介護士の仕事について。

辛口の内事情です。

他人事ではない。
ほんとに近いうちに、全ての人が介護業務に従事する必要性はすぐそこ。
男だから、とか、自分は専門職だから、とかは理由にならない。
もうほんとに、避けて通れない段階に来てるなと日々、肌で感じてる。

だからこそ、もっと介護士の仕事に興味を持って気軽にできることは飛び込んできてほしいし、介護施設への不平不満を言う前に、今一度現場で必死で働いてる人たちのことを思ってほしい。
搾取してるのは、決して下っ端ではないし、そもそも報酬体系に無理がありすぎる。
もっといい給料をもらえる仕事はあるのに、そもそもその仕事を選んだ本人が悪い?
違うでしょう。むしろ感謝はされても、蔑まれる仕事では全くないよ。
偏見はおそらく、今介護施設に預けてるご家族の年代が一番多いんじゃないかと感じる。
介護なんて…という一家の長がいる家で育った子供世代も。
今、力を持ってる政治家や企業のおえらいさんとかの年齢層とガッツリかぶってるな〜💦

介護は、はじめは何も資格を持たなくてもできるけれど、だからといって決して下に見ていい仕事ではないし、予測のつかないことをしてくれる人も多いし、マニュアルがほんとに通用しない。
自分のメンタルのコントロールも絶対に必要。
誰でもできる仕事じゃないといえばそれまでだけど、すぐにキレて手が出ちゃう人とか、適性がない人もやはりいるだろうし、やっぱり問題は出るだろうけど、もうみんながやらなきゃいけない段階に来てる。

もちろん、家族の介護をすることと、仕事で自分と縁のない人を見ることは全く違うから、施設に見てもらう時間は各家庭で当然あるべきとは思う。
外部のお客様にこそきちんと対応できる人って、家族にはぞんざいだったりもするしね。
潜在的な人材は、たくさんいると思うんだ。

介護施設に日中見てもらって仕事や家のことができるということは、日中子供を保育園に預けて仕事と家事を両立させてるお母さんたちと同じ。
他人に見てもらってるからこそ、自分の気持ちの切り替えや余裕もできるし、日々の業務が回ってるんだということを、特に今預けて当たり前と思ってる人は、改めて考えてみてほしい。

連日のように、介護施設での虐待とか、身体拘束禁止の法案が通ったとかのニュースを見かけるんだけど、虐待案件は、むしろ逆も多いんだけどなあ。とつくづく…。

私も、今は連日介護業務に従事してるけど。
現場の人手不足はほんとにヤバい。

高齢化率もすごい。
90代、100代がごろごろ。
介護士は若い人ほとんどいないところも多い。
50〜60代以上とかもざら。 
毎日トイレや入浴介助もしながらたくさんの利用者さんを見る現場は、実はほとんど腰痛持ちとか、持病持ってるとか💦
ほんとは相当疲弊してる。

トイレの失敗は、男性で立ってする人なんかも多い。
座ってするようにお願いしてもまあ怒っちゃったり忘れちゃったりで修正は難しい。ズボンの上げ下ろしのタイミングが合わなくて前濡らしちゃう人、ほんとに多いんだよね…。
ズボンやパンツを脱がせて紙パンツを履かせたりするしゃがみ動作は、実は地味につらかったり。

オムツ替えや乗り移りの介助のときに腰を痛めることはしょっちゅう。
腰を痛めない介護方法とか、浸透は少しずつしてる気もするけど、そもそも相手がわけわかってなくて全力で突っ張ってたり全く指示が入らなかったりするとその方法は通用しない…。

また、病院に勤務してた頃は知らなかった。
身体拘束は、たいてい入院時とかに同意書にサインをもらって、点滴抜去の危険性のある人とかにミトンの着用とかベッド柵とかは当然必要に応じてしてたと思うけど、介護施設はダメなので、ひたすらスタッフが対応するしかないみたい。
病院は一定期間経って命の危険性が落ち着けば出されちゃうことも多いのに、そのあとはぜんぶ人の対応で済ませなきゃいけないって、おかしくないか??
スタッフの数はほんとに限られてるのに。
それならば、別料金でその人に専属で対応してくれる人を雇ってほしい。高給与だとしても、よっぽどメンタル強くないと、長くは続かないだろうけど…💦

あまり動かない人でも、車椅子からベッドに移す時やおむつ替えの時に、もちろんちゃんと声かけして注意して優しく対応してるんだけど、混乱してる利用者さんに手を掴まれたり腕や脇をつねられたり足を蹴られたり、思いきり腕や指を握って離してくれなくて爪の引っかき傷ができて跡が残ったりはよくある。場合によったら叩かれて青あざができたり出血したりすることもあるし、こちらもイラッとすることも当然ある。
食事介助も、集中できず器に諸々入った状態で持ち歩いては床にこぼしまくる方もいたり。限られた時間の中で、口を開けてもすぐに出してしまう利用者さんに食事の時間に他の利用者さんも見ながら食べさせるのも大変。何が嫌なのかなんとか口に入れてもペッと吐き出したり、そもそも口を開けてくれなかったり。
きちんと口を開けて一口ずつ食べてくれる方はもちろん、一人で完食できる方ははんとにありがたい…。

認知症の方は動ける人もかなり多いのだけど、種類によっては日内変動も大きくて、一人で混乱して暴言暴力行為が出る利用者さんも。その対応は、ほんとは精神科レベル。高齢のおばあちゃんなのにこちらが負けちゃう馬鹿力を出されることも、連日になるともううんざり。
でも病院へはご家族さんと一緒に受診してもらうしかないし、大抵のご家族さんは日々忙しいのでなかなか…。基本は刺激しないように極力注意しながら対応するのと、多少こちらに危害が及んでもみんな我慢するのが大半。溜まり溜まれば辞職願い出す人も当然いる。

人相手の仕事はもちろん癒しもあったり、いいところもたくさんあるんだけど、コミュニケーションの成立しにくい人の介護は大変なことも多いし、ほんとにメンタルやられそうなことも多々ある。

難聴でも、耳元で言って聞こえるならばそのように対応すればいいけど、通じないことも多かったり。ジェスチャーでなんとか伝わればいいけど、わからなくて怒られることもあるし…。

限りなく預けっぱなしの家族にうんざりすることも多々あり。
もちろん、働き盛りの方が日中面倒見れないのはわかるし当たり前だけど、百歳近くの人とかなら、家族はもう少なくともフルタイム勤務ではない人が多いよねとも…。
大変なことは全部施設に丸投げして、ほんとにまれに面会に来て、いいとこだけ取って、はねぇ…。

レスパイトという名の長期利用や、ご本人や旦那さんの年金とかが原資の施設入所がまかり通っている現状もどうなんだろう。
介護士や保育士の低賃金は有名だけど、なかなか状況は改善されない…。

そして、高齢で身寄りのない人も増えてきてるし、お金はない人も多いし。
世の中、どうなっていくのかな…。

おそらく、医療と介護はセットで今後の方針ぎめをしていかなきゃいけなくなってきてるのではないのかな。
あまりに医療現場との対応の差がありすぎる。
とはいえ、どこから手を付ければいいのか、なあなあでだらだらとそのままになることの多い事なかれ主義の日本ではあまり現状は変わらないのかなあ。
医療施設との連携は、今回一応は必須になったことだし、あとは世間一般の人たちの意識改革が課題なのかな。

認知症の家族がいることが、施設に預けてることが恥ずかしいから隠す、という時代は、負の遺産も多く出たんだ。
もっと現場の声を伝えていくことも大事なんではないかなと思って、このノートを記しました。

介護の現場が潰れてしまう前に、良い案が出てきてくれますように。


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