「そもそもこう言うんじゃないんだよな」の原因は往々にして発注側にある

職場で誰かに仕事を頼むとき・頼まれるときの話をしたい。

職場で部下に対して「こうこうこういう資料を作って欲しい」とか「このファイルをこうこうこうして欲しい」みたいな指示を出すことがある。

で、結構な期間(大体頼んだ締め切りが結構近くなってから)がたってから、その部下から「一応できましたがどうでしょう」と見せられる。

「いやそもそもこう言うんじゃないんだよ、イメージは全然ちがって、こういうのがまずあって、つぎにこういうのがあって、・・・」

よくある光景である。こうやって部下の作業は振り出しに戻る。そしてその日の残業が確定する。

さて一体この事態を招いた原因は誰にあるだろうか?

私に言わせれば、この原因・責任は9割方発注側(つまり上司側)にある。

「部下が素案の段階で早めに相談してくれればよかったのに!」
「部下はもうちょっとこの案件を理解していると思っていたのに、まったくイメージの違う資料を作るこんな部下ではたまらない!」

どちらも上司であるあなたの問題である。素案の段階で相談しに来ないのは、あなたが相談しづらい雰囲気を作っているからである(はやりの言葉で言えば心理的安全性ってやつだ)。あなたの部下がイメージを理解できていないのは、あなたが普段からそういったイメージをちゃんと共有しようとしていないからである。

私は発注側(上司)になるときもあるし、受注側(部下)になる時もあるが、もやっとした指示は、仮にバチッと一度で上司と部下のイメージがあった場合にはどちら側にもこれ以上ない快感をもたらすが、それに失敗すると待っているのは地獄である。中には「そもそも」を連発する上司もおり、そういった人はだいたい裏で部下に嫌われている。

あれこれ細かく発注していたら部下が育たないというご意見もあろうが、それであればなおさら普段から自分がどういう考えを持っていて、どういう資料の作り方がよいと考えているかをきちんと部下に教えておくべきだろう。もしくはちょくちょく自分からどういう方向性で作ろうとしているかをチェックしにいかねばならない。

とはいえ、ある程度形にならないと上司には見せづらい・・・という理由で延々とパワポのお絵かきを頑張ってから、上司にバッサリ差し戻されるという悲劇は後を絶たない。難しい問題である。

☆今後考えているネタ
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