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父と共に泳ぐ。

父は去年の今頃からずっと
家が競売にかけられて売れてしまったので
出ていかなければならないという妄想の中にいる。

始めの頃はとても焦っていたし
それは妄想だと言っても聞かないので
「大丈夫だよ、いざとなったら
山の家(私の家)があるよ。」
となだめると
「京都なんて遠くて無理だよ〜」と
嘆いていた。


ところがあまりにしつこく
立ち退きを命じられるらしく
もうここが自分の家だと思えなくなっていて
徐々に気持ちが山に向くようになっていった。

今では自分から
「京都に引っ越そう」
と言うようになった。


昨日も突然言い出したので
もうすっかり乗っかって
「そうだよ、もうその方向で進んでるよ。
ケンチャンがキャンピングカーレンタルして
連れて行ってくれるから大丈夫。」
と言ったら
安心した顔で微笑んでいた。


父は何かを感じ取ったのかな
確かにこの10日くらいの間に
私とケンチャンの気持ちは固まってきていた。

山に帰るのは難しいと思ってた。
でも難しいと思ってるのは
私の脳みそだけかも?と
やっとおなかに落ちて
できると思うことにした。


急がず焦らず
でもこの1年くらいの間に
今だ!というときが来たら
私達は父を連れて
山に帰ることにした。


どんな風に進んでいくかもわからないし
準備することもたくさんあるけど
目標が定まって
あとはそこに向かっていくだけ。
やったるぞう!以外にない。


村のおじいちゃん3人組の
ビデオレターが届いた。

みんなもいろいろ
辛いこともあるのに
みんな良い笑顔で歌ってくれていた。

御三方!
私、後悔したくないから帰るでーっ


今頃たくさんの鯉のぼりが
空を泳いでいるだろう大好きな村へ。

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