20230925_ひとりきりであるためには

17:30。新居に帰宅して、真新しいデスクの前に座る。これがきっと私の定位置になるのだろう。淹れたてのコーヒーを一口啜り、手慣れた操作でブラウザを立ち上げる。
ごとり。
背後で何かが落ちる音がした。振り返ればダイニングキッチンには新品の冷蔵庫と食卓が綺麗に設置されている。買ってきたばかりの食器類は棚に収まっており、何かが落ちた様子はない。そもそも、ごとりと落ちるような重いものなど無かったはずだ。

風呂場を見る。入居したてだが前に暮らしていた住人の名残か、壁にうっすらと水垢が付いている。風呂場の脇に置かれた洗濯機はからからと洗濯物を回している。その振動のせいか、洗濯機の上に置かれていたバスタオルが床に落ちていた。バスタオルを拾い上げて、元の位置に戻す。明日滑り止めを買ってこよう。しかしやはり、音を出すような物は無さそうだ。

やはり先程の音はキッチンから聴こえたように思う。フライパンには昨日作った鮭のホイル焼きが入っている。これは後で温めて食べよう。シンクには昨晩洗い忘れたコップとスプーンが置かれている。一人暮らしのシンクという感じで、特に異常はない。
ごとり。
あの音だ。キッチンの壁から音が聴こえた。しかし、この新居はほとんど隣人の生活音は聴こえない、はずだ。息を止めてそっと耳を壁に押し当てる。
ごとり。
壁の向こう側ではない。壁の中でこの音は鳴っているのだ。何が動いているんだ?何を落としているんだ?ぞっとして壁から離れる。

私はこの新居で暮らしていく。壁の中の何かについては分からない。念のため隣人に物音について訊いてみたが、特にそんな音は出していないし、気が付かなかったと言っていた。そして更に、怪訝な顔で、前の住人も似たようなことを尋ねてきたと言った。
部屋に戻ると、キッチンの壁からの音は止んでいた。しかし、この部屋には、壁の中には、何かが居るのかもしれない。もし、そうであるなら。気持ちを落ち着かせるために、ぐいと水を飲み干す。足元に影が落ちた。
ずるり。

というソロジャーナルRPG(出目は1,3,4,1,4,6)。楽しかった。


今日は有給休暇を使って、住民票の移動とかマイナンバーカードの申請とか諸々の面倒臭い事務仕事を終わらせた。帰りがけに豪雨に降られて、一瞬で濡れ透けになっちゃったけど、鹿児島の気温だから許せた。

夜はニンジャスレイヤーTRPG。初期キャラのショックブレード=サンがサイコロステーキになり、新規にゴールデンマシーン=サンが参入した。百合営業が捗るドスエ。

◆殺◆ ニンジャ名鑑N01 【ショックブレード】 ◆伐◆
ソウカイヤのニュービーニンジャソウル憑依者。ハッキング監視カメラを通して一日中ネオサイタマの街を眺める引きこもりであったが赤黒の死神を見たニンジャリアリティショックにより死亡、レッサーソウル憑依した。カタナの戦闘スタイルを切り替える器用さを持ち、ホープとされていたが仲間のローン代を稼ぐため罠に突入、キンタロアメレーザーに貫かれ爆発四散した。


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