永遠はない

2005年6月の日記。このとき夢中になったサイトさんはその後復活され今もご健在。そしてジャンル替えをなさっていない!!たぶん通算20年くらいなってる!!日記も更新されているので、ときどき読みにいき、相変わらずすばらしい…と感嘆して、時折おすすめ本や映画やドラマの参考にさせていただいています。
いま思うとこの方は私にとっての綾城さんであった…!としみじみ(「同人女の感情」は偉大なシリーズですネ)。今でも大好きです。尊敬してます。でも(だから)どこのサイトかはナイショ。うふふ。

***** ***** ***** *****
もう一月ばかり前のことになるのかな、私がすごく好きで好きで日参していたサイトさんが「休止」に入ってしまいました。
いやもうどれだけ好きだったかって、すげー数の「ファンレター」ならぬ「ファンメール」をしていたわけで、何がそんなに好きだったかって言うともちろんその人がすごく才能のあるひとで文章がキレがあってコクがあって面白い、という私の「好きな文章三大要素」を兼ね備えていたからというのもあるんだけども、それに加えてすごく「スタイル」のあるサイトだったからというのも大きいような気がする。

こういうことを最後まで書いてから言うのは好きじゃないので最初に書きますが、そのサイトがどこかはここでは書きません。書かないのはいますでに休止しているサイトであること、そのサイトはいわゆる「同人系」と言われるジャンルに属するものなので、人によっては嫌いだろうなあと思うこと、そして正直に言えばそこは私の宝島だからです。

もう2年か3年か前に、偶然そこのサイトを見つけて、どうして見つけたのか覚えてないんですけど多分その方が結構芝居もご覧になる方だったので、タイトルかなんかでヒットしたのかな?偶然出会って、日記読んで・・・そしたら、もう止められなくなっちゃった。2日がかりで、そこにあるテキスト全部読んだと思う。二次創作がメインのサイトで、私はそのジャンルを知らなかったんだけど彼女の創作がすごいレベルなので、これは元も読まねばならぬ、といわば「逆輸入」されたのでした。
私が知らない間にネットを通じて同人界はすごいことになってる、こんなレベルの創作がゴロゴロしているのか!!と驚愕しましたが、それはやっぱりそういうわけでもなくて、彼女ほど読ませる人はそうはいなかったわけなんだけど。

2日間熱に浮かされたように読みまくった挙げ句、なんだか急にこうしてはいられない、と思ってしまったのをすごく覚えています。それは自分が彼女のようにものを書きたい、というのとはちょっと違って「私は私がやりたいことをもっとちゃんとやらねばならんのじゃないのか」という気持ちと近いです。私は今、自分が観てきた芝居の感想を即日は無理でも出来るだけ間を空けずに書く、ということを続けていますけども、それははっきりと彼女と彼女のサイトの影響だと言えます。

当のサイトを読んで、どうしてそういう発想になるのかわからん、と言われそうな気もするけど、私の中では繋がっていることなんですね。

掲示板でも日記でも、マナー違反、ルール違反の人たちへ彼女はきちんと「文句」を言っていて、だけどちょっと厳しいんではないかと思うようなその口調も、これだけのもの創ってればそりゃ言ってもいいよな、と思っていたし、たとえば閉鎖しないで、ということや更新の催促など(早く更新してください!続きが楽しみ!みたいな、可愛らしいと思えるものまで)彼女は「ありがとうございます」などという言葉では返さず、「そういうことはやめて欲しい」ときまじめに言っていたのでした。
私と彼女では自分のサイトに持つスタンスはまるで違うけど、違うとはいえはっきりとスタンスが見えることは、私には何よりも好ましいものに思えていたわけです。

扱っている題材と、そのサイトの質というのはまったく何の関係もないのだということを、勘違いしているひとをよく見かけます。大人計画を語っているから「アリ」でキャラメルボックスは「ナシ」なのか。フェスを語っているのはイケていてアイドルはダメなのか。文学を評論するのはハイレベルで、同人の二次創作はそうじゃないのか。
自分が何を好きであるかということは単に嗜好であって質ではない。よしんばその「好きなもの」同士に差異があったとしても、「それを好きな自分」にはその違いはまったく関係のないことなのに。
何を扱っていようが、面白いサイトは面白いし、面白くないサイトは面白くない。
それと同じです。

腐女子だのやおいだの同人女だのえっ、なんかイタいひとばっかりじゃない?だの、そういう言葉すら輝いて見えるほどに私にとってあのサイトは宝物でした。今でも。
今こうして自分のサイトを続けていけるその活力の少なからぬ部分を、私はそこから受け取って来ました。そのお礼と証として、ここにそのことを残しておきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?