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乳房再建中の和装(術後123日目)

先日、実弟の結婚式がありまして。
昨夏に結婚が決まり、コロナ禍での挙行を前提に準備してきた、ごくごく内輪のみの小さな結婚式。
変異株が猛威を奮うこの状況下でもなんとか無事挙行することが叶い、その後列席者の誰も体調を崩さなかったことに、ただただ安堵しています。

その結婚式で私、色留袖を着用しました。
元々和装が好きで最初は留袖を検討しましたが、せっかくの機会なので色留袖を選択。
多分、最初で最後の色留袖。

この色留袖を選びに(レンタル)行ったのは、実は昨秋の乳腺MRI検査の日。

乳がんかもしれないという強烈なストレスに晒され、最も辛かった頃。。。
あれから告知、手術と経て、ホルモン療法中ながらも、元気に色留袖を着ることができました。
選んだ日とは比べ物にならぬほど、すっきりした気持ちで。

…前置きか長くなりましたが、というわけで私、エキスパンダー挿入中の状態で着物を着るという経験をしました。

弟を通して、乳がん手術後で着付に配慮を要する旨を事前に式場に連絡し、過去にも同様のケースがあったから大丈夫ということで確認が取れていました。

とはいえ、私は新婦でも何でもなく、細心の注意を払われる対象ではないので、着付のスタッフさんは何も事情を知らないと思って行った方がいい、というのは実母からのアドバイス。
で、当日行ってみたら、案の定、事情は伝わってませんでした 笑

まぁでも私はあまりそういうことが気になるタイプではないので、その場で説明。
右胸に手術痕とエキスパンダーがあり締め付けが辛い可能性があること、右腕が高く上がらないこと、投薬の副作用で突然の発汗があることを伝えました。
スタッフさんは驚くこともなく、「あー、わかりました。じゃぁ様子みながら調整しながらやりますね〜」と慣れた感じで応じてくれました。
結婚式にもいろんな事情を抱えた人が来ますよね、そりゃ。
でも自分が病気になるまで、あまり考えたことがなかった。
視野が狭かったな。

そしていざ着付け。
まずはタオルなどを用いて体形補正をしますが、私の場合、補正の基準になったのが患側の右胸。
エキスパンダー挿入により、今や左胸よりトップバストの位置が高く、且つ潰れるような圧をかけることはできないので、右胸に合わせて体形補正と着付けをしていただきました。

胴回りにタオル巻くのは成人式や結納の際と変わらないものの、違ったのは綿花(脱脂綿)の使用でした。

まずは、胸元(半衿の下になるあたりを中心に)に、V字で広範囲且つ大量に綿花を敷き詰め、トップバストへ向かうラインが綺麗になるよう補正。
特に右胸は、トップバストの位置こそ高いものの、乳腺を全て取り除いた影響で鎖骨下あたりが痩けた感じになってしまっているので、そこを重点的にかさ増し。

補正が終わったら、いよいよ着物本体。
着物の着用自体は何の問題もなく、大量の綿花のおかげで胸元のラインも綺麗。
帯も、胸の下に巻くので特に辛くはありませんでしたが、スタッフさんの判断で通常に比べれば緩めに締めてもらいました。
意外と問題だったのは帯揚げ。
ちょうどエキスパンダーと接触するくらいの位置にあたり、締めると痛い。
このため、見た目おかしくない程度に限界まで下の位置で締めてもらいました。
(数センチ下がったくらいですが…)

一旦着付けが終わり、最終調整。
右胸に合わせて着付けたからか、左胸の方は帯に隙間ができてしまうらしく、左胸下のあたりの帯の内側に更に綿花投入。

こうして、見た目何一つ違和感なく、馬子にも衣装な色留袖の着付けが完了しました。

「痛くないですか?大丈夫ですか?」とこまめに確認しながら着付けてくださったスタッフさんに感謝。

通常より緩めの着付けであったものの、言わずもがな着崩れを起こすようなこともなく、結婚式から披露宴までを過ごすことができました。
着付けによる痛みも特になかった。

ただ、術後の体力回復が完全ではない状態で、普段着なれない着物を術後4ヶ月にして1日着たら、壮絶に疲れました。
また、着用中の痛みはなかったけれど、後日、もうすっかり無くなったと思っていた右脇の下〜二の腕の違和感・痺れが復活。
…という、後遺症はありました。。。
やっぱちょっと無理したかな。。。

それでも、総じて和装でよかったかなと思います。
洋装だと基本的に服の生地が薄いので、バストバンドが変に浮き上がって見えたりして苦労した気がするので。
(普段着でもわりと苦労している)

以上、エキスパンダー挿入中に着物を着用した体験談でした。


このような状況下で結婚した弟夫婦ですが、どうか末永く仲良く幸せでありますように。


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優雨
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