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【正直不動産】住宅ローン事務手数料は買主が支払う必要のない金

漫画『正直不動産』は不動産屋の裏側を描く。

不動産取引のからくりや不動産業界の悪習を知ることができる。

今回のテーマは『住宅ローン事務手数料』。


岩沢が今月のノルマを達成できずに焦っている。

岩沢は中古マンションの買主に諸費用の見積書を差し出す。

買主は見積書の中にある『住宅ローン事務手数料』について尋ねる。

当社が住宅ローンの申請を代行することにかかる費用ですね。

やはり長年、地元で実績のある不動産会社が窓口になると、銀行サイドの印象が変わりますから、融資が確実なものになるんです。

正直不動産

嘘をついてやり過ごそうとする岩沢。

『住宅ローン事務手数料』は架空の請求項目。

本来、買主が支払う必要のない金。


賃貸でも借主が支払う必要のない金が存在する。

不動産情報サイトを漁ればすぐに見つかる。

あった!

室内抗菌15,400円。

抗菌と言えば特別な処理をするように聞こえる。

実際には1,000円で買ったバルサンを焚くだけ。

それさえしない不動産屋もある。

札幌の爆発、入居前の消臭せず 新品スプレー120本処理
札幌市豊平区の爆発事故で、発生元とされる不動産仲介「アパマンショップ平岸駅前店」を運営する「アパマンショップリーシング北海道」の佐藤大生社長(39)は18日、スプレーを使う入居前の消臭サービスを顧客と契約しながら実施していないケースがあったと明らかにした。(中略)

消臭サービスは最低1万円で、物件の規模に応じて料金が上がる。スプレーの仕入れ値は千円ほどという。

日本経済新聞

例の室内抗菌の不動産屋は先の記事の不動産屋とは別物。

とはいえ、この不動産屋も60店舗以上を抱えるチェーン店。

以前、親しい不動産屋の社長が言っていたことを思い出す。

「都心やチェーン店の不動産屋は売上のノルマがある。」

岩沢のようにノルマをこなすために初期費用に上乗せするわけだ。


売上を大きくする手段は初期費用の上乗せだけではない。

先の社長の言葉を再び借りる。

「客が希望する物件ではなく大家から小遣い(AD)が出る物件を紹介する。

例えば、本来は仲介手数料が6万円で終わりのところ小遣いも6万円出る。

売上としては1件で2件分稼いだことになる。」


ところで、例の室内抗菌の物件はAD物件である可能性が高い。

なぜなら、他の不動産屋ではフリーレントや仲介手数料無料だからだ。

もちろん、例の室内抗菌の不動産屋はそんなことはしない。

室内抗菌もADも全部懐に入るのだろう。

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