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『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 完結編 第1章』の絵柄について

『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 完結編 第1章』の特報映像が公開されましたね。完結編がいよいよ始まってしまうのは淋しくもあるけど、またスクリーンで同好会のみんなが見られるのは楽しみ!

ただ、絵柄がこれまでのTVシリーズのものから変更されているんですよね。YouTubeの特報映像のコメント欄では、この変更に対する否定的な意見が多く見られます。他方Xでは割と肯定的に受け入れている人が多かったでしょうか。もちろん、SNSのコメントやポストはアルゴリズムによる優先表示があるので、賛否のバランスが本当に私の印象通りなのかは断定しにくいですが、少なくとも賛否の両論があることは事実でしょう。
私は、この絵柄の変更に関して否定的な意見を持っています。この記事では、なぜ私がこう感じているのかについて書いていきます。否定的な意見について述べるので、もしかすると読まれている方を嫌な気分にさせてしまうかもしれません。一消費者の意見なんて、嫌な気持ちになってまで読むべきものでは決してないです。
また、この記事は元の絵柄に戻してくれと(無理な)注文をするものでもありません。あくまで、自分が感じた否定的な気持ちを分析し、記録し、ファンコミュニティへと共有することが本記事の第一の目的です。

最初に断言しておきたいのは、私はこの新デザイン自体に対して否定的である訳ではないということです。新しくビジュアルディレクターとして参加されているけろりら氏の絵柄だと思いますが、この方のイラストはむしろ大好きです。『ぼっち・ざ・ろっく!』のアニメでキャラクターデザインと総作画監督をご担当されていた方、という認識です。X上でニジガクのファンアートを拝見したことも何度もあります(ヴィーナスフォートの噴水広場にいる彼方先輩とエマ先輩のイラストが特に好きで、ブックマークして何度も見返してます)。
さらに言えば、けろりら氏の手による完結編第一章のイラストが6thライブで公開されたときは大いに感動しました。けろりら氏の絵柄が好きでないとか、ニジガクのキャラに合わないとかいう気持ちは全くなく、むしろ大好きです。

私が残念に思っているのは、完結編でいきなり絵柄を変えてしまうというそのスタンスの方です。アニメーション作品においてキャラクターの見た目が重要である、というのは論を俟たないでしょう。当然です、視覚メディアなのだから。したがって、アニメーション作品にとって、その絵柄は作品アイデンティティの大部をなすものであると断言できます。私はアニメが大好きであり、アニメ制作に関わるすべてのお仕事に敬意を払っていたいと思っていますが、それにしたって、登場人物たちの見た目に直接関わる部分は特別重要でしょう。キャラクターの立ち現れ方に直接、しかもひっきりなしに関係しているという点で、ある意味では声優さんよりもさらにキャラクターの存在に対して決定的だと考えます。
さて、好きなアニメの声優さんが、特にこれといったアナウンスもなく、劇場上映の完結編からいきなり別の人に交代となったら、どうでしょうか。声優さんの交代が一般に惜しまれるのは、声優さんがキャラの存在に対してとりわけ重要である(重要でないお仕事があるということを意味しません)からだと考えていますが……このことに同意する人なら、絵柄の急な変更を残念に思う気持ちも理解してくれることだと思います。

さらに、私には、TVアニメ時代の絵柄に対する特別の思い入れがあります。私は、1stライブ Day2に現地参戦して以来ずっとニジガクを応援しています。1stライブ Day2といえば、虹ヶ咲のTVアニメ化が発表された公演です。アニメ化発表時の驚きは今でも思い出せますし、田中さんがMCで最初はアニメの話なんてなかったが、みんなの応援があってアニメ化決定できたというお話をされたときには本当に感動しました。生活環境が変わって、段々とアニメから離れていった私ですが、それでもニジガクだけは応援し続けたいと思っているのは、あの時の感動があったからです。あの時ほど、自分はこの作品を応援したい、見届けたいと強く思ったことはないでしょう。
そんな経緯を経て、ニジガクというプロジェクトにとってアニメ化が悲願だったことを知っているから、アニメの絵柄にも当然強い思い入れがあります。豊洲ぐるり公園が描かれたあのティザーイラストを見て、アニメ1期の放送開始をワクワクしながら待っていたときの気持ちを、まだ憶えています。多少の変化はあれど、これまでTVシリーズの絵柄はあのティザーイラストのものとの連続性を保ちつづけています。自分が見届けたいと思っていた作品の、それだけ思い入れのある絵柄を、完結編というこのタイミングで変更されてしまったのはやはり残念だし、淋しいです。

以上が、私が絵柄の変更を否定的に捉えている理由です。
SNSでは、新しい絵柄にもそのうちきっと慣れるという意見もありました。その意見は非常に正しいと思いますが、私が感じた気持ちはそれによっては解決されない。そういう話ではない。
違和感の有無とか、見慣れる・見慣れないとかいう論点は、絵柄の内容の評価にあたります。しかし、私が残念に感じているのは、そもそも絵柄が変更されたという、この事態の方です。

ところで、先に私が「完結編でいきなり絵柄を変えてしまうスタンス」について批判したことに関して、キービジュアルもけろりら氏の画風だったのだから、「いきなり」ではないだろうと思われる方もおられるかと思います。しかしキービジュアルについては、私はてっきり、アニメのエンドカードのようにゲストとして一枚絵を提供された形なのかなと思っていました。今思えば、大事なキービジュアルにゲスト参加として描かれたイラストを用いるのは奇妙なことですが、まさか本編もまるごと絵柄が変えられているとは考えもしなかったのです。そして、SNS上で否定的な意見が散見されている点を考慮すると、絵柄の変化を予期できなかった私のような方は少なからずいらっしゃるのではないかと推察します。

絵柄が変わってしまったことは残念ではありますが、しかしそれによって映画の魅力がまるごとスポイルされてしまうとも思っていません。けろりら氏の絵柄は魅力的ですし、いざ劇場で鑑賞したら、きっと素敵な作品だと感じることでしょう。なにより、私はこの完結編をずっと楽しみにしてきました。公開されれば、ニジガクのファンとして、絶対観に行きます。楽しみにしています。

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