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子どもとどう遊べばいいかわからない。そんなときは…

僕は親になってまだ5年足らずです。仕事も幼児教育の専門家ということでもないですし、発達の専門家でもありません。ですからこれは僕のただの実体験でしかなく、人に教えられるようなものでは本来ありません。

ただ、僕は「遊び」というものを考えたり、それにまつわる道具や環境に関わる仕事を長らく続けてきました。道具そのものをデザインするようなこともありました。その観点からお話できることがもしあるとして、少しでもそれが誰かのお役に立つのであれば、お話してもいいのかもしれないと思い、このnoteを始めたところでもあります。

遊び方がわからないのは真っ当な悩み

「子どもとどう遊べば良いかわからない」というのは、実は極めて現代的な悩みでもあると思います。例えば、昭和のステレオタイプな父親像といえば、頑固でいつも新聞を読んでいて、仕事熱心で子どもと遊ぶことなど滅多になく、「家族サービス」という時折の休日の時間が父親と子どもの関わりだったわけです。その時代にはそもそも父親は子どもと遊ぶことなど、考える必要もなかったかもしれません。

母親の場合にも違う観点から現代とは異なる子どもとの関わり方が推測されます。幼児期における遊びの重要性は、現代に比べるとはるかに低いものでした。「遊んでばかりいるとバカになるわよ!」といっていた漫画の中のお母さんがいたように思います。実際には子どもたちは遊びながらたくさんのことを学習しているわけですから、遊ぶ時間は大切です。また、遊びが能動的な活動である点も重要な点です。

つまり、特に日本人にとってはもしかすると近年になって急に「遊ぶこと」が親のノルマであるかのように、のしかかってきているのかもしれないとも思うんです。もちろん遊ぶことは大切です。ですが、義務ではないのかもしれません。「遊び」は親であっても能動的であるべきですから。

子どもがやっていることをそのまま声に出してみる

そうはいっても遊びたち子どもたち。「どう遊べば良いかわからない」と悩んでいらっしゃる方も、一緒に遊びたいという欲求の裏返しとして、悩みがあるわけです。そこで誰でもできる簡単な方法の一つが、「子どもがやっていることをそのまま声に出してみる」です。

特に乳幼児期の子どもとの遊びにおける「会話」は非常に重要です。親子の会話があることで、同じ遊びでも子どもたちはより集中することができます。例えば、子どもが積み木で遊んでいるとします。そしたらば、その様子をそのまんま声に出すだけで、子どもは集中し、また、遊びもどんどんと発展していきます。

これは理想像↓。でもこれに近いことが起きると思います。

無題 - 2021年2月20日 23.07

子どもがやっていることを声に出すことで、会話が始まります。会話は遊びのきっかけを生みます。子どもたちは頭の中で様々なことを思い浮かべ、考えながら目の前の作業に没頭していますから、大人がそれを言語化することで子どもたちは、頭の中の想像を口にしてくれることも多いです。

そうなると次には変化が起こります。ひたすら積み木を積み上げる子どもがいたとして、親がそれを言葉にしたとします。

「高く積んでいるね」と見たまんまです。

すると子どもからは例えば、
「もっと高く積むの」と返ってきます。こうなるとどこまで高く積めるかやってみよう!と目標設定が生まれますし、また、
「これはマンションなの」と返ってくれば、ごっこ遊びの始まります。

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つまり、見たままを声に出すことは、遊びに対して集中し、遊びを発展させ、大人も一緒に遊ぶためのきっかけになると考えています。

慣れてくれば、見たままを声に出すだけではなく、「それは何?」とか「次はどうするの?」と質問を織り交ぜても良いと思います。

誰でもできて、手間もかからないことって遊びにとって大切なことだと、僕はいつも思うのですが、この「見たままを声に出す」というのはまさにそれを体現しているものの一つだと思っています。

余談ですが、一緒に遊ぶのは苦手ではないという場合でも、声に出してみると面白いです。「そんなこと考えていたの?」みたいなことを子どもが言ってくれたりもしますから。

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