beatmaniaIIDXで皆伝を取るためにしたこと。そしてその後とこれから。

はじめに

今年で僕は音ゲーというものを初めて触ってから25年以上、今から4年半前の2019年末に音ゲー歴20年目にして初めて皆伝を取得できました。
皆伝を取るまでにしたこと、そして皆伝を取ったあとから今までの4年半は主に何をしたのか長々と書くことになりますので、何度かに分けて読まれることをおすすめします。でも、最後まで読んでもらえると嬉しいです。

こういうことってもちろん、プロの皆様やそれに準ずる実力を持つ方々の方法がわかりやすかったりためになることが書かれていたりすると思いますので、あくまでも自分はこうしたら皆伝取れたよ、ということを書きます。
現在皆伝を目指している、取りたい、といった人たちの中でこれを真似してみる、という人がいたら嬉しいですが、効果が無かったり合わなかったりということも当然ありますのでそのあたりはご了承の上読んでください。


何をしたのか?

結論から言えば、

  • 詰まった譜面に慣れる

  • 鍵盤を叩く力は力まず、かつ均等にする

  • 自分の嫌いなことをやる

  • 他人の意見にきちんと耳を傾ける、考えを柔軟にする

  • 自分と他人を比較しすぎない

といったところでした。
まずは皆伝が20年間(といっても実装されたのはDistorteDなので実質13年間)も取れなかった経緯についてです。

スコアは取れるが高難易度譜面はてんでダメだった

皆伝を取ってから知り合った人にとっては全くイメージがないかもしれませんが、僕は音ゲーを始めてからとにかく高スコアを取ることを優先にしてきたため、今で言うならレベル10程度までAAAは取れるが11になると突然ボロボロとミスカウントが増え始めてAA止まり、Aになっちゃうこともしばしば、12はもはやまともにプレイ出来ずゲージが上がらない、という感じでした。
つまりは低~中難易度では皆伝やそれに近い実力を持つプレイヤーとスコアだけは互角の勝負を繰り広げていたって感じです。
しかし、高難易度帯になってくるとスコア差は数百点以上で負け、そもそもクリア出来ない曲が増える、という全くバランスの取れていないプレイヤーだったってことですね。

しかもスコアのことしか考えてなかったので、クリアマークを集めるとか一切の興味がなく、高難易度はそもそもプレイするのが嫌、出来なくてもいいって考えでずっとやってたんですよね。
でも10thくらいから今で言うHYPER譜面の難易度が急上昇し、No.13のHYPER譜面で手も足も出なかったという屈辱を味わって、HYPER譜面すらもこのままではどんどん自分は置いていかれる、という「恐怖」から少しずつ高難易度も頑張ろう、という気持ちになっていきました。
ただ、気持ちだけならまだしも実際に結果がすぐには出ない。この時期結構悩んでました。いわゆる「北斗打ち」だった運指も全て壊して指押しを練習するようにし、ある程度スコア力も犠牲にしながらHolic穴クリアくらいまではいけるようになりました(当然No.13 HYPERもクリアは可能になった

時は流れ、21 SPADA以降、また数段難易度が上がったことから、当時は全てが面倒に感じ、IIDXへのモチベーションは下がる一方、21 SPADA~24 SINOBUZまではほぼデータの引き継ぎや段位を受ける程度でしかプレイしなくなり、この時は今よりもずっと簡単だった中伝も取れないくらいでした(ろくにやらないので当然

で、25 CANNON BALLERSで再びまともにやってみよう、という気持ちになりプレイし始めたわけですがまぁ当然ながら全然出来ない。レベル11でもクリアが危ういほど落ちてしまった。
その後、2019年前半(つまり皆伝を取る半年以上前)だったと思うんですが、家庭用という位置付けであるPC版beatmaniaIIDX INFINITASを練習のためにと課金を始めてやるようになったんですよね。で、このINFINITASではじめに書いた練習をし始めた、というわけです。では、ひとつひとつ見ていきましょう。

詰まった譜面に慣れるために緑数字を倍にするプレイ

緑数字、ちょっとやり込んでるプレイヤーであればこれがなんのことかは分かると思いますが、譜面表示時間のことで、少なくすれば速く、多くすれば遅くなります。つまり同じ縦幅で緑数字が少なければノーツの間隔が広がり、多くすれば詰まります。
普段は皆さん大体そうだと思いますが自分が一番見やすい数値に固定してプレイされていると思います。僕ももちろんそうです。
この緑数字を普段設定している数値の倍にするだけでスピードが半分になり、その分だけ目に見える情報量としてのノート数が増えるわけです。そうすると何が起こるかといえば、慣れないとまともにゲームにならないほど出来ないんです。当たり前ですね。いつもプレイしている画面と違うんですから。
僕はこの「緑数字を倍にする」設定でレベル11の譜面をRANDOMオプションを付けてとにかくやりまくる、ということをしました。

これには主に2つの目的があります。
1つは「皆伝の冥の低速~加速地帯の対策」
もう1つは「単純に認識力を鍛える」
ですね。
普段の設定スピードでレベル12をやることも当然認識力を鍛えられますが、「自分の実力からかけ離れすぎてる高難易度譜面をやっても練習にならない」という罠もあるので、それなら10~11程度で速度を落としてプレイしたほうが効くと思いますし、低速対策にもなる、というわけです。10とか11が12になるよ(
この設定のままずっとやり続けるのは普段の設定に戻した時に「速すぎる!」となってしまいがちなので、プレイする日の中で5~10曲程度を「緑数字倍」設定にしてやる、くらいがちょうどいいかと思います。
課金しておけばプレイし放題のINFINITASでやるのがおすすめですが、環境がないなどでACでやるしかない場合は1プレイの中で1曲程度やるペースでいいかな、と思います。あんまりこれをやりすぎるとお金もったいない。うん。

鍵盤は力まずかつ均等な力で叩く

ある意味一番難しいテーマだとは思うんですが、IIDXというゲームは本当に力むと良いことが全くないと思います。
前述の通り僕はスコアしか見ていなかった時期が長かったので結構鍵盤バチバチマンだったんですよね。そうしないと光らない、と思っていたから。
しかしそれだと特にレベル12では1曲スタミナが持たない。曲の後半でバテて押せなくなる、ということがわかってきたわけです。

力の抜き方、ということはやはりIIDX攻略という意味でよく言われることですけど、抜きすぎると今度は鍵盤に負ける、という状態になるので、鍵盤に押し負けないくらいに力は入れるが「押し込みすぎない」くらいのバランスですね。文章で説明するの難しいけど。正常なメンテの鍵盤なら最後まで押し込まなくてもしっかり反応するので「押し込み」する力はさほど必要ないです。それよりは「違う鍵盤を叩く時に移動する力やスピード」のほうが重要です。「確実に押し込む力」よりも「縦や横方向の移動速度、打鍵の速度」です。

あとは使う指によって押す力に差があってはいけない、ですね。
もちろん全て均等に、というのは難しいですから「なるべく均等に近づける」ですね。
指の力加減がそれぞれバラバラだと指の動きが悪くなるので譜面に反応出来なくなることが多いです。
これは自分の打鍵音を聞いてみればわかります。打鍵音が大きくなったり小さくなったりしている場合は力加減がバラバラなので、均等に鳴るように調節です。

運指そのものについては北斗打ちじゃなければ自分のやりやすいと思うものでいいと思います。北斗打ちは精度は抜群ですけど譜面数が増えるとどうしても限界が出てきちゃいます。

自分の嫌いなことをやる

はじめに言っておきますが、好きなことだけしかやらないプレイを否定しているわけではありません。それが本来の楽しみ方ですしね。ただ「上手くなるために」「上手くなりたいなら避けて通れないと思う」という意味ですので誤解なきよう。
僕自身、皆伝を長年取れなかったのはIIDXにおいて嫌なことを全て避けてきたからです。
スコアしか目がいかないから高難易度譜面はほとんどやらない、SIRIUSでチャージノーツ等の「長押し」系譜面が新登場した時も、それが入っている曲はまず選ばない。もともと皿曲も苦手だったので練習しない、そんなことを続けてきていたらそれらの譜面が当たり前のように色々な曲に登場するようになってきて避けられなくなり、やっても出来ない、負の循環ですよね。
皆伝を取る前は上記の「緑数字倍」設定と合わせ、高難易度譜面にとにかく慣れる、ということはやりました。

チャージの練習というのは皆伝を取った後からやり始めましたが(2019年当時の27 HEROIC VERSEの皆伝は1曲目が「嘆きの樹」だった)皆伝には皿曲といえば、の「灼熱Beach Side Bunny」があるので皿曲はとにかくやりましたねー。
段位認定ゲージで灼熱というのはだいぶアバウトにやってもゲージはそんなに減らないのですが、その「アバウトに」ということすら出来ませんでしたし、スコア重視だから体が譜面どおりにプレイしないことに対する拒絶反応がすごかったんです。今はそんなことないですが。
なのでとにかく皿を回せるようにしないといけない、ということで「bass 2 bass」「Digitank System」「Red. by Full Metal Jacket」等を必死にプレイし続け、とにかく体に皿の回し方を染み込ませることにしました。

嫌いなことをやるというのはゲームという娯楽なのにストレスがたまることになります。でもそれを「ゲーム自体が嫌いにならない程度に続ける」つまり延々とやり続けるのではなくてある程度回数を決めてそれに達したら違うことをやる、という感じですね。それを毎日とは言わないですが、IIDXに触る日は必ずそれを組み込む、ですね。

他人の意見もしっかり取り入れる、考え方を柔らかくする

かつて僕は人の意見を聞かないというか、クリアを楽しみにしてる人、つまりクリアマークを集めてしっかり限界を詰めている人が理解出来なかったんですよね。
スコアを高めることが至高と思っていたので、僕はそれしか出来ないしそれが面白いからクリアは詰めない、スコアのためなら捨てノーツも上等って考え方だったんです。
AAA取ってクリア出来なかった、ということもありましたが、それもAAA取れてるから問題なし、みたいな。
結果的にそういう「頭の硬い考え方」がどんどん足を引っ張っていったってことです。

同じゲームをプレイしている人が違う楽しみ方をしていることもそれはひとつのプレイスタイルだし、自分も挑戦してみよう、というように考えを改め、周りの人たちがこうすると良かった、これをやってみたら面白い、ということも全部試して取り入れ、効果があったものをどんどん続けていくという意識を常に持って練習していたら出来ることが増えていったんです。
そりゃ当たり前です。IIDXにはそういう色々な楽しみ方があり、それが結果的にプレイスキルの上昇に繋がるはずなのにやってこなかったんですから。

あと、人のプレイをじっくり観察するのも大事です。
それはゲーセンで見るのも、プレイ動画や配信で見るのも同じです。
自分より上手いと感じる曲があったらその人はなぜ出来てるのか、ということを考えながら見るんです。
真似をしても出来ないことのほうが多いとは思いますが、その中でヒントになるものが見つかればそれも経験値ですしね。

自分と他人を比較しすぎない

ライバル機能、皆さん利用されている方が多いと思いますが、ライバル同士になると露骨に結果が数字に出るため、それを抜かすことを重視するあまり同じ曲ばかりやったり、抜けないことに対してイライラしたりという経験がもしかしたらあるかもしれません。僕もそれを意識するあまりに悩み、イライラし、IIDXが面白くない、なんてこともありました。
負けてしまう曲でどうしても抜けない、というものは当たり前にあるもの、という意識でいて、そこはぼんやりと目標の数値として「超えられたらいいな」程度の感覚で良いと思います。
苦手・得意譜面傾向が全く一緒のプレイヤーが見つかることは非常に低確率だと思います。なのでまず「自分とライバルは得意なものが違う」ことが当たり前、と考えます。
かといって意識しなさすぎて漠然とプレイするのも経験値にならないので、「ちょっとだけ意識」です。そうするとライバルさんたちがいい刺激になってくれるはずです。

以上が皆伝を取るまでに練習したこと、意識改革をしたことです。

いよいよ皆伝挑戦の時

今まで書いたことを全て意識して練習し、いよいよ挑戦という時ですが、当時は色々なプレイヤーさんが皆伝クリアの目安として「MENDES HARDクリア」と「冥のミスカウント150個以内」と言っている方が多かったのでこれを両方達成、というか大体安定して出せるように持っていってから皆伝に挑戦したら、冥の大階段地帯でギリギリ残って1発合格となりました。
その瞬間は全く実感なかったんですけど、それをTwitterで報告したらたくさんの方が祝福してくださり、それでやっと実感が持てた感じですねー。

皆伝を取った後

13年も取れなかったものが取れてしまって、一瞬「もう自分の中でこのゲームを終えてもいいかな」はよぎりました。でもせっかく頑張って練習して上手くなったものを終わらせたくない、ましてやIIDXは皆伝を取れたからといって全て攻略出来たとは言えず、それよりももっと難しいことがいっぱいあるので、少しずつでもそこに近づきたいという気持ちが出てきて続けることにしたんです。
実はこの後、次作の28 BISTROVERの皆伝で10回落ちてしまって全く安定とは言えない状況だったので、これで「やっぱりもっと上手くならないと」という気持ちが強くなったことは確かです。

手首皿について

ここ10年間くらいで手首皿のプレイヤーがトップに行ったりして、これを使うプレイヤーも増えてきました。
手首皿というのは皿側の手をほぼ横にしたまま鍵盤を押しながら手首の付近で皿を回す、というやり方で、鍵盤と皿が両方激しく来るタイプの譜面にはとても有用なものです。
僕自身も手首皿はちょっと練習していた時期がありましたが、結局は以前の小指皿に戻りました。やはり手首皿のポジションにした瞬間恐ろしく精度が落ちるのが痛い。ランク1つ下がるんですよねー(AAAがAAになる
もっと練習すればもしかしたら精度出せるかもしれませんが、今のところは厳しいかなぁ、なんて。
これも運指と同じでその人に合う合わないがあるので、正解はありませんね。

そしてそれから現在までの4年半は

まだまだ自分の弱点というところはあるので、そこを少しでも解消することをメインに練習しています。

  • 苦手なチャージ、皿の練習、打鍵速度のさらなる向上

  • クリアマークを大事にする

これらを特に重点的にやっています。今もやり続けてること。

苦手なチャージ、皿、そして打鍵速度を更に上げる

前述の通り、27 HEROIC VERSEの皆伝は1曲目が嘆きの樹でチャージ曲はありませんでしたが、28 BISTROVERでは1曲目が現在の「EMERALDAS」に変更になり、チャージマシマシというかIIDXにおける全ての技術を求められる総合力譜面に変わったんですよね(同時押し・トリル・階段・縦連打・皿・ソフラン・チャージ・高密度)この時10回落ちた直接の原因にはなってませんが(主に落ちてたところは卑弥呼)いずれにせよチャージが苦手なままでは良くない、ということでINFINITASでチャージ曲をとにかく色々やる、ということをしました。
チャージ曲というのはセオリーとして固定譜面(正規ミラー)かR-RANDOMというオプション選択が基本ですが、これをあえてRANDOMでやることでとにかくとんでもない配置のチャージに慣れていく、という荒療治です(
そうすれば固定譜面等でプレイした時楽だろう、という考え。でも本当にこれは効いてますね。

で、打鍵速度ですけど、皆伝は取ったもののまだリズミカルにパチパチっと色々な鍵盤を押せる感じではなく、ある程度譜面を先読みしながら押していく感じだったので、とっさの反応という意味ではまだまだ出来なかった。
あと、RANDOMでハズレ譜面と言われるものでも決まりきった手のポジションでしか押せなくて一定の組み合わせの配置が極端に苦手だったりしてます。特に2+3+5+7+皿。どこか抜ける(
こういう突然辛い配置が来ることにも対応出来るように、脱力すると同時に指の移動や上下動を更に早めるような練習をしました。意識的にぱっと押すという思考。

クリアマークを大事に

皆伝を取る前には全く興味無かったクリアマークをとにかく自分はどこまで出来るのかやるようにしました。当然EXHも含めて。
手始めにINFINITASで持ってる曲はとにかく全てクリアマークの限界まで詰める、ということをしています。
まだまだ他のライバルさんに追いつかない部分も出てるのですが、やってみると意外と面白い。もちろん無理なもんは無理、という曲もありますけど、フルコン取れそうな曲は取る、EXHもHARDも限界点まで詰める。
今はACでレベル12のHARDとノマゲ埋めをしています。EXHはまだまだ先かな。

そして今は

今は再び力加減などの試行錯誤中だったりしますが、良いほうには少しずつ向かっています。数日前のことですが、お皿の回し方をちょっと変えた(手首皿ではありません
久しぶりにプレイした曲が伸びたり、ということはありますねー。
まだ出来そうなことはあると感じているので、しばらくは辞められそうにありません。

最後に

以上が僕のIIDX人生です。
7000文字オーバーの超長文を最後まで読んでくださってありがとうございました。
この記事が参考になったとか試したとか、そういうことがありましたらぜひXでもいいので教えていただければ喜びます。
ではまたいつか(不定期更新だから

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