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ハイパー素人という発想

2021年2月27日のホニャララLIVEの中で、yujiさんが「ハイパー素人」という造語を使いました。この言葉、僕にはじわじわ効いていて、時々思い返すようになっています。

素人という言葉の由来を調べると「白人」という言葉が出てきました。その意味は平安時代(1000年前!)の遊芸人のうち、白塗りするだけで芸の無いものを指した言葉だそうです。それが転じて素人になったらしい。

素の人

なんとも興味深いのは、「芸がない」人を意味する言葉が転じて、「素の人」になっているという点です。「素」という状態は僕にはとても難しい。素人にはできることではありません。

ところで、ハイパー素人というくらいだから素人を超えなくてはいけません。ただ、素人を超えると玄人(プロ)になるので、ここではこう解釈することにしました。

ハイパー素人=徹底的に素人を謳歌している人

例えば、Tik Tokで踊る人々はハイパー素人に近いのかもしれません。「なぜそんなことをやるのか?」「誰のためにやるのか?」と言った目的意識が介在していなさそうに見えるからです。とにかく楽しんでいるだけに見えます。

世のおばあちゃんたちもハイパー素人が多いかもしれません。やたら料理が上手かったり、妙な特技を持っていたり。それで町内会くらいの単位で催し物があると途端に活躍をする。

僕自身のことで言えば昨年、自粛期間中の遊び道具にと塗り絵を作ったのですが、あれは少しだけハイパー素人になれた瞬間だったかもしれません。誰も見ないだろうと思っていたけど、誰かが使ってくれればいいかくらいの軽い気持ち。でも発想はあったり、少しだけ得意分野だったので、クオリティはまぁまぁだった(?)というあたり、いかにもハイパー素人くさいです。エゴがあまりなかったのも良かったのだろうと思います。

子どもはハイパー素人だ

そんなことを考えていたら、ふと、「子どもたちはハイパー素人ではないか?」と思うようになってきました。なんの恥じらいもなく、誰のためでもなく、人前で臆せずに歌い、踊り、表現する。やりたいことをやりたい良い、やりたくないことはやらない。向上心もあるし、人を動かす力も持っている。

子どものように楽しめたら、立派なハイパー素人なのかもしれません。そんな大人はウザいだけかもしれないけれど。

無駄を学ぶための場所

そんなことを考えていると、改めて仕事や生活にはあまり直接的に関係のないスキルや知識を得るための学びの場をやりたくなりました。

ハイパー素人とはプロではないということ。プロが一点特化型だとするとハイパー素人は…なんて言う?ちょっと考えます。でもハイパー素人はconnecting dotsがキモなんじゃないかと思い始めています。たくさんの点を自分の中に持っていて、然るべきときに点と点を繋げて、ある種の価値を創造できるような人物です。

Steve Jobs

ここまで書くとある人物像が浮かび上がってきました。Steve Jobsです。なんでもできるようで何もしていない人です。エンジニア、デザイナー、経営者、どれをとっても彼よりも優れている人物はすぐに思いつきます。しかしジョブズがいなければ今のApple製品の数々は生まれていないのは事実です。稀代のイノベーターは点と点をつなげる天才だったのではないかなんて妄想しています。

ちなみに、connecting dotsという言葉を知ったのはジョブズのスピーチでした。

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