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ピーターポンです。

僕は2021年に会社を設立しています。自分の仕事の受け皿たる会社であり、基本的には井出武尊という個人名で活動してるので、あまり社名を表に出すことはないんですけどね。

社名が出る機会として多いのはやはり領収書や請求書等のやり取りでしょうか。中でも口頭で社名を出すのは領収書のやり取りくらい。

「領収書ください」
ーーー「お宛名は?」
「合同会社ピーターポンでお願いします」

という感じ。

僕が元々、子どもにまつわるデザインをしたり、ワークショップの実施、遊びのノウハウに関する連載をしたり、「子どもと遊び」に関する活動をしていたので、社名はそれにまつわるものが良いかな?などと考えていたのですが、ならばピーターパンはどうかと思い至ったところに、その時相談した人の一人が「ピーターポン」の方がいいんじゃない?というので、流れでパンではなくポンにりました。これはこれで悪くない。むしろ今となっては気にっていると言わざるを得ない。

しかも、ピーターポンなんて聞きやすい上に、そうそう無いだろうから領収書のやり取りもシンプル&クイックにいくだろうと思っていたわけです。なんせ、起業以前に勤めていた会社は知らない人にとっては、なんとも聞きなれない言葉(デンマーク語の造語)だったもので、領収書をもらうために社名を伝えると7〜8割聞き直されたり、間違われたりする感じでしたからね。「宛名はピーターポンで」なんてそれに比べたら遥かに耳馴染みがいい。

と、思っていたら案外聞き直されるんですよピーターポン。どうやらパンの方のピーターが強すぎて、皆さんピーターパンだと早合点しちゃうみたい。僕が「ピーターポンで」と言っても宛名を書く店員さんの手は「ピーターパン」に向かっていくわけです。そしてその途中で、「あれ?この客もしかして今"ポン"って言わなかった?」と脳がバグって(想像)手がピタと止まり、「ピーターパンですか?」と聞き直すわけ。ここまで時間にしてわずかに2秒ほどの出来事。そして僕は毎回のことだと思いながら「ピーターポンです」と正すというのがお決まりになりつつある。ピーター界のヒエラルキはパンが圧倒的強者なんですよ。

出張が多いこともあってホテルでも宿泊費の領収書をよくもらいます。でも安心してください、ホテルの場合は"パン問題"はあんまりないんですよ。だってチェックインの時点で社名を宿泊者名簿のようなものに書くでしょう?早合点は誰にでもあり得るけど、ホテルでゲストの名前を間違うってのは、多分タブーの上位にあるでしょうから、領収書の名前を間違ってたってことは今のところありません。そんななか。

ある日、いつものように出張先でチェックイン時に「領収書を社名でください」と伝えました。その時対応してくれたのは20代後半〜30代前半と思しき男性。とても丁寧に対応してくれて、チェックアウト時に用意しておいてくれると言います。
チェックインを済ませて、部屋に入って一息ついていると誰かがドアをノックします。尋ねるとホテルの人でした。部屋についた早々何の用事だろうと思ってドアを開けると、フロントで対応してくれた人とは別の方で、少し年上に見える方でした。その方はこう言うのです。

「会社名は本当にポンの方で間違いありませんか?」

と…。

おいー。自分の会社の名前間違うわけないだろー。そこまで強いのか !? ピーターヒエラルキにおけるパンはそんなにも強大なのか !? しかも"ポンの方(ほう)"って何だ?"パンの方"がある前提の聞き方ではないか!

きっとこの男性は僕のチェックイン後にフロントにやってきて、宿泊名簿に書かれた「ピーターポン」と言う社名を見て「パン」の間違いだろうと考えたんですよ。客(僕)が書いたものではなく、口頭で聞いたものをスタッフが書いたとでも思ったのかもしれません。

何にせよ、丁寧な対応が一回転してパンが部屋までやってきました。恐るべしパンの勢力。パンに打ち勝つ方法はもう一つしかありません。ピーターポンをホールディングス化することです。もちろんホールディングスの名前はピーターホールディングス。傘下の会社はこんな感じです。

ピーターパン
ピーターピン
ピータープン
ピーターペン
ピーターポン

パ行総なめ。パ行は全ていただきだ!

これならパンが来ても大丈夫。というか毒を持って毒を制するかの如く、パンを取り込もうという作戦です。そうだったっけな?まぁいいか。

と言うのは冗談ですけど、ピーターのおかげでいつも楽しませてもらっています。あと一月ほどでピーターポンは3周年。これからもどうぞご贔屓に。

(冷静に考えるとこのホールディングス作戦って、聞き直される手間が5倍に増えるだけな気もしてきた。)


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