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長編小説『エンドウォーカー・ワン』

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遠い未来。ここではない星の物語。 世界は違えど、人は慈しみ合いながらも争うことは避けられない。 戦争をテーマにしたヒューマンドラマ。 週1~2回連載予定です。
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#DAC広島

『エンドウォーカー・ワン』第34話

「およそ600秒といったところか。では、改めて作戦について説明する。HAL頼む」 「これ…

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『エンドウォーカー・ワン』第33話

 解放戦線とのファーストコンタクトから数か月後。  クラス5の魔女を迎え、訓練を続けてい…

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12日前
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『エンドウォーカー・ワン』第32話

「もう付き合っちゃいなよお!」  ノインの居室でアルファが飲みかけのジョッキをローテーブ…

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2週間前
8

『エンドウォーカー・ワン』第31話

「なぁにぃよ! あの戦いかたはッ! 男の子らしく正々堂々と戦いなさい!」  エターブ社の…

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2週間前
7

『エンドウォーカー・ワン』第30話

「ノイン、来たよー!」 「あ、アルファさん。無断で男子寮に入っちゃっていいんですか」  …

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1か月前
6

『エンドウォーカー・ワン』第29話

「あー、訓練クソだりぃ……」 「文句言わないの。お給料貰いながら色々勉強させてくれるんだ…

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1か月前
7

『エンドウォーカー・ワン』第28話

 青年は静けさで目が覚めた。  彼はどのくらい眠っていたのだろうか。  硝子窓から零れ落ちる陽はすでに高く、そう早い時間ではないことを告げている。 「イリア?」  彼は傍らに居たはずの存在を探すが、見通しの良い室内に気配は見当たらない。  焦点の合わない青い目を擦りながらこんなにも心穏やかに朝を迎えたことは久々だ、と心の中で何度も反芻する。  まるで憑き物が落ちたかのような身軽さに自然と心が躍り出すが、いい歳をして浮かれるなどもってのほかだと自身に喝を入れて深呼吸をした。

『エンドウォーカー・ワン』第27話

 ノインの意識はどれだけ飛んでいたのだろうか。  彼の目の前にはたわわに実った小麦の穂の…

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1か月前
5

『エンドウォーカー・ワン』第26話

「んふー。ベェ~ルぅ?」  銀髪の女性が甘ったるい猫撫で声を発し、熱っぽい視線を送る。 …

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1か月前
7

『エンドウォーカー・ワン』第25話

「平気か? ベータ」  ベルハルトはメインカメラに映し出された微動だにしない敵を見、後部…

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1か月前
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『エンドウォーカー・ワン』第24話

 厚い雲が空を支配する中、数百年ほど昔に植樹された自然保護地域でその衝突は起きていた。 …

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2か月前
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『エンドウォーカー・ワン』第23話

「……」  コクピット後部の兵装担当席に乗り込んだイリアだが、すぐに機体とリンクしようと…

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2か月前
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『エンドウォーカー・ワン』第22話

「――通信は以上だ。状況開始」  ハンドラーがそう告げるとほぼ同時に休止状態だった機体の…

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2か月前
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『エンドウォーカー・ワン』第21話

「探しましたよ、アルファ。いえ、サウストリア第2特殊作戦群中尉イリア・トリトニア」  レックスらがその村を訪れた数か月後、肌を陽が照り焦がす季節。  動き出した復興作業は順調そのもので、平和というものを村人が実感し始めていた頃。  その望まれぬ来訪者たちは地響きと共にこの村へやって来た。 ――魔法探知に引っかからなかった。よほど制御するのが上手いのか、それともただの一般兵か。  「アルファ」は村役場を訪れた見知らぬ男性と対峙していた最中、相手が何者か分からずに警戒の色を