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感傷マゾヒスト

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最近の記事

“幸せになりたい”が口癖の私たち

2019年の上半期が終了した。7月に入り、梅雨の時期ももうすぐ終わる。そして梅雨の妖精である紫陽花はもう既に姿を消してしまいつつある。 私と親友は根本的な価値観は合致しているが、そこから派生するそれは逆を向いている。そんな彼女と私が集まる度に「幸せになりたい」とまるで互いが、敵か味方かを判断するとき使う合言葉かのように発する。かの有名なバンドであるback numberの清水依与吏さんは「幸せとは、大切な人が困難に苛まれたときに手を差しのべられること」と言っている。 「幸せ」

    • バスのゆくえ

      “知ってる?人間には4種類いるんだよ。 間違ったバスには絶対に乗らない人間と、間違ったバスにしか乗れない人間と 間違ったバスだとわかったら引き返せる人間と間違ったバスと知りつつも乗り続ける人間と” -「piece」/芦原妃名子- 「あ、私が乗るべきバスはこれじゃないかもしれない」と思った私の予感は見事に的中した。全てのことに対しての行動を怠惰に思っていた私はそのまま終点まで窓の外を眺めながらボーっとした。そうしながら物思いに耽る。圧倒的に私は「間違いと知りつつ乗り続けるタイ

      • 死に至る優しさ

        「優しさは時に人をも殺す」と思っている。 お節介とはまた別の“優しさ” いや、もしかしたら同等なものかもしれない。 今まさに私は他人からの優しさに押し潰されそうになっている。事の発端を作ったのは私で、それは自己肯定感の低さや劣等感からある特定の環境の他人を拒むようになってしまった。それなのに、そんな私に対して大多数の人たちが「気遣い」をしてくる。その大きすぎる「優しさ」や「期待値」は私を死にたくさせます。 根底にあるのはいつだって自己肯定感の低さで「私なんかに期待しても…何

        • 槐安の夢

          “夢見ないことを 夢に見る。睡の時間に 目覚め のしかかる沈黙の間に 睡る。夏の約束を 守る それを破る ことによって。” -P・オースター『説-かなたをめざして』- 私はこの詩がとても好きだ。どこか儚げで憂鬱で危うい感じが。以前、P・オースターの「ムーン・パレス」を読了した。教授に提出するレポートにも書いたが、今作は主人公の自分探しの物語であると思う。モラトリアムという中で自分とは「何者」なのかを探す旅。家庭環境が複雑な主人公だが、そうではない私もとても共感できる部分があ

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