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藤嶋美伶、狂気を孕んだその姿と激情した劇場型な音楽を披露したソロデビューライブとは...

 新規オープンして間もない原宿RUIDOを舞台に、同店舗の「REBIRTH」シリーズ企画の一つとして、7月4日(月)に「竹下通り恋ノ歌劇場」と題した女性アーティストたちを集めたイベントが催された。出演したのは、安月名莉子/上間江望/つじりお/藤嶋美伶/younA。ここでは、この日がソロ・デヒュー公演となった藤嶋美伶のライブの模様をお伝えしたい。

  言葉の響きを確かめるように、音数を抑えたピアノの音色に乗せて藤嶋美伶がゆったりと歌いだしたのが、YOASOBIの『夜に駆ける』。原曲のテンポをぐっと落とし、藤嶋美伶は哀愁を帯びた声で、言葉のひと言ひと言へ命を吹き込むように歌っていた。声を張り上げることなく、原曲の歌メロへ寄り添いながらも、その言葉の持つ意味が一番似合う声の表情で、彼女は自分なりに解釈した物語を描くように歌っていた。その声に心がスーッと惹かれる。気持ちが癒されていく…と思ったとたんに、楽曲が鮮やかに跳ねだした。それまでゆったりと歩みを進めていたのが嘘のように、藤嶋美伶はダンスを踊るように軽やかに歌っていた。暖色系の明るい色に染まったたくさんの音符たちが、ポップコーンのようにその身をぶつけあいながら次々と弾けてゆく。彼女は『夜に駆ける』を、魅惑的な歌声とピアノの旋律を相棒に、新しい色(新たな解釈)を持った楽曲として目の前に描きだしていた。コピーではない。自分の色に楽曲を染めてゆく。まさに、あるべきカバーの姿がそこにはあった。

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