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印象派に隠れたものを探せ!

印象派といえば19世紀後半に発祥した運動で、1日の中で変化する光の印象や、時間の移ろいのようなものを描こうとしたものです。

そのため、同じ風景やモチーフを時間を変えて何度も描くということが特徴の1つとしてあげられるのですが、描かれた対象物の輪郭がはっきりしない画面というのがパッと見の印象。

ぼやぼやなのに画面全体を眺めればそのものに見えるのだからすごいものです。

印象派に限らないかもしれませんが、子どもと一緒に鑑賞するならば、作品との距離を変えて鑑賞すると思わぬ発見があって楽しめます。

例えば、印象派を代表するような作品の一つであるクロード・モネの「睡蓮」は、遠くから観るとやっぱり水面に睡蓮。当たり前。

でも、ぐーっと近づくと睡蓮というよりも、生き物や植物のように見えてくる。魚やカエルのシルエットを見出せそう。

さらに近づくと、もうただの絵の具になる。

作品までの距離を変えながら子どもと一緒に「何に見える?何の絵かな?」と考えてみるとおもしろい遊びなります。もっとも近づいたときにはただの絵の具に見えるというのも、案外大切なところかなとも思います。作品って制作のプロセスは通常あまり見えないものですが、絵の具に見えるということは、何かに見える作品も絵の具で作られているのだというプロセスを感じることにもつながります。

隠れた動物を探そう!という具合に選択肢を限定して何に見えるかを考えて遊ぶのも楽しいでしょう。

幼児期には作品の意図や背景を考えることよりも、遊びを通して作品を楽しみ、作品に親しみを持つことの方が重要かなと思います。

印象派の作品はパブリックドメインで高解像度の画像が公開されていることも多いので、美術館に行けずとも、家庭でタブレットなどで拡大してみたりしても十分楽しめると思います。

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