GoogleからGemmaというローカルLLMが出ました。Llama2などと同じく、無料でダウンロードして各自の環境で実行できるオープンなスタイルです。
ライセンスは独自のもの。Meta社のLlama2も独自のライセンスですので、先行事例に倣ったのかもしれません。
個人的には、データセットを作ったり、ロマンチックなAIキャラクターを作ったりしたいので、利用規約は気になります。軽く調べてみました。なお、私は法務とかの専門家とはほど遠い人間なので、解釈間違いを起こしている可能性もあります。間違いがあれば優しく御指摘いただければ幸いです。
Gemmaには、Gemma Terms of Use(Gemma利用規約)と、Gemma Prohibited Use Policy(Gemma禁止事項)の二つが定められています。
これらの個人的な注目ポイントを挙げます。
Gemma利用規約の注目ポイント
Section 1 DEFINITIONS(定義)の項目に「モデルの派生」を定義しているのですが、Output(出力)は派生に含まないと明言しています。
Section 3 DISTRIBUTION AND RESTRICTIONSには、配布の際の制限が記載されています。Gemmaの派生物を利用・配布する際は、このGemma利用規約とGemma禁止事項が引き継がれるとしています。
3.3に、Gemmaを利用して生成した出力に対して、Googleは権利を主張しない、利用者が単独で責任を負う旨が書かれています。生成結果を利用してデータセットを作ったり、別のモデルの学習に使ったりすることも問題なさそうです。これは嬉しい。
Gemma禁止事項の注目ポイント
利用規約は緩やかで使いやすいと感じたのですが、一方で、禁止事項はかなり具体的かつ細かいです。全部挙げているとキリが無いくらい。
他人の権利を侵害する使い方や違法行為の助長に使うことはもちろんのこと、法律/医療/会計などの免許が必要な専門業務へ無許可で使うこと、スパムや詐欺のための生成なども禁止とされています。
Gemmaの安全性フィルタをオーバーライドしたりして、Gemmaの禁止事項を回避しようとすることも禁止されています。追加学習などで不謹慎なことを生成させるファインチューニングするのはNGかもしれません。
他社へ害を及ぼす可能性のある内容の生成、誤解・虚偽に繋がる内容の生成も禁止されています。
ポルノや性的なチャットボットの用途も禁止されています。科学、教育、芸術などの目的は禁止しないと付記されていますが、アメリカの基準なので、日本では少年誌でもあるようなお色気要素は厳しい可能性がありますね。
うーん、ロマンチックなAI(隠喩表現)を作りたい僕はちょっと気をつけた方がいいかもしれない?