VRoid Studio製モデルには実は表情が6つある。牙も生やせるし2種類もある。これらの使い方と調整の方法
これは VTuber Tech #1 Advent Calendar 2019 6日目の記事です。
● 笑い方や表情や「あ・い・う・え・お」のリップシンクの形やらを、好みに合わせて変更する
● 喜怒哀楽以外の表情を割り当てる
● 表情の切り替えを一瞬でできるように設定する
という内容です。
初心者向けとして書いていますので、Unityは起動するもののスクリプトは一切使わず、インスペクタのパラメーターを弄るだけです。もちろんBlenderのようなモデリングソフトも出てきません。
VRoid Studio製モデルをUnityを読み込んで、インスペクタだけでできることに絞っています!
VRoid Studio製モデルが持っている表情とパラメーター
VRMでは、ANGRY、FUN、JOY、SORROWという、喜怒哀楽に相当する4つの表情を持つことができます。実は、この4つ以外にも、表情を定義すると5つ以上を持つことができます。
↑この記事の [オプション]表情を追加する の部分に呼び出し方含め、書いてあります。
そして、本題のVRoid Studio製モデルなのですが、UniVRMで開いてみると、ANGRY、FUN、JOY、SORROWの他、SURPRISEDとEXTRAという表情があります。そして、FUNG1,2というブレンドシェイプもあることがわかります。
UnityでVRMファイルを読み込む方法は以下の記事を参考にしてください。
標準で持っているのは以下の6つ。標準の喜怒哀楽にあたる4つと、
(左上)ANGRY FUN(右上)
(左下)JOY SORROW(右下)
そしてこれがSURPRISEDとEXTRA
牙にあたるFace.M_F00_000_Fcl_HA_Fung1とFace.M_F00_000_Fcl_HA_Fung2はそれぞれ以下です。(上の牙と下の牙それぞれで調整できます。口はAを100で開けてます)
さらには、100以上の数値を、直接入力すれば入れることもできちゃいます(形状破綻の可能性が高いので使う時は十分に注意するべしです)
一例として、Face.M_F00_000_Fcl_HA_Fung1_Up(上の牙)を100にしたものと、200を入力してみたものです。
自分好みの喜怒哀楽や口の開き方になるよう調整する
そして、これらを混ぜて、自分好みの表情を作ることも出来ます!
たとえば、友黎火ちゃん(この記事に登場している銀髪の女の子)はクールな一面があるので、あんまりニカッとは笑わない気がします。なので、JOYの表情は口を閉じてもらうことにします。
VRMファイルを取り込んで生成したPrefabの一番親のところについているVRM Blend Shape Proxy(Script)の、Blendshape(BlendShapAvatar)をダブルクリックします。
VRoid Studioから書き出した状態では、Face.M_F00_000_Fcl_ALL_JOYという、眉と目と口をまとめて動かすBlendShapeが100になっています。↓こんな感じ
口は開いてて欲しくないので、眉と目だけをJOYにして、口は閉じたままにします。以下の様に。
この状態で、Ctrl+Sでシーンをセーブしておきます。
また、FUNはせっかくなのでEXTRAにしてみましょう。クールとは遠い表情ですが、今回の記事だけ特別に。
Face.M_F00_000_Fcl_EYE_ExtraとFace.M_F00_000_Fcl_EyeExtra_Onの両方を100に。また、後のために、上の方にある「Is Binary」というところにチェックを入れておきます。他は0にして、やっぱりCtrl+Sでシーンをセーブします。
↓以下の様に
ちなみに、Is Binaryとは、ON/OFFを途中経過無しに一瞬で切り替えるというスイッチです。こういうデフォルメされた表情は、通常表情からじんわり変わると違和感が出てしまうので、パッと切り替わえたほうがいいはず!
あと、個人的な好みとして、「い」と「え」の口の形が横に開き過ぎないほうが好きので、それぞれを「あ」と「お」の口の半開きに設定してみます。きっと人体の構造的には正しくない口の開き方ですが、そこを好み優先にできるのがバーチャルの良いところ!
と、こんな感じで設定してCtrl+Sでシーンセーブが終わったら、VRMメニューからExport Humanoidして、VRMファイルを書き出します。
VRMファイルの書き出し(エクスポート)については以下の記事に詳しく書かれています。
出来上がった表情をチェックしてみる
チェックにはLuppetを使いました。JOY、ANGRY、SORROW、FUNの順で表情をキーボードで変えています。
JOYのときに口を閉じていたり、FUNのときに(><)という顔に途中遷移なく切り替わっているのがわかるはず!
口のほうも、Eのときに口が横に伸びない感じになっています。口が横に広がらない、私の個人的な好みの開き方にできました!
こんな感じで、自分の好みに合わせて表情を調整していけば、もっともっと自分のキャラを好きになれるはず!
牙をつかいたいときは、口が開く全ての表情とAIUEOに、同じFUNGのパラメーターを設定すればいいはずです。
バーチャルキャストのように、表情を4つだけ使えるソフトの場合は、ANGRY、FUN、JOY、SORROWのどれかをSURPRISEDやEXTRAのパラメーターに入れ替えることで、個性を出すことができるでしょう。私は普段はFUNの中身をSURPRISEDの表情になるようにしてしまっています。
さらに、顔を青ざめさせたり頬を赤くしたり目をキラキラさせたりもできる
詳しい記事が以下に公開されていますので、本稿ではご紹介だけ。
VRM Blend Shape Proxyの各表情の設定には、Blend Shapeのパラメーターだけでなく、「Material List」という項目があって、ここで割り当てられているマテリアルに設定されたテクスチャのタイリングを変更したりができます。
この機能を上記記事のようにフル活用すると、さらに表情豊かにできます。まるで漫画のような特徴ある表情をリアルタイムに活用することが可能に!
VRoid Studioで作ったモデルは表情が同じになっちゃうから…と誤解していた人も、表情で個性を付けて、より良いVライフを目指しませんか!
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