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語源研究日誌

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新たな経済論を生み出すための文化・歴史・人類学を考察する記事をまとめたマガジンです。
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記事一覧

原義を知ると、本質が見えてくる

 私の悪い癖として、ときどき突発的に古代語を勉強したくなるということがある。ラテン語や古…

漢字に込められた恐ろしさを知る

 白川静の漢字体系は、「口」が祝詞を入れる箱であるとし、そこを起点として呪術や礼拝の様子…

日本人の疲労信仰

 外国人にとって理解しづらい日本語のひとつが、「おつかれさまです」らしい。考えてみれば、…

『逃げ若』を観る(5話まで)

 外国人に日本語を教えているが、やはり日本語を勉強するきっかけやモチベーションとしてはア…

日本語をやりなおす

 外国人向けに日本語や日本文化を紹介する英語記事を書く仕事をぼちぼちやっている。一つの記…

ラテン語雑記

 古代ローマに関する本をいろいろと読んでいる。英語や英語圏の文化をより深く理解するために…

日本の歴史を考え直す その9 歴史を見る大きな視点

 歴史や神話を勉強しようと思い立って関連する本を読み始めてみても、出来事や史料、固有名詞の羅列とそれに関する学説の展開が続き、なにが問題になっているのかよくわからないままに挫折してしまうことは多い。専門書と呼ばれる部類に入る本を選べばそういうことになるし、一般向けに出されている本ならいいかと言えば、今度は「昔の人も大変だったんですね」とか「こういう精神は守らなければなりません」みたいな教訓めいた、説教くさい話になりがちで、今後の世界や社会の動向を考察する土台となるような知見が

日本の歴史を考え直す その8 力士と埴輪の関係

 相撲の発祥の地は、出雲だと言われている。出雲大社の中に野見宿禰神社というのがあり、この…

日本の歴史を考え直す その7 土偶を読むを読むを読む(まだ読んでない)

 前回の記事で紹介した竹倉史人氏の「土偶=縄文人が食べていたものがモチーフ」説は、いろい…

日本の歴史を考え直す その6 土偶の謎

土偶はなぜ欠損しているのか  縄文時代の話をする上で絶対欠かせないのが土偶だ。土偶は必ず…

日本の歴史を読み直す その5 縄文人の暮らしのあとを辿る

 函館には世界遺産に登録されている縄文時代の遺跡があり、先日そこに行ってきた。  北海道…

日本の歴史を考え直す その4「多極化時代の日本」

 なぜいまさら日本の歴史を考え直さなければならないのかということは、アメリカ覇権の衰退と…

日本の歴史を考え直す その3「松前紀行その2」

 松前の観光サイトには「松前は小京都とも称され・・・」というようなことが書いてあって、北…

日本の歴史を考え直す その2「松前紀行その1」

 前回の記事では「ではいつ日本が始まったのか?」などと思わせぶりな結語で締めくくったが、その後も古代史の本を読み漁り続けていて、まだ知識を整理しきれていない。「古事記」や「日本書紀」をかじったことがある人なら分かるとおり、とにかく固有名詞が長く、また何が神話の筋で、それがどう解釈されてきて、いかなる発見によってどう変わったのかということを追跡しなければならないため解読に時間が掛かるのである。  そういうわけで気分転換に松前まで行ってきた。函館からだと車で2時間弱だが、私は早