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寂しがりやの色眼鏡。

父が誰かと話している。

ときには楽しそうに。
ときには困ってそうに。

ときには怒ってそうに。


いつも誰かが側にいるようで
寂しそうでないのが良い。

私は小さい頃からずっと
父がひとりでいるのが
なぜだかとてもかわいそうだったから。


小学校の夏休みや冬休み
家族で両親の田舎の長野に帰るのだけど
いつも父は仕事があるので
母と弟と私は
先に田舎に帰って
父がお盆やお正月に
仕事を終えて後から来るのを待った。

いつも私は
父が家にひとりでいるのを
想像してはかわいそうだと思った。

父がひとりでいて寂しかったのかどうかは
今でもわからないのだけど。


父がひとりだと寂しいと思うのは
私の勝手な思い込みかもしれない。

もちろんみんな
ひとりだと寂しいけど
私が思ってるほどかどうかはわからない。

父はその頃も今も
いつも誰かが側にいて
寂しいと思う暇なんて
ないのかもしれない。


私はその私のものの見方を
一度洗い流して
クリアなレンズで見れるようになりたい。

それは父のためでもあり
自分のために。

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