「お爺さん」
電車に乗ってLINEをしていた。
「行ってもいいけど行かんでもいいしなー」どっちでもいいけど迷う。そんなどうでもいいことを考えてケータイばかり見ていた。
ふと顔を上げると、お爺さんが吊り革を持って立っていた。
「あかんあかん、席譲らな」
「ここ座ってください」という僕に
「いいよいいよ」と言い、立とうとする僕の肩を押すお爺さん。その手は力強かった。
「ジュースあげるわ」と言われ
「え、」という僕に
「思い出や」と言ったお爺さん。
思わず顔が緩んだ。
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