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小寺順子さんマグレブ文学との出会いを語る…

京都・奈良EU協会
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NPO法人京都・奈良EU協会がお送りする「ランデヴDEなら」(奈良の出会い)のお時間です。パーソナリティは高島真貴子、お話しの相手は、EU協会大先輩の小寺順子さんです。

フランスが大好きで、フランスについてお詳しい小寺順子さん。「フランス文学について勉強されておられることを何かお話していただけませんか?」とお願いしたら「私がしているのはマグレブ文学なんです」とのお返事。マグレブ文学‥??

マグレブとはアラビア語で日の沈むところ即ち西を指すそうです。狭義ではアルジェリア、モロッコ、チュニジアを、広義ではモーリタニアとリビアを加える(専門書ではリビアの代わりに西サハラをいれるとあります)。

小寺さんはフランス語とどのような形で出会われたのか?

25歳の時パリに旅行した。クリスマス、夜にシャンゼリゼのイルミネーションの中をバスで走った時、フランスに恋をする。旅行から帰ってアリアンス・フランセーズでフランス語を習い始めました。

50歳前ぐらいに、大学の授業を聴講しに行き、編入を友達から勧められて、大学の3回生に編入。初めから博士後期課程まで行くつもりだったのでかなり勉強したとか。

何故マグレブ文学を選んだか?

学生時代ペルシャ語専攻だったのでイスラムの文化に関係することをフランス文学に結び付けられないかと思い、パリにいる移民の文学を研究したかった。フランス人の先生に相談したら2人の作家を紹介して下さって、一人はアルジェリア人、もう一人はモロッコ人でした(北アフリカはフランスの植民地だったので小説はフランス語で書かれています)。

モロッコ人の方はターハル・ベン・ジェルーン(Tahar Ben Jelloun)。
https://www.britannica.com/biography/Tahar-Ben-Jelloun
アルジェリア人の作家はラシッド・ミムニ(Rachid Mimouni)ですが、この人は翻訳が出てないので先生に頼んで講読をしていただいた(1週間に3時間ずつずっと)。
https://en.wikipedia.org/wiki/Rachid_Mimouni

ラシッド・ミムニの作品は非常に面白くて、研究のテーマをこの作家に決めました。彼はベルベル人で、フランス化した国を批判し、ベルベル人の精神を自覚しようというのが根本的な彼の考え方です。ベルベル人はアラブ人が来る前の土着の人種で、アトラス山脈の山岳地帯に住んでいる民族です。アルジェリアではベルベル人は比較的少ないですがモロッコは非常に多いです。彼らは独自の言語を持っていて普段はベルベル語を話し外ではフランス語を話していました。

アルジェリアは、フランスから独立してから急激な西洋化とアラバイゼーシヨンを推し進め、それに反対する知識人を死刑にしていきました。そして彼は政府に逆らったので死刑の宣告を受け、パリに亡命し、パリで亡くなりました。

彼の作品は少しトリッキー(tricky)で小説の最後になってやっとその真相かわかるという面白い構造になっています。今読んでいる作品も現在と過去が交互に出てきて映画的手法の面白い作品です。

ラシッド・ミムニの小説は最後誰かの自殺や死で終わります。その理由を解き明かして行くのが今後の小寺さんの課題です。

ミムニの家庭は貧しく母は文盲でした。彼は奨学金をもらってアルジェ大学に行き科学を専門としました。
彼はまたカテブヤシン(Kateb Yacine)基金の会長、そしてアムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)の副会長でもありました。
https://www.amnesty.org/en/
https://www.amnesty.or.jp/

🛬 旅行が大好きな小寺さんはチュニジアとモロッコにも行かれたそうです。モロッコやチュニジアにはメディナという旧市街があります(アルジェリアではカスバと呼ばれています)。物凄い迷路で一度入ると決して出ることが出来ません。必ず現地のガイドと一緒でないと。特にラバトでは物凄い大きなメディナがあります。

モロッコのタンジェという町の対岸にはスペインがあり、ヨーロッパ人がたくさん来ています。海辺の街でヨーロッパとアラブの文化が融合しています。

アルジェリアは、今は少しましになりましたが以前はテロが多くて入れませんでした。

チュニジアは非常に穏やかな国で地中海に面していて建物が白いんですが、海の青とのコントラストが凄く素敵です。

マグレブの料理にはクスクスがあります。野菜とか羊とかソーセージとか。国やレストランごとに違ったクスクスがあります。今は日本でも売っています。クスクスの発祥は北アフリカもしくはシチリアの方で、フランスでもとてもポピュラーな食材・お料理になっています。

それから、海の近くの喫茶店でチャイを飲んだら凄く美味しかったです。日本でチャイというとあのミルクが入ったチャイラテのことをいいますがモロッコやチュニジアのチャイは小さいガラスのグラスに紅茶を入れてそこに生のミントをたくさん入れます。そして砂糖をいっばい入れて甘ったるい味のを飲みます。勿論夏でもホットです。

その他のにもモロッコとかチュニジア旅行で面白かったことを語って頂きます(「ホテル事件」やラクダに乗ったこと…)。

🎼Brahim Fribgane Live at WFMU's Transpacific Sound Paradise, 6/6/2009
https://freemusicarchive.org/music/Brahim_Fribgane/Live_at_WFMUs_Transpacific_Sound_Paradise_662009
02. Amazigh 00:06:42
03. Sidi Rabi 00:05:04
04. Live Improv 00:05:32
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📸Sidi ABderahmane Thaalibi - Casbah D'alger
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Sidi_ABderahmane_Thaalibi_-_Casbah_D%27alger_-.jpg
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