見出し画像

ごっこ遊びに現れるもの(災害ごっこ)

これは一部、専門的な見解ではありません。僕の個人的な解釈です。

地震ごっこ、災害ごっこ

阪神淡路大震災、東日本大震災、その他災害の後には子どもたちの遊びの中に「地震(災害)ごっこ」が現れます。これは災害ばかりではありません。昨年のパンデミックの最中にもごっこ遊びにする子どもたちは多かっただろうと思います。

災害等の恐怖や心理的ストレスを遊びを通じて乗り越えようとする動きです。東日本大震災の後には、不謹慎と思わずに受容しようという記事がたくさん出ました。

これは何も災害時だけではないように思います。子どもたちの様子を観察していると、普段のごっこ遊びの中には、たくさんの言葉にならない感情や思いが詰まっているようにみて取れます。

ごっこ遊びに現れる、子どもの心

幼稚園で嫌なことがあった日や、学校の先生が嫌いだけど言えないとか、自分のいる環境に馴染めない、などの思いがごっこ遊びに現れます。それは割と直接的な遊びになって現れる印象です。ごっこ遊びの中で、人形AがBに意地悪をしたり、学校ごっこの中で演じる先生がとにかく厳しかったり。

まだ言葉で意思を伝えることが上手ではなくとも、遊びを通じて子どもたちの心理的な状態を知れる貴重な時間だとも言えると思います。

これは心理カウンセリングで用いられる「箱庭療法」のアプローチと同等の効果なのではないかと思います。

画像1

photo: Kristina Walter

箱庭療法(はこにわりょうほう、独: sandspiel therapie、英: sandplay therapy)は、心理療法の一種で、箱の中にクライエントが、セラピストが見守る中で自由に部屋にあるおもちゃを入れていく手法。
- wikipediaより

箱庭療法

箱庭療法では、四角く囲われた箱の中の、どこに、何を置いたのかでそのクライアントの心理状態を解釈するといったことが行われます。箱には砂が敷かれてあり、地形を変えたり、川を表現したりすることもできます。ちなみに、箱の底は青く塗られていて、底が見えると川や海に見えます。上記の説明に「おもちゃを入れていく」とありますが、おもちゃというのは、人間や動物、あるいは道具や建物などを象ったフィギュアのことです。

箱庭を作ることは、言葉では言い表せない心身の領域を表現することになります。言葉はつまり自我、意識です。言葉で言い表せない領域というのは、無意識の領域であり、無意識の領域にあるストレスや疾患の原因となるものを表現していると言えます。

ここで行われている箱庭というのはまさにごっこ遊びであり、箱庭療法は英語でSandplay therapyと言うわけです。playは遊びを意味します。

大人のスタンスと道具に求めるもの

災害ごっこの記事を散見すると、概ね「大人は受容するべし」と書かれてあります。同じく日常的なごっこ遊びの設定も、ある程度受容してあげるべきなのだろうと思います。だからごっこ遊びの人形には汚れ役というか、悪役もいて良いのだと思います。そして、より理想的なのは何にでもなれるキャラクター性の弱いものです。教育者で思想家でもあるルドルフ・シュタイナーはキャラクターを否定すらもします。彼の考案した人形は実に中庸です。

画像2

まぁ、こんなこと考えたところで今は日本中の子どもたちが鬼と戦っているわけですけどね。呼吸を駆使して。

全集中、深呼吸。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?