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子どものオンラインワークショップの検証①

おそらく3本程度の投稿でまとめます。

2020年 春 子どもの集団生活が途切れる

僕の娘の通っている園では、2020年3月にいち早く一時休園が決定しました。その後緊急事態宣言が発令され、1回目の時には幼稚園を含む教育施設が全て休園、休校。6月に休園は緩和されて、分散登園が始まりましたが、その間、親以外の他者との関わりが極めて少ない状態で娘は生活をしていました。

オンラインクラスなどを通じて教室の様子や、先生たちの工夫をしれたし、何より娘との濃密な毎日は僕にとっては発見も多く、貴重な経験でもありましたが、娘が他の誰とも接しないと言うのは、いささか気になりました。ステイホームによる学力低下、体力低下を心配される声もたくさん聞きましたが、僕が一番気になったのはこの点でした。

自分とは違う人がいるのが当たり前

保育園や幼稚園といった場で集団生活を送ると、そこには多様性があります。自分の意に介さない他者の存在があり、必ずしも自分の思い通りに行くことばかりではありません。また、思いかけず心痛める言葉をもらってしまったり、逆に誰かに言ってしまったり、自分のやっていることを邪魔されるなんてことだってあるでしょう。

そういった小さな集団の中で、子どもたちは社会と言うものを自分たちなりに構築していくのだろうと思います。それが突然、家の中で親との関わりのみとなってしまったわけです。

家にいながらにして、他者の存在を子どもたちが感じられるようなことは、何かできないだろうか?と思って、いくつかの実験をしました。

余談ですが、その時期はたくさんのミュージシャンや身体パフォーマーの方々が、ZOOMなどのツールを使ってオンラインイベントを行っていました。これは一つの手法だと思いました。画面越しではありますが、自分以外の子どもが踊っているのを見ながら、自分も参加すると言うのは、まさに他者を感じる瞬間でもあります。音楽の力は非常事態にはとにかく強いと言う感覚があります。

自宅にいながらに他者を感じられるか?

さて、僕が実験したのは、3つあります。

①同時多発的オンラインお絵かき

ひとつは、オンライン会議システムによくあるホワイトボード機能を使って、みんなで同時に、1つのキャンバスお絵描きをしました。つまり、自分が何かを描いているところに、遠隔地から参加している他の子どもの行為が表れると言うものです。時に邪魔でしょうし、思わぬ協調が生まれることもあるかもしれません。

参加したのは3〜6歳くらいの子どもたちで、8組程度です。兄弟の参加もありました。居住地はバラバラですが、全員が日本国内在住で時差はありません。

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②みんなの街

もうひとつは、あらかじめ定めたルールの上で、参加する子どもが各々のタイミングで自分のパートの絵を描くというものです。こちらもやはりオンラインキャンバスのようなもの(Google Jamboard)を用います。このときのテーマは「みんなで大きな街を描こう」と言うもので、予め描かれた最小限の道路のみの絵に、自分の家か、街の機能を描くと言うものでした。プールのある家を描く子どももいれば、公園を描く子どももいました。

これはその性質上匿名性が高いので、誰が参加してくれたのかはわかりません。友人からの「やったよ」と言う声はもらいましたから、数名はわかっています。もしかしたら大人の参加もあるだろうと思っています。


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③オンラインワークショップ

最後は比較的、よく行われているオンラインイベントの手法です。ファシリテーターが一人いて、参加する子どもたちのペースを見ながら、step by stepでみんなで同じことをやっていくと言うもの。ここでは「小麦粉でねんど遊び」をやりました。ここではイタリアのレッジョ・エミリア市の幼稚園でアトリエリスタを務めた経験のある友人にお願いをして、ファシリテーターをしてもらいました。

10組以上の親子が参加してくれました。何かを作ると言うワークショップは多々ありますが、ここでのポイントは作品作りではなく、ねんどと言う表現材料を作ると言う目的にとどめている点です。

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それぞれに、よかった点も失敗した点もあります。ただそれを振り返ることもせずに、その後の忙しさに飲み込まれてしまった感じもあり、改めて振り返りたいと思ったところです。状況は日々変わっていますが、新しいアクティビティとして今やって楽しいであろうこともぼんやり思い浮かんでいます。

次の投稿で振り返りつつ、自分なりに検証をしてみたいと考えています。

つづく


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