見出し画像

保育園の帰り道。娘と歩く10分の距離が、私を支えてくれていた。

保育園の帰り道の定番は「お嬢コンサル」

娘が小さかった頃、私もまだ起業したばかりの頃で、一人でたくさんの悩みを抱えていました。

もちろん普段の悩みであれば、スタッフや周りの人に相談できますが、中にはスタッフにも言えないことや、お客さんに言い返したくてもできないこともありました。

そんな時、保育園からの帰りの時間を使って、娘にポツポツと今日あったことを話すようになりました。

家から1駅、保育園から駅まで、子供の足では10分ほどかかる道。お話好きの私にとって、その10分がとても好きな時間でした。

「今日はめっちゃ悔しくてね」と悔しさを吐露する日もあれば、「今日はとっても嬉しかったんだ」と喜びを共有する日もありました。

娘はまだ大人の言葉を全ては理解できていなかったとは思いますが、ひたすらに話続けました。

そんなことを続けていくうち、娘が4〜5歳ごろになるとだんだんと的を得た回答をしてくれるようになりました。

駅までの10分。その時間はいつしか「お嬢コンサル」といい、私が娘にコンサルを受ける時間になっていきました。

娘の思わぬ提案に親がハッとすることも

ある時、自分の全力で考えた企画を、丸っとそのまま大手企業に持って行かれたことがありました。当時はまだコミュニティマーケティングの大枠もできておらず、私の企画力だけが強みだった時代です。

一番大切な肝を、いとも簡単に奪われたような気持ちでした。

とても悔しくて、ショックで、何も手につかないほど打ちひしがれていました。

その日も保育園の帰り道に娘にこの話をしました。

すると、娘から「私もそういうことあるよ!」と思わぬ返答があったのです。

「私もね、Aちゃんと遊ぼうっておもちゃを持っていったら、そのおもちゃを持って、AちゃんはBちゃんと遊びにいっちゃったの」

「でもね、そんな時にいい方法があるの」

「その二人のところに行って、割って入って『入れて!一緒にあそぼ!』って言うの」

「だって三人で遊んだ方が絶対楽しいんだもん!」

ハッとしました

確かに嫌な思いはしましたが、私はその後打ちひしがれただけで終わっていたことに気付かされました。そして、まさか一緒に入るなんて考えても見ませんでした。

まだ、できることがある。そう背中を押されました。

さっそく次の日、私はその企業に「お手伝いさせてください」とメールをしてみました。

残念ながら、子供の世界とは違って、大人の世界はそう甘くはありません。もちろん返事はありませんでしたが、やりきれた清々しい気持ちになることができたのです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?