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毎月参加している「0円撮影会」について紹介させてください。

いつも記事をお読みくださりありがとうございます。
ここ何回かはカメラとレンズについて書いてきましたが、予想以上の反響をいただいている事に驚いております。
カメラ関係で記事にしたい事はあるのですが、今回はタイトルの通り0円撮影会という毎月参加している撮影会を紹介しつつ、ポートレート撮影を上達する目的で撮影会に参加する方に向けて書いていこうと思います。

今回はカメラマンに向けた内容となっておりますので、サロンモデル希望の方や0円撮影会で撮影されたい方はこちらから主催のヘアモデルバンク様のHPでご確認ください。

モデル:舞川ちろる様

0円撮影会と株式会社ヘアモデルバンクについて

まず0円撮影会と株式会社ヘアモデルバンクについてですが、齟齬がないようにヘアモデルバンク様が作成した動画をご覧いただきたいと思います。

0円=無料ということで、撮影に自信がない方がポートレート撮影の練習として参加されることがあるんですが、納品した写真はモデルさんのポートフォリオだったりSNSでの宣伝広報に使われたりします。
そのことはモデルさんも承知の上で参加しているので、カメラマンに対する期待値はかなり高いです。
つまり、0円撮影会というのはコストの発生するプロワークを、お互いに無償で行い完成させた作品(写真)を共有する場所で、その場所を株式会社ヘアモデルバンクが提供しているという形になっています。

モデル:礼愛様

「プロの仕事を0円でやるということは、カメラマン側が搾取されているのでは?」と考える方もいると思います。
しかし、事務所所属のサロンモデルを撮れる撮影会が他にあるとしたら、参加費は当然発生しますよね。
それはプロカメラマンが自身の作品撮りでモデルにオファーしても同様にギャラが発生します。
当然ですが、プロのモデルがポートフォリオ素材を撮影したとしても、カメラマンにギャラを支払います。
お金を払いお客様として撮影会に参加し続けていると、ポートレート撮影の本質が見えなくなり「自分が撮影した写真は自分のもの」と考えてしまうのですが、ポートレート撮影だけでなく、全ての撮影において被写体への敬意を持つのは当たり前のことです。
特にポートレート撮影では被写体であるモデルの協力なしでは成立しません。
お互いのイメージをぶつけ合い、より良い作品にするために互いのベストを尽くす。
そういう作品が、人を惹きつけ魅了するのではないでしょうか。
そんな体験が無料でできるのが0円撮影会です。

モデル:RuRi様

0円撮影会の開催地

0円撮影会の主催である株式会社ヘアモデルバンクは福岡に会社を構えているのですが、0円撮影会は福岡・大阪・愛知・東京の4か所で開催されています。
私は2023年4月より毎月参加させていただいていますが、昨年は年間を通して公園でのロケ撮影でした。
ちなみに他地域ではスタジオとその周辺での撮影となっており、オールロケ撮影は東京のみでした。
ただ、正午前後の太陽光が全体に当たる時間帯での開催でしたので、自然光での光の扱い方はかなり慣れてきたと思っています。
そして今年から東京でもスタジオ撮影となり、毎月撮影地を変えて開催されることとなりました。

モデル:Yu-Ki様

カメラマンから見た0円撮影会

基本的にはカメラマンとモデルの参加人数は同じで、15分ごとにモデルさんを撮影していきます。
つまり、同じモデルさんを同じ条件と環境で違うカメラマンがとることになるわけですが、ここに隠された0円撮影会のもう一つの目的があると考えています。
上記のようなシチュエーションで自分以外のカメラマンが撮影した写真を見ると、構図もポーズも違うだけでなくレンズの焦点距離や背景処理、光のコントロールも自分とは違うアプローチだったりします。
同じシチュエーションだからこそ、比較分析が容易にでき自分への課題とフィードバックが行えるのです。
そして継続的に参加することで、常に課題のクリアとフィードバックが得られる環境でポートレート撮影を行え、有料のセミナーと同様かそれ以上の上達が可能になるのです。
0円撮影会に参加してから今日まで、インスタグラムに0円撮影会と毎日ポートレート投稿というタグをつけて、毎日投稿を続けているのはその為でもあるのですが、参加カメラマンにもっと写真を投稿して欲しいという思いからでもありました。
宣材写真は一人でも多くの方々に見てもらう為の写真です。
その宣材写真を撮ることを目的とした0円撮影会で、撮影した写真を後生大事にスマホのフォルダに入れておくのは、自分自身で作品を否定している行為だと思うんです。
比較は優劣を決める行為ではないです。
良い写真だと感じたことを分析して自分の「撮影の引き出し」にストックすることです。
嫉妬も悔しさも上達のバネにして、次回の0円撮影会でもっと良い作品をモデルさんと作り上げる……素敵じゃありませんか?

モデル:河野宏秋様

0円撮影会で学んだこと

ロケハンの重要性:
0円撮影会でモデル一人の撮影時間は移動時間を含めて15分です。
そして途中の休憩時間まではノンストップで撮影を回していくので、自分の終了時間は次の方の開始時間となり、実質的な撮影時間は12分程度となります。
そんな短時間で撮影するので、どこで撮影するかを考える時間的余裕はありませんし、他のカメラマンと被らない場所で撮影するにはロケハンがどうしても必要となりました。
これはスタジオ撮影でも同じで、多人数での撮影が同時に行われる場合はスタジオ外も視野に入れて撮影する必要がありますから、当日スムーズに撮影するためにもロケハンは必要だと思います。


モデル:ソネセンセイ様

コミュニケーション:
私の撮影スタイルは立ち位置と座りか立ちか程度の指示で、後はモデルさんとお喋りしながら撮影していくもので、公園での撮影では歩きながら撮影したりもしていました。
これはスナップシューターの悪い癖でもあるのですが、きっちり指示を出した上でこちらの意図した表情を撮るよりも、偶発的要素も含みながら自然な表情を撮ることを選択しているから、こうした撮影スタイルに行き着いたわけなんですが、そうしたこちらの事情を知らないモデルさんからすれば、「何を撮っているのかわからない」と思われる方もいらっしゃいました。
撮影意図と具体的な指示を伝えること、良い表情や良い写真は必ず「良い」と伝えて共有する。
撮影中ずっと喋りっぱなしですが、伝えるべきことは伝えるように心掛けています。

モデル:yukari様

分母を増やす:
0円撮影会では撮影した写真を納品するのですが、ノルマはモデル一人当たり30枚となっています。
殆どのカメラマンは30枚を目標に撮影しますが、私は上限枚数である100枚を目標に撮影しています。
その為、撮影中は喋り続けながらシャッターを切り続けています。
常に100枚を納品しているわけではなく(一番多くて99枚)、場合によっては40枚前後の納品になることもあります。
シャッターを切り続けることで撮影にテンポがつき、モデルさんの表情やポーズを切り替えるタイミングになります。
そして同じ場所でカメラアングルや立ち位置、さらに構図を変えることで撮影枚数を増やしていきます。
場所を変えるのを2~3回に留めることでタイムロスを削り、現像の際に同一のパラメータで処理することで作業時間も削減しています。
分母を増やす=納品枚数を増やすことが、結果として0円撮影会で効率よく撮影→現像→納品するルーティンの構築に繋がったと言えます。

モデル:saya様

ここまで0円撮影会について書いてきましたが、現場は和気あいあいとした雰囲気でカメラマンもモデルさんに配慮しながら撮影しております。
とは言え、それはより良い写真を撮るためで楽しいだけの撮影会ということではありません。
本記事を読まれている方の中にプロカメラマンとほぼ同じ条件でポートレート撮影をしてみたい、より高い写真表現を目指したいという方がいらっしゃいましたら、是非0円撮影会でお会いしましょう。

モデル:土井優華里 様

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