耳目を引くということ
ちょっと耐えられなくなってしまったので心情を吐露する。
誰が悪いとかそういうものではないので、何にも言わずにただただ聞いてほしい。
2022年、こちらのアンソロジーに参加させて頂いた。
ダウンロード版が現在でも200円で販売中。いろんな方々の、いろんな本の熱い感想がつまっているので、ここから先の駄文を読む前に是非買って読んで欲しい。
私はというとDMMのブラウザゲーム「文豪とアルケミスト」の公式ノベライズ第一弾「顔の無い天才」の感想文で参加させて頂いている。こちらの作品もゲームのノベライズという枠を超えた素晴らしい作品なので、文豪とアルケミストを知らないという人にも是非読んで欲しい一冊である。
こちらのアンソロジー、凄いことが起こっていて、なんとプロの作家さんが参加されている。作家さんのお名前は河端ジュン一先生……私が感想を書いた作品の著者ご本人である。しかも掲載順が提出された順そのままということで、募集開始30分後にそれはもう見事な内容の文章を提出された先生の次に、元々ある程度まとめてあったものを改稿・修正を加えて2日程度で提出した私の感想文が並ぶことになってしまった。
アンソロジーの告知が発表された瞬間、話題は一気に広まった。元々ファンとの距離が近い作者さんとはいえ、まさかファンが企画した同人誌に参加するだなんて普通に考えたらそうそう起こることではない。更にその作者さんの次に、著作の感想が並んでいるのだから相当の耳目を引いたはずである。当初は見てもらえていること、話題に上がっていることに恐縮しつつ、形になるのをとても楽しみにしていた。
内容に関しては実際に購入して読んでいただければと思うのでここでは説明を割愛するとして、何を吐露したいのかというと……
「私が書いたものに対して『作者の隣にいる』というもの以上の感想が来ない」
来ない、本当に来ない。元々感想自体は来にくいものだということは自分でも同人誌を出しているので嫌というほど感じてはいるが本当に来ない。エゴサをしても見当たらない。これがただ来ないというだけであれば良いのだが「作者の隣にいる」という話は出てくる。私の書いたものの内容よりも、耳目を引いたというただそれだけの事実だけが、積み重なって出てくる。
当初は「こういうものである」ということで流していた。そして次もあるからということで2023年度のアンソロにも提出させて頂いている。が、発行から1年近く経ち再度2022年度のアンソロがX(Twitter)の話題に上ったあたりで苦しくなった。作者の隣にいるね、という話題自体もそうなのだけど、それ以上に私の文章が読まれていないなと感じてしまったからだ。
「文豪とアルケミストを知らなくても読めるのか?」……はっきり読めるよと書いてはいないけれど、私は寄稿した感想の中で「ジャンルにはまっている人以外にもお勧めしたい」という旨を書いている。それが伝わっていないという事実に心が折れそうになった。
そもそも、耳目を引き過ぎて高くなった期待値に対して、大した文章でないことにガッカリされている可能性は否めない。それでも自分の文章力が無いという事実を突きつけられたような気がして、とても苦しい。
このまま筆も折ってしまおうかと思った。ただ何も残さず折れるのも嫌だから爪痕だけでもと思ってこれを書いている。でも……書きながらそれはそれで悔しいと思い始めた。仕事で精神をすり減らされている状況で、創作も記事もかけていない状況が続いているけど、このまま終わるのは悔しい。
次にこうやって何かに突き動かされて書くのはいつになるのか分からない。
今の私生活の状況が続けば、もしかしたら、何年も先になるかもしれない。
それでも、いつかは人の心に爪痕が残せるような文章を、残してから消えたい。
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