけど」

それはそう

三川さん「私になるんだろうなってのはすぐに分かったんですけど……いや、お菓子一個じゃついていかない……もっとくれないと」

この女性声優、強欲である

⑤白雪姫の毒林檎を気付かずに食べても、ケロッと元気にしてそうなのは?

食べ物の話題になった瞬間なんとなく三川さんなんやろなぁの空気が流れる

三川さん「これって毒に強いとか、そういう話なんですかね……? どうですか、薬とかに強いですか?」
長谷川さん「いや、それはその薬次第だけど……」

田中さん→三川さん
長谷川さん→三川さん
三川さん→田中さん

→会場内アンケート結果:田中さん
「食べ終わった後、『りんご? すっごい美味しかったよ!』とか言ってそう」など

田中さん自分のイメージを読み上げて照れ笑い

三川さん「ゆっきーは毒を跳ね返しそう」
三川さん「毒は効くかもしれないけど、気づかなければダメージは受けなさそう。気づいた瞬間ギュゥって喰らう」

なんだそのイメージ

●最終結果

田中さん「というわけで最下位になったぽんちゃんには、キュートなセリフを読み上げてもらいます!」
三川さん「それじゃ、ステージの真ん中へ……(半笑い)」
長谷川さん「悪い子!!!!! 自分じゃないからって!!!! 2位のくせに!!!!」

三川さん二位が確定した瞬間にあからさまに調子乗ってるのが見えて面白かったです。ずっと長谷川さんに揶揄い混じりのちょっかいかけてて本当に人懐っこいなこの人……と思う。

長谷川さん「ここにいる人は今日からみんな私推しね! 推してくれなきゃ〜……メルヘンしちゃうぞ!」

やり通した〜! 照れる素振りもなく、完璧にやっててプロの仕事だ

◆お絵描きandジェスチャーゲーム

おとぎ話・童話を題材にしたクイズゲーム。三人がイラスト役、ジェスチャー役、解答役に分かれて挑戦。イラスト役のみがお題を確認し、それをイラストとジェスチャーで伝言する形式。各フェーズは20秒ずつ。

①お題『ランプの魔人』

イラスト:長谷川さん
ジェスチャー:田中さん
回答:三川さん

・長谷川さんがイラスト上手い!
20秒の間にあっという間にランプと浮遊体の精霊を描いて完璧再現
会場内も思わず感嘆の声が上がる

・田中さん謎のジェスチャークラウチングスタート
もくもくもく…という動作と共に立ち上がり、威厳のある表情
その後に指を立てると(願い事を聞く仕草?)、すぐに魔法を使うような手の動き、ワァっと驚いてジェスチャー終了
物語を一通りなぞっていて上手い。し、表情が豊かで良い。微笑ましくなる。

三川さん回答「ランプから魔人が出てきてドヤ顔をする」

正解なんだけど……!!というどよめき混じりの笑いが上がる

②お題『北風と太陽』

イラスト:三川さん
ジェスチャー:長谷川さん
回答:田中さん

・三川さんのイラスト
笑っている人と泣いている人、その頭上に太陽と風のメタファー的な装飾

長谷川さん「わ、わかんない……!!」

田中さんが長谷川さんの反応に愕然の表情

・長谷川さんジェスチャー、謎のクラウチングスタート

長谷川さん「分からないから、イラストに書いてあったことをそのまま表現します……!」

立ち上がったりうずくまったりを繰り返しながら、泣くのと笑顔になるのとのジェスチャーを繰り返す(そうするほかない)
田中さん全くピンとこず
よほどイラストがきついと判断されたのか20秒の制約を明らかきこえた長尺のジェスチャー(得るものなし)
田中さん悩む時に目を閉じて指を額に添える仕草するの好き

・田中さん回答

田中さん「桃太郎!」
三川さん「ど゙ごが゙」

三川さんから咄嗟に出た声で爆笑

田中さん解説「泣いている仕草が赤ん坊のオギャーオギャーってやつで、桃から生まれて笑顔になるみたいなやつで……!」
長谷川さん「これははるちゃんのイラストが悪い!」
三川さん「えええええ!?」

会場内拍手

長谷川さん「じゃあゆっきーにイラスト見て何描いてあるか考えてもらおうよ」

三川さんイラスト提示
田中さん見た瞬間笑う。が、

田中さん「え、全然分からん……何……? 北風と太陽……?」
ピンポーン

まさかの即答正解。会場からは大きな拍手。
田中さんガッツポーズ、掲げた右手が寸分たりともブレないのダンステクニックの片鱗を感じる。

③お題『金の斧銀の斧』

イラスト:田中さん
ジェスチャー:三川さん
回答:長谷川さん

・20秒の間に田中さん完璧に泉と女神、斧二本まで描く
三川さんも一目で分かった様子

・ジェスチャーはもはやクラウチングスタートがデフォ
立ち上がる(泉から出てくる描写)→優雅に一斤ずつ斧を差し出す→そのどちらでもないです→両方とも渡して引っ込む
まで全部やった

長谷川さん「えー! そのお話名前なんだっけ……金の斧と銀の斧……?」

完答! 最後の最後にパーフェクトクリアを果たす

●ゲーム終了後

長谷川さん「トータル足を引っ張ってたのははるちゃんだよね……?」
三川さん「えぇ……」
田中さん「(深く頷く)」
長谷川さん「じゃあ、そんな足を引っ張ってたはるちゃんにも罰ゲームとして、キュートなセリフをやってもらいましょう! じゃあ、真ん中に立ってもらって

三川さんに対する意趣返しで会場内大拍手。してやったとばかりの長谷川さん。痛快な一場面である。

三川さん「ここにいる人は今日からみんな私推しね! 推してくれなきゃ〜……メルヘンしちゃうぞ!」

三川さん舞台上を大きく使って全力でやってくれた!
多分動くとはスタッフさんも思ってなかったんだろうから途中完全に闇の中に消えてて草

長谷川さん反撃に成功してご満悦な様子
ただ、その勢いは止むことはなく

長谷川さん「二人やったからここまできたらもうね」
田中さん「ええ!? 聞いてないですが!? ……あ! もうカタカタカタって文字が変わってる!?」

演者さんから見るモニターがその場で田中さん用のセリフが入力されていったらしい

田中さん「これがイベントの恐ろしいところか……」

田中さん腹をくくって中央へ。

田中さん「ここにいる人は今日からみんな私推し。推してくれなきゃ……メルヘンしちゃるけんね!」

めちゃめちゃクールトーンなボイスからの入りで、一瞬にして空気を呑む
目の前にいた女性オタクが「はぁぁぁ……!!」とシルエットが縮み上がってていい反応だと思った
イベントの場では他のオタクのリアルタイムでの反応が見れるのもいい
(最後謎訛りで笑っちゃった)

☆ここまでで前半終了☆
一旦はけて朗読劇の準備に

◆朗読劇

内容までは詳しくは書けないが、物語は雪女(田中さん)、眠り姫(代:長谷川さん)、かぐや姫(三川さん)の三人の語り部で紡がれる。

それぞれ別の場所にいる彼女たちは現実世界でそれぞれ別の恋愛にまつわる悩みを抱えており、夢の中のお茶会でそれぞれが打ち明け合うことで、それぞれの本心に触れる……という筋書き。

かぐや姫は天然でありながらも、その振る舞いに上品さが際立つ役どころ。物語を中心的に引っ張っていた印象で、表情豊かに演じ切ってくれた。普段は天真爛漫で奔放なイメージだが、雪女や眠り姫の本心に触れる際には優しい微笑みと共に寄り添うような温かみのある声になっていた。特に雪女の日課の意味について気づいた時に思わず漏れ出てしまったような一笑が心に残った。

眠り姫は現実世界から長く断絶している身で、どこかミステリアスな印象もある人物。かぐや姫と波長が合う場面では無邪気な笑顔を溢してくれて、その度に胸がぐっと掴まれる。今回長谷川さんは代役としてのご出演だったが、それを感じさせないぐらい役が馴染んでいた。

雪女は恋に落ちた相手と離れるしかなかった宿命を背負った悲運の女性。文字通りにクールな表情を貫いていたが、時に自身の本心を指摘された際に思わずそれを崩してしまった姿がいじらしかった。三人の中でも一際大人なお姉さんといった色相が強い配役であり、その声もかなり落ち着いた調子であった。優しく諭すような語り口は、非常に透き通った声であり、聞いていてとても心地が良かった。

◆終演

朗読劇が終わると楽しかったメルヘンパーティーも終わりの時間。
それぞれが朗読劇の台本の感想を語っていたが、私も三川さんが述べていた「かぐや姫が求婚を断り続ける理由」の解釈が素敵だと思った。伴侶となる男性には自分のことを大切に育ててくれた父と母のことも大切に思ってほしい、ほんの一言「四人で暮らそう」と言ってもらえればそれで求婚を受けるのに。自由奔放に見えていたかぐや姫から家族重いな側面の表情が見えた瞬間には、胸にじんと広がるものが確かにあった。
トークが終わると、三人の出演者様方が私たち観客にお辞儀をして、たくさんの拍手と共に会は終わりとなった。

◆感想

イベント自体は1時間半だったが、たったそれだけ!?と思ってしまうぐらいに充実した時間を過ごせました。自分が応援し続けている人が自分の目の前に、4Kなんか目じゃない解像度でずっと居続けてくれるというだけでも感動で膝から崩れ落ちそうなのに、軽妙なトークに腹から笑わさせてもらった場面も何度も。感情のジェットコースターという表現がありますが、まさにそれだったなと思います。
そして、今回私はメインでは田中さんを応援したい気持ちで参加したイベントですが、共演者である長谷川さんと三川さんの魅力にも随分と当てられてしまった感触があります。トークで何度も笑いを掻っ攫い、ファンの扱いも巧みでやりとりのテンポもよかった長谷川さん。人懐っこさを遺憾なく発揮し、時にはちくりと一言刺してくる鋭さもあって、イベントを何度も沸かせてくれた三川さん。この三人の共演をぜひどこかでまた見たい!と強く思わせてくれました。
声優さんにフォーカスしたイベントと聞くと、少しハードルが高いように感じるかもしれませんが、そんなことはなく手放しでも楽しめるイベントなのだなと学びました。同じ声優さんを応援しているもの同士、会場内はとても温かい雰囲気がありますし、みんなが楽しもうと一体になっている共通意識のようなものもあって、流れに身を任せているだけで楽しめます! ある種アトラクションに近い体験なのかもしれませんね。もしこの記事を読んでいて、そうしたイベントには興味はあるけど参加したことがない!という方がいれば、ぜひ一度参加してみることをお勧めします。声優さんは一流エンターテイナー、あなたの笑顔は保証されています!

それでは今度は6月の田中さんの個人イベントでお会いしましょう。
ここまでの御拝読ありがとうございました。




◆おまけ
人生初の朗読会&お渡し会に挑む地方オタク、激動の24時間

◎その日が来るまで

逃げも隠れもしないが、私は田中有紀さんのファンだ。
出会ったのはアイドルマスターシャイニーカラーズの芹沢あさひというアイドルの声優さんとしてその存在を知ってから。コンテンツライブを追いかけていくうちに、キャラクターを演じている存在としてだけでなく、一人の声優さんとして、生まれながらに持っている魅力に惹かれて、個人を応援したいと強く惹かれて今に至る。

THE IDOLM@STER SHINY COLORS Xmas Party -Silent night-直後の私
この時から急速に様子がおかしくなる

個人番組を見るようになって4年近くになるし、ファンレターも頻繁ではないにせよ、絶えることなく送り続けている。
演技、歌声はもちろんのこと、番組で見せてくれる笑顔、天然で“ぽん”な側面を何度も見せてくれるトークに私は何度も助けられてきた。大学生から社会人へと移り変わる過渡期に田中さんの存在が非常に支えとなったことは言うまでもない。

ただ、私はこれまでリアルでの接近イベントというものには一度も行けていなかった。私が声優さんに本格的にハマったタイミングが悪かったせいで他声優さんの番組のリアルイベントのゲスト出演回を逃し、金銭的な都合もあってCoe-monyのFirst celemonyも見送ってしまった。

今までで一番近かったのは、昨年の明治大学の学園祭イベントの『学祭びよりでゆきましょう』だ。前から三列目という位置を引くことができ、目視でも十分な大きさでお姿を見ることができて非常に感動したのを覚えている。
番組で見たままの所作で、幾度となく元気をもらってきた笑顔を浮かべている。現実とは、こうも素晴らしいものだったのか。

とはいえ、これはあくまで対多数のイベントの形。田中さんからのベクトルは広くに向けられていて、私宛のものではないのだ。

だが、今回ばかりは違う。『お渡し会』だ。人が人に、物を贈る。そこには明確に、一対一のベクトルが存在している。他の誰でもない、私宛の言葉がそこに存在することになるのだ。

前日に事情を知っている友人から届いたLINE
こいつは二次試験中に居眠りをかましたことがある

それを意識すると緊張は凄まじかった。自分がずっと応援し続けてきた存在に、逆に自分が言葉をもらうなんて、そんなの烏滸がましすぎないか。イタコか何かを挟んで人伝にしてもらわないと、私は到底耐えられる自信がない。
チケットを確保してなお、開催日が近づくにつれて緊張は増す一方だった。

虚勢

そんなことは言ってもオタクが喚こうが怖がろうが時間は流れる。私が戦慄きながら労働を重ねているうちに、あっという間にその日は来た。

◎当日

東京に着いたのは12時半ぐらい。新幹線の中でおにぎりを2個食べてたのであんまりお腹は空いてない。
時間を潰しに上野に行く。

とりあえず国立博物館に行った。
今まで人生で一度も行ったことがないし、なんかよくテレビに出てるからだ。田舎では行ったことがあるという実績だけでマウントが取れる。
実際楽しかった。教科書で見たような土偶や土器を間近で見るのは興奮したし、シュメール文明の展示なんかがあるアジア館もよかった。

3時ぐらいで切り上げて秋葉原に行ってバーキンで腹ごなしした。やっぱりお腹がすいた。そのままアイマスショップとらしんばんを梯子したら茅場町へ。イベント会場に向かう。

駅とほぼほぼ直結みたいな場所だし、本当にオフィスの一角みたいな感じで備えているからビビった。会場名も会場名だし。

ウィーン

入ってすぐスタッフさんの誘導があって、そのままエレベーターへ。
さあ、衝撃に備えるぞとばかりに襟を正す。

しかし、8階に昇った瞬間私は息を呑んだ。
空気が違う。
濃い。濃すぎる。

これまでアイマスのライブも何回も通ってきたが、結局そこにいるオタクはコンテンツを楽しむことの延長線なわけで、キャラのグッズを身に纏ったり概念衣装を捜索したり、まあある程度自分は何者ですというのが標榜されているわけで。

ただ、今回ばかしは違う。
全員、目がキマッている。そりゃそうだ。一人の人間を続けて推すという行為は、その人の持つ文脈の全てを辿ろうとする行為に他ならず、ある種狂気性すら孕んでいるわけで。
もちろん声高々にガチ恋口上をするとか、全身に声優さんの顔がプリントしたシャツを着てくるとかそういう厄介行為のことではない。むしろそういうのは徹底的に弾圧する側の人間の集まりのはずだ。

なんていうか、こいつら全員潔いんだ。日曜の夜、ド・ゴールデンタイムを女性声優に明け渡すと決めてるんだ。俺はもう〇〇さんを推す、そういう自分になると決めたんだ。目がそう物語っている。

そんな連中を見ていると、込み上げてくるものがあった。

「負けてらんねえ……」

もう、俺はあの時の自分じゃないんだ。キャラは好きだけど、まあ声優さんを推すのは違うかな?笑とか友人に話していた自分とは違う。番組にお便りを送るのを何度もためらっていた頃の自分とは違う。

俺はもう、声優オタクに“成って”いる────

意気揚々とエレベーターを降りて入場列に並ぶ。そうはいっても、そもそも単独でのイベント参加自体も経験がないので緊張は拭いきれなかったので何度も深呼吸をした。
俺はついていけるだろうか、このオタクたちのスピードに────

観客が予定より早く集まったので開場時刻が少し早まった。しっかりと列を守って順番に入場。
受付の係員にチケットを見せて、そこで一般かプレミアかが判別される。私は田中さんのプレミアチケットでの入場だったので、『田中有紀』の名前のシールが貼られた紙袋をそこで手渡される。中を見ると田中さんの複製サイン入りの写真と写真立て。これを手にできたことがまず嬉しくて思わず息が漏れる。

そのまま物販列に並ぶ。レジの方から数十個単位の注文が聞こえてくる。すごい。
そもそもイベントに来るので交通費に30kかかっているので、私はそこまでの大盤振る舞いはできなかった。田中さんのアクスタやブロマイド、フォトブックなどを買って大体15kだた。特典のポストカードは三種類ピッタリいただけた。
ランダム缶バッジもいくつか買ったけど、全部三川さんだった。でも先述の通りイベント中に個レスを貰いまくって堕ちかける手前の私なので、割と満足している。なんなら三川さんのアクスタも買えばよかったと後悔しているぐらいだから。
入場。席は前から4列目、割と近い。開演までは1時間近くあったけど時間はすぐに溶けた。フォトブックをチラ見して気絶していたからだと思う。

開演直前のアナウンス、多分生だったのかな
三川さんが「会場内にはカメラが入ります。イベントをお楽しみの皆さんのあ〜んな姿や……あ〜んな姿?」って発言に戸惑ってるのがよかった

イベントが始まる。

ちけ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!ちけちけちけちけ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!

き、綺麗すぎる………………

麗        麗         麗
・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・私

↑何!?!?!?!?
こんなことあっていいの!?!?!?!?

イベント中に何度かその距離感を認識するたびに意識が飛びそうになった。カワイスギクライシス。

イベントほ〜んとに楽しかった
田中さんも長谷川さんも三川さんもトーク面白ぇ〜〜〜
初対面とは思えないぐらい長谷川さんと二人が馴染んでて、終盤ではいかに三川さんを二人で転がすかの勝負みたいになってた
ナチュラルファニーパーソンすぎる三川さんマジで

当然のことながらお三方声が良すぎる
朗読会本当に幸せすぎた
「みんな落ち着いたトーンだから眠たくなっちゃいましたかね?」って聞かれたけどそんなことあるわけなさすぎる
声に聞き惚れるのもそうだけど、それ以外の演技も細かで目が足りなかったぐらい
視線の使い方や衣装の袖の振り方とかまで感情の機微を表現してたはず
朗読劇って演劇なんだもんな、やっぱすげえわ……

そうこうしてたらイベント終わっちゃった
あーん行かないで……

……さて、このイベントには朗読会の他にもう一つのメインイベントがある。
それは、先ほども述べた通り、演者さんたちから直接にプレゼントを受け取る「お渡し会」である。
俺が!! 声優さんから!! 直接!! である

震えたね、本当に
お渡し会の準備の設営が進む中、スマホに書いてきたメモを必死に見返して文言を頭に叩き込む
その背中はオカピのように小さくて、鹿のように震えていた

そして三人が再登場してお渡し会が始まった。最前から横並び一列ずつ進んでいく。
プレゼントとしてはティーセット、イベントシール、朗読会の複製台本の3点だ。これをそれぞれ三川さん、長谷川さん、田中さんから順番に一つずつ受け取っていくコンベア方式らしい。
先に呼び出されたオタクたちが流れていく様を席から見守る私。思っていたよりも時間としては短い。本当に、受け取るだけ受け取ったら離れろと言った感じだ。言葉を交わせるとしても一言二言だろうな……メモ帳から言葉の取捨選択に移る。

そしてついにやってきた前4列目の番。すくりと立ち上がって整列した。階段を登る。一段ずつ、推しが近づいてくる。その歩みをなしているのは他でもない自分自身。俺が、俺の意思で、近づいている。

お、烏滸がましい……!!!!

その恐れ多さから思考がぶっ飛びそうになる。
心臓はバクバク、全身が緊張で震えている。
もちろんこれは私がこの数年間ずっと待ち侘びた機会なのだ。だけど、だからこそ、この瞬間に全てが決してしまうことが……怖い。

「次の方」

きた。ついに俺の番だ。
もうこうなったらどうであろうと行くしかない……!

私「岡山から来ました…」
三川さん「わざわざ遠くからありがとうございます! 岡山には私もしばしば行くので…」
私「是非是非!お越しください!同じ瀬戸内出身同士応援してます!」
三川さん「ありがとうございますー!」
ここでハガシ

長谷川さん「今日はありがとう!」
私「次は冬のヴィラン焼肉会でお待ちしてます(?)」
長谷川さん「あはは、次はヴィランの格好したいね」
私「今回の衣装もお似合いでした! ありがとうございました!」
長谷川さん「うんうん、がーなまさんね! ちゃんと覚えたよ! それにしてもおっきいねー」
私「瀬戸内で一番でかいです」
長谷川さん「えー!? ほんとにー?!」
ここでハガシ

田中さん「あっ! がーなまさん!」
私「田中さん! いつもお世話になってます! ずっとお会いしたかったです…! 」
田中さん「わざわざ遠くから……(お辞儀しながら)」
私「6月のイベントも絶対いきます! 応援してます!」
田中さん「ありがとうございます! また! 待ってます!」
ここでハガシ

は?????????
何????????????

色々と嬉しかったことはあるんですけど、やっぱり名札を見てすぐに「あっ!」と向こうから私のハンドルネームを口にしてくれたのが嬉しかったですね。私はなんだかんだ認知されるのは嬉しい側のオタクなので、存在を僅かにでも覚えてもらえていたのはそれだけで欣喜雀躍の想いです。それに間近で見る田中さんは思っていた以上に澄んでいて……終わった後も暫く「現実か……?」と疑ってしまったほど。

お渡し会の方式的に正直会話らしい会話もできるほどの時間もなかったのですが、それでも感謝と応援の想いを伝える機会をいただけたことには感謝です。やっと自分の口で言えた。本当に、ここまでやってこれたのは田中さんに日々のエネルギーを頂いたからだったので。

ああ、本当に来て良かったな……と喜びを噛み締めながら会場を後にしました。
終演後は仲のいいオタクの一人が一緒に酒を飲んでくれると言うので、二人で揃って浅草ビール工房さんにお邪魔しました。シャニ5th以来1年ぶりの来店。

田中さん魔法陣

なんかもう感情がめちゃくちゃだったのでお酒がめっちゃ沁みた。ビール美味し。シャニマスに登場するアイドルユニット、アルストロメリアの衣装名を元ネタにした「Opporsi Paradiso」もいただいた(写真のビールはPlus One Good DAY!)。確かにスパイスの芳香が後を引く感じがある。度数がまあまあ高めでガツンと来た。
おかげさまで一緒に飲んでくれたオタクにイベント終わりの感情をめちゃくちゃ浴びせてしまったな……本当にそれぐらい嬉しかったんだ。受け止めてくれてありがとう。

アパホテルで戦利品の公開

ホテルに戻ってからも身内のオタクサーバーのボイスチャットで感想語りをするオタク。
もう俺は逃げも隠れもしない、声優オタクだ。
身内のオタクは私がシャニ4thで初現地をした時のこともよく覚えているので、あの頃から変わり果ててしまったことをよくネタにされる。「本当にオタクっていたんだ……」から二年経てば声優さんの朗読会にだって行く。人の足は前に進むためにあるのだ。

なんか知らんけどガス点検の違法業者が
実家に来た夢を見たのでブチギレながら目を覚ました

オタクに「よかった〜」をぶちまけながら一人で酒を飲んでいたらいよいよ酒が回ってしまったのか頭痛がしだしたので12時ごろに就寝。翌日も有休はとっているものの、早めに帰っておく必要があるのでいい頃合いだったんでしょう。
お渡し会での光景をなんども頭の中で再生しながら、目を閉じました。

翌日の朝9時には東京を後にしました。月曜日で誰も遊んでくれる相手もいないし、もとより目的はこの朗読会だけなので! 満足のホクホク状態で新幹線に乗り込みました。帰りの新幹線で念願の牛肉ど真ん中弁当を食べながら、このnoteを書いたりしてました。

出身地開示。この写真が俺があの場所で一番遠くから来てたことの証拠だ。
瀬戸内の潮風に乾杯。

改めて思う。この24時間はかけがえのない最高の24時間だった。この先オタク活動をしてても今日の感動を忘れることは無いと思う。イベントを開いてくださった運営スタッフ方、そしてご出演なさってくださった御三方への感謝の念はどう表現したって足りるものじゃない。それでもこれだけは言いたい、本当にありがとうございました!!!!!!!!!!

また機会があったら行きたいです、是非に。

あと岡山帰ってから夕方に行った歯医者でバチクソ虫歯出来てるって言われたのでこれから通院治療です。とほほ……


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