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新しいレンズを買う前に「勝負レンズ」の存在について考えて欲しい。

以前、レンズについての記事を書いた時に「勝負レンズ」という言葉を使ったと思いますが、改めて勝負レンズという存在を考え、本当に買い足すべきレンズとは何なのかを見つけるヒントを紹介したいと思います。



LUMIX DC-G99 / LEICA DG SUMMILUX 15mm f1.4ⅡASPH.

勝負レンズとは

勝負レンズの定義

「あなたがメインとしている撮影シーンにおいて、このレンズ1本で事足りる」と思えるレンズが、あなたの勝負レンズです。
これは撮影シーンだけでなくあなたの撮影スタイルも反映された結果ともいえるもので、人によって単焦点レンズだったりズームレンズだったり、単焦点でも広角だったり中望遠だったりするかもしれません。
ここで大事なのは勝負レンズがあるかどうか、そして勝負レンズ=撮影の中核となるレンズという認識を持つことなんです。

勝負レンズから見えること

ここでは具体例を交えながら、勝負レンズから見える撮影スタイルについて考えていこうと思います。

スナップ撮影で勝負レンズが35mm単焦点レンズとします。
スナップ撮影で35mmを使うことはよくある話ですが、これが市街地でのスナップ撮影だとしたら「だったら50mmでしょ」と考える方もいるかもしれません。
逆に大きな公園や海岸沿いでの撮影とするならば、「28mmだよね」と考える方もいるでしょう。
中には「街中スナップでは135mmがメイン」とおっしゃる方もいると思いますが、これはスナップ撮影というジャンルの中でも被写体との向き合い方だったり切り取り方の違いといえます。
ネイチャーフォト寄りのスナップ撮影では、広角レンズでダイナミックな構図で風景を切り取りたいと考えるでしょうし、市街地でピンポイントに被写体を切り取ることを考えると中望遠でのスナップ撮影になると思います。
「行先の風景は可能な限り撮影したい」と考えたらズームレンズを選択するでしょう。
勝負レンズがあるということは、自分の撮影スタイルがある程度固まっているということです。

LUMIX DC-G99 / LEICA DG SUMMILUX 15mm f1.7 ASPH.

無駄なくレンズを買い足すヒント

勝負レンズが確認できて「新しいレンズが欲しい」と考える時って、きっと「もう少し寄りたい」「もう少し引きたい」と撮影中に思う時ではないでしょうか。
また、ズームレンズが勝負レンズという方でしたら「いつも使う焦点距離がある」と気付いた時だと思います。
本来、こんな風に思った時がレンズを増やすタイミングで、新しいレンズが発売されたタイミングではないんです。

皆さんご存知の通り、私はLUMIX G9PROとG99を使ってスナップ写真やポートレート写真を撮影しています。
ポートレート撮影の勝負レンズは LEICA DG SUMMILUX 25mm f1.4ⅡASPH. ですが、以前は LEICA DG SUMMILUX 15mm f1.7 を使ったこともありました。
ですが、LEICA DG レンズの最高峰とも評される NOCTICRON 42.5mm f1.2 ASPH. は今のところ購入予定はありません。
実は色々な方々から購入を勧められたりしていますが、自分の撮影スタイルを考えるとむしろ12mmを買い足そうかと検討しています。
ポートレート撮影では中望遠レンズというのが一般的ですし実際に有効ですが、私は基本的に被写体に寄って撮影することが多く、可能な限り背景も活かして撮影したいので、中望遠域よりも広角域の方が使いやすいと考えたからです。

こんな感じで撮影を進めていく過程で、写真表現を深めるためにレンズを買い足していくと、防湿庫の肥やしになるレンズを増やすことなく必要なレンズだけが増えていくので、お財布の負担を最小限に抑えることもできます。

モデル:舞川ちろる様 LUMIX DC-G99 / LEICA SUMMILUX 17mm f1.7 ASPH.

まとめ

この記事を書くきっかけは、昨年末に多くのカメラ系ユーチューバーが出した「使わらなくなったカメラ・レンズ」という内容の動画を視聴した事でした。
カメラは写真表現の幅を広げるため、レンズは写真表現の奥行きを深めるために買い足すものだと私は考えています。
つまり、必要不可欠だから買い足すという考えですので「買ったけど使わなくなった」というのはレアケースであり、そう何度もある出来事ではないんです。
もちろん、カメラ系ユーチューバーにとって機材購入は必要経費という部分があるにせよ、ニコニコ笑いながら報告するものでもないというのが、動画を観た感想でした。
先日、LUMIX BASE TOKYO に行った際にスタッフさんが「新機種を買っていただくのも嬉しいですが、本当に気に入った機種をずっと使い続けていただくのも嬉しい話です」と仰ってくれ、あるカメラ系ユーチューバーが「新製品を買うことが、ユーザーがメーカーにできる貢献である」みたいな事を言っていたのを思い出して鼻で笑ったことがあったんですが、メーカーが望んでいるのは「買った製品を使う」ことで買って中古市場に流すことではないんですよね。
「買ったけど使わなかった」って、飲食店で「頼んだけど残した」と同じはずなのに、動画にして報告することなんだろうか?

ー新製品が出たから買う・神レンズと動画で紹介されたらから買うー

それであなたの写真はどう変わるんですか?
あなたの写真表現はどこに向かうんですが?

LUMIX DC-G9PRO / LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm f2.8 ASPH.

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