記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

【ネタバレ有り】崩壊スターレイルver2.2「愚者は2度ベルを鳴らす」感想~或るナナシビトの物語~

※この記事には崩壊スターレイルのver2.2の重大なネタバレを含んでいます。それでもいいという方は下へスクロールしてください。
なお、考察ではありません。ただの感想です。よろしくお願いします。










開拓者の人生は、いつも遠回りをして、最後には必ずスタート地点に戻る。
それでも、愚者は2度目のベルを鳴らす

崩壊スターレイルのver2.2、遅ばせながら先ほど開拓任務をすべて読んだ。非常に面白かった。
何よりもまず「愚者は2度ベルを鳴らす」という表題が非常に秀逸だ。
この表題はおそらく「郵便配達は2度ベルを鳴らす」という映画のパロディであるが、パロディとは思えない程多層的な意味合いがこもっている。

「愚者は2度ベルを鳴らす」が今回明らかになったピノコニー編の真実(実はループ2週目であること)を表すとともに、
星神を失い、列車が廃棄されても2度目の開拓の旅を始める星穹列車とも重なる部分がある。
そして、今編の影の主人公とも言えるナナシビト「ラグウォーク・シャール・ミハイル」の生涯を示している。
今編の内容を踏まえたで色々な解釈が広がる実に秀逸な表題だ。
また、物語を読むまではその秀逸さがわからないのもポイントが高い。
全部読み終わった後もう一度表題を読んで感動した。

今編は、ピノコニーの物語であることはもちろん、「ラグウォーク・シャール・ミハイル」という一人のナナシビトの生涯の物語でもある。

今編で語られたのは、
開拓の行人、「ナナシビト」とはどういった気質の集団なのか?ということだ。
今まででも「ナナシビト」について断片的には情報は色々あった。
例えば「星々(世界と世界)が繋がっているのは開拓のアキヴィリの開拓の結果」だそうだ。
今の星穹列車のメンバーは「開拓」の星神であるアキヴィリの死後、廃棄された列車を姫子が修復して再び開拓の旅に出た所謂「2代目」である。
そして以前の開拓の行人たちはどのような人々だったのかが細部にわたってしっかりと描写されたのはこれが初めてだ。

彼らは来るものは拒まず、去る者は追わず、何よりも本人の意思を尊重する(それこそが、開拓の精神だという哲学を持っている)実に気持ちのいい集団であった。

個人的には、(今回が「初手例外」という可能性もあるが、)意外と「普通の人」がナナシビトになるんだな。と感じた。

ミハイルも特に出自に異常な点はない。私はこういった、普通の人が真っ当に大成する話が大好きだ。
そして、サンデーの「選ばれた英雄のみが~」って話のカウンターにもなっている。

というか今の列車組が異常者揃いというか…

開拓という苦難の道を進むナナシビトは愚者であるが、愚者こそが、世界を開拓し、繋げることができる。そして、人々はみな、愚行権を持ち、その愚行を誰にも止めることはできない。
開拓の意志は受け継がれ、例え一度挫折したとしても、必ずいつか誰かが2度目のベルを鳴らす。
今編のテーマは、つまるところ
人間の持つ一見愚かなロマンチシズムこそが我々を遠くに運んできた
ということだろう。

そして、今編のテーマである「閉じた理想郷(理想とは言っていない)か、厳しいが開かれた現実か」という問題は、「アキヴィリによって世界が繋がった」ことを加味すれば、「開拓」の結果に対するジレンマという気もする。
開拓によって世界が繋がったことで、世界は開かれたが、それによって多くの問題(繁殖による世界の恐慌、現代で言うなら星核による諸問題)が起きた。こう見ると、今回のピノコニーの事象は、スタレ世界の全宇宙で起きていることの縮図とも言える。

こうしたジレンマに開拓者はどのような答えを出すのかはさらに先の話になるだろう。

何というか、今までふわっとしていた【開拓者(ナナシビト)とは何なのか】という問いにちゃんと答えてくれた気がして、この【崩壊スターレイル】という作品にグッと引き込まれた。

余談:この話をなぜ最初にやらなかったのかとちょっと思うくらいには作品の【根幹】のテーマをやっている。と感じてしまう。

一番身近なところで例えるならワンピースが近い

このピノコニー編で作品の核となるような【テーマ】が明確に見えてきた感じがする。
人々は皆運命の奴隷で、最期には虚無に飲まれる。しかし、その過程は自身で選択ができるし、そこには気高い開拓の精神が宿る余地がある。
この作品のテーマは、まぁワンピースに近いなと思う。(あっちは海賊だが…)
例え命をかけたとしても、冒険(開拓)を渇望するその精神性が作品全体に爽やかな一筋の風を吹かせる。

「受け継がれる意志」って場面で受け継ぐのが帽子なのもワンピースオマージュでしょ。(こじつけ)

余談:(偶然かもしれないが、)ピノコニーのシナリオはワンピースフィルムレッドの影響をたぶんに受けていると思われる。少なくともロビンの声に名塚佳織はヤってるでしょ!

ワンピースフィルムレッドのウタもCVが名塚佳織

今編で描かれたミハイルを始めとしたナナシビトの生涯は、重苦しく、謀略渦巻くピノコニー編に、一筋の爽やかな風を吹かせた。
彼らは、星穹列車のナナシビトでありながら、アスデナの再興に生涯を捧げた。そこには義があり、他には何もない。そして、星穹列車と離れても開拓は続くのだ。彼らは開拓者として、アスデナの開拓に殉じた。
私は、ミーシャとともに彼の生涯を振り返るパートの最後に再生される紙芝居が一番好きだ。
彼は人生の最期、雁字搦めになったピノコニーのために1つの大きな嘘をつく。そして、彼と同じ開拓の意志を持つ現代のナナシビトによってピノコニーは再度救われる。美しい筋書きだ。

ラグウォーク・シャール・ミハイル 彼こそピノコニー編の主人公であった。

ミハイルの遺したミーシャは、開拓者としての衝動が抑えられず出て行ってしまい、結局彼がプレイアブルになっているところにもロマンを感じずにはいられない。

総じて、開拓者周りのストーリーに特に惹かれたver2.2だった。

言いたいことはだいたい言ったので、(私的)2.3の(特に夢回り)解釈

なかなか複雑な構造をしていた2.3のストーリーですが、特にどこまでが夢だったかについての私の解釈を以下に記します。
【これはあくまでも私の解釈です。合っているとは言えません。】

我々が2.0からプレイしたピノコニー編は全て夢であった。
流れとしては
1回目(丹恒も下車している)
→我々のプレイとほぼ同じ流れでサンデー戦まで進めるが、サンデー戦で夢の中に飛ばされる
→夢の中で目覚める(ここが2.0のピノコニー跳躍直後)
→2.2の終盤にブラックスワンに起こされるまでは全て夢
→夢から目覚めた後、丹恒もその場にいるので、1週目ラストバトルに戻った
という解釈である。

ラストに起きた時はパーティに丹恒がいる。(画面右奥)

つまり、結盟玉兆は使っていないし、将軍も実際には来ていない。
1週目に丹恒がいるのはこのムービーからの逆算である。

(少なくとも私の解釈では)なかったとことはいえ、この場面にはすごくテンションが上がった。結盟玉兆はどこかでは使うと思うので、どこかでまた拝めるであろう。

サンデー君の思想と週休7日制

サンデーはかなりいい悪役だった。
ただし、たとえ話が壊滅的に下手である。
いや、君の理想を語るのに週休7日制を出すのは色々と拙い気がするぞ。
働きたいやつもいるという反論を作るし、仮にベーシックインカムを導入するとしても、結局それって個人の資本の差が生活に直結して貧民は働かなきゃいけないじゃんってなって、彼の「弱者救済」という題目に合わなくなるし、
というか「誰もが幸せな社会を作る」ことの例え話に週休7日制を出すの、このサンデーって人めちゃくちゃ働きたくない人って事?めちゃくちゃかわいいな。

ホヨバースはいつもそうだが、共産主義に対しての憎しみが時折垣間見える

この後ろ姿で「働きたくねー」「週休7日って最じゃね」って思ってるのかわいすぎる。

まとめ

とにかく面白かったスタレver2.2
エピローグも楽しみだ。
ホタルの3回目の死はどのような形で起こるのか。
相互破壊ボタンとは何だったのか。という花火はなんだったのか。
ブートヒルの活躍はまだ見れるのか。
ありがとうホヨバース。

皆さんも、ここまで読んでいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?