マッシさんの「サイゼリヤ完全攻略マニュアル」レシピを再現!サイゼリヤと楽しむイタリア食文化の魅力イベントレポート
2021年6月に日伊通訳士マッシさんがnoteに公開して大きな話題となった「サイゼリヤ完全攻略マニュアル」。サイゼリヤの料理をよりおいしく食べられるマッシさん考案のアレンジレシピと、サイゼリヤ愛があふれるレポートが人気を集めています。
そこでnoteでは、マッシさんとサイゼリヤの方々をお招きして、そのアレンジレシピを再現。でき立ての料理を一緒にいただきながら、イタリアの食文化の魅力や、日本との違いと意外な共通点などについて語りあうイベントを企画しました。このnoteでは、当日試食した料理の一部とみなさんの様子をレポートいたします。
すべてのレシピの詳細は別途ふろくに記載しています。動画と合わせてぜひご覧ください。
イベントふろく*マッシさんの「サイゼリヤ完全攻略マニュアル」完全レシピ集
▼イベントのアーカイブ動画はこちらからご覧になれます
ゲスト紹介
Massimiliano Sgai(マッシミリアーノ・スガイ)さん
イタリア・ピエモンテ出身の日伊通訳&マーケティングコンサルタント。イタリア領事館の翻訳宣誓認証。トリノ大学院文学部日本語学科修士課程。来日14年目。石川県金沢市在住。noteでは、日本で暮すなかで日々感じたこと、学んだことなどをつづっている。サイゼリヤとスイーツが大好き。
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高木淳史さん
株式会社サイゼリヤ執行役員店舗運営本部長
店舗運営部にてエリアマネジャーを務めたのち、商品開発やオーストラリア工場の立ち上げをになう。購買部長・商品本部長時代には、イタリアへの訪問にくわえて、イタリアの食文化、料理、ワインの探求にいそしんだ。
内村さやかさん
株式会社サイゼリヤ変革推進部兼広報部長
店長から急拡大期の商品企画部へ。メニューブックやホームページ改変の企画を行う。お酒が弱いながらも、年間の3/4以上を試食という名のもとに外食する観察好き。
再現レシピはサンドにピザ、パスタなど7品目!
もともと週に1度はサイゼリヤを訪れていたというマッシさん。「攻略マニュアル」が人気となってからは、「マッシと一緒にアレンジメニューをつくりたい!」という友人知人に誘われて、週2〜3回も通うようになったそう。
「毎日筋トレもガンバったけど、体重が2kgくらい増えました(笑)。でも、ぼくのnoteを読んでくれたみんなが、イタリア人みたいにいろんなアレンジをして、いっぱい食べてよろこんでくれて。すっごいうれしいです。みんなファミリーになりました!」というマッシさん。当日は以下の7品を再現してくれました。そのうち3品をご紹介します。
熟成サラミサンドは、具を横から挟むのがポイント
外はパリパリ、中もちもちのパン、ミニフィセル(150円)と、熟成ミラノサラミ(300円)でつくる熟成サラミサンド。つくるときのポイントは、フィセルの横からナイフを入れて本のように手で開くこと。具を詰めたあとは、軽く上から全体を押します。こうすると、食べるときに具がこぼれにくくなるのでおすすめなんだそう。
①サッとナイフを入れる。フィセルを立てると切りやすい→→②手で切り目をつかんで→→③本を開くように割く
少し脂身のあるサラミと、爽やかな苦味のあるルッコラ、香り高いオリーブオイルが絶妙にマッチした1品です。
マッシさんによると「オリーブオイルは何に使ってもおいしいです。アイスクリームにバルサミコ酢と一緒にかけると最高!」とのこと。高木さんは「溶けてくるのを練りながら食べるのがおいしい」、内村さんも「ちょっとお塩を足したりして」とマッシさんに賛同。
イタリアをたびたび訪れている高木さんが「オリーブオイルを置いていない家庭は見たことがない」と言うと、マッシさんが「イタリア人にとってオリーブオイルは、日本人にとっての醤油みたいなもの。料理にも使うし、生でもかける。ないとイタリア料理がはじまらない! イタリアと日本にはこういう共通点がたくさんあって、うれしいです(笑)」と答えてくれました。
熱々とろ〜りスープでやわらかいパンを食す、パッパ アル ポモドーロ
ミニフィセルとミネストローネロッソを使ってアレンジした、パッパ アル ポモドーロ。消化がよくやわらかいパンが食べやすいので、イタリアでは食欲が落ちやすい夏場や風邪をひいたときなどにもよく食されるそう
パッパ アル ポモドーロとは、もともとはトスカーナ地域の田舎料理。直訳すると「トマトのパンがゆ」です。硬くなってしまったパンを、貧しい農民がどうにか食べられるようにと、トマト系の野菜スープに入れて柔らかくして食べたのがはじまりだと言われています。
マッシさんは、サイゼリヤのミニフィセルとミネストローネロッソ(300円)でアレンジ。ちぎったフィセルをスープに入れて、オリーブオイルとチーズをプラス。
マッシさんは「サイゼリヤに行くと、いつもチーズを1/2本くらい使ってしまうので、一緒に行く友だちに『かけすぎ!』とおこられる(笑)」のだそう。
でも高木さんは「お客さまにチーズやオリーブオイルなどをたくさん使っていただくとうれしいんですよ。自分でアレンジして、よりおいしく食べようとしているお客様がいるな、本当に置いておく価値があるなと思えるので」とコメントをくれました。
素材のよいものをリーズナブルな価格で
マッシさんは、大好きなサイゼリヤのプリンを食べると「食感、キャラメルと卵の味。おいしくって、子どものころを思い出す」と言います。それもそのはず、プリンはマッシさんの故郷・トリノ産だそう。サイゼリヤではほかにも、イタリア直輸入の品がたくさん使用されています。
高木さんによると「マルゲリータピザには、牛ではなく水牛製のモッツァレラチーズを使っていて、これもイタリアからの直輸入品。牛のチーズとは香りがぜんぜん違います」とのこと。
高級素材を使っているのに手頃な値段で提供できる理由を内村さんにたずねると「頑張っています(笑)。サイゼリヤでは、みなさんがメニューを広げて『おいしそうだけど高いからやめとこうかな......』と考えなくて済む値づけを大事にしているんです」と答えてくれました。
炭水化物×炭水化物の最強タッグ、カリッとポテトのカルツォーネ
日本ではまだまだ認知度が低いカルツォーネ。ピザと同じ生地を使っていて、違うのは折り畳んでから焼くことだけ。ということで、マッシさんはマルゲリータピザにカリッとポテト(250円)をサンドして、オリジナルカルツォーネをつくります。
①ポテトをのせてオリーブオイルをかけたら、ピザカッターで軽く折り目をつける→→②上から、縁をぎゅっとおさえる→→③半分に切る
内村さんは「マッシさんのアレンジで、最初に試したのがこれでした。意外な組み合わせにおどろいて。食べてみたらおいしくて、2度びっくりしました(笑)」とのこと。
マッシさん「プライドポテトとトマトをのせたピザはイタリアにはよくあります。それに、炭水化物に炭水化物を組み合わせるって、もう天国です!」。禁断(?)魅惑の組み合わせ。ぜひみなさんも試してみてください!
秋にデビューするメニュー3選!その①日本ではあまりお目にかからない塩蔵肉「ラルド」
最後にサイゼリヤさんから、秋ごろよりメニューに登場予定の3品をマッシさんに試食してもらいたいとご用意いただきました。1つ目が豚の背脂を塩漬けにしたハムの一種・ラルドです。
内村さんには「日本ではあまり見かけないイタリアのおいしい食材を気軽に食べられる機会がつくれれば」との思いがあったのだそう。
マッシさん「むかしイタリアでよく食べてました。パンを薄く切って、ちょっとトースターでチンして。熱いパンの上にラルドをのせて食べます。さらにパニーニとか、ピザにのせたらもっと美味しくなります。さっそく、攻略マニュアルを更新しないといけないですね(笑)」。
秋にデビューするメニュー3選!その②香りが芳醇なプロシュットコット
つぎは、加熱したハムのプロシュットコット。
「コットは一見ふつうのハムですが、香りがもっと芳醇」と高木さん。内村さんは「たくさん重ねて、サンドにして食べるとさらにおいしいです。ぜひ試してみてください」とのことでした。
秋にデビューするメニュー3選!その③酸味が特徴的なナポリサラミはワインのおともに
そして、ナポリサラミ。内村さんによると「酸味が特徴的。少しクセがあるので若干好き嫌いはわかれるかもしれないですが、ワインによくあいます」とのこと。ミラノサラミよりも粗挽きなのが特徴です。
マッシさん待望のアラビアータスパゲティが9月15日に復活決定!
視聴者からマッシさんへサイゼリヤでふやしてほしいメニューをたずねると「アラビアータスパゲティを復活させてほしい!」と即答。以前メニューから消えたとき「あーー!もっと食べておけば良かったーー!」と大ショックを受けたんだそう。
うふふ、と笑みを浮かべた内村さん。「9月のメニューで復活します。品質などブラッシュアップしてますのでお楽しみに!」。
※アラビアータスパゲティは、9月15日から復活予定(400円)!オリーブのコクとアンチョビの旨みを加えた、しっかりした辛さのトマト味ソースです。
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このあと、視聴者からの質問にマッシさん、高木さん、内村さんが答えてくださったシーンもあります。ぜひ動画でご確認ください。
反響の大きかったこのイベント、また別のかたちで第2弾をお届けできるよう企画を考えていますので楽しみにおまちください! 最後にマッシさんから一言。
「どこかで会ったらぜひ声をかけてくださいね。サイゼリヤが近くにあったら、カフェでもランチでも、ぜひぜひ一緒に食べに行きましょう!」
※価格はすべて2021年9月15日時点、税込。
text&photo(人物) by いとうめぐみ