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足音、近づく。

父の姉のおばちゃんは
たくさん悩んだそうだけど
娘たちに背中を押され
上のお姉ちゃんに連れられて
長野から遥々
父に会いに来てくれた。


とても陽気なおばちゃんとお姉ちゃんは
終始明るく笑っていて
ヘルパーさんや看護師さんのやることを見て
勉強になるわーと感心し
父に会えてほんとうに良かったと喜んで
こちらもとてもありがたかった。

一晩父の部屋で一緒に寝てくれて
私も安心して熟睡できた。


父の肺炎は
また少し落ち着いたようで
表情が穏やかになってきてホッとする。

でも血圧は徐々に下がってきて
今夜が山場、という言葉が
我が家にも聞こえてくるときが来た。


看護師さん曰く
聴覚は最後まで残るという。

父に伝えたいことを
しっかり伝えておかなくちゃ。


おばちゃんとお姉ちゃんが帰って
ケンチャンは寝ていて
弟たちがこちらに向かってる間に
私は父にたくさん話しかけて
たくさん抱きしめた。

からだに父の体温の記憶を刻み込んだ。
母の記憶と同じように。


一方的にもう大満足。

あとは他のひとたちに
父との時間を
しっかり味わってもらえるように
私はひっそり見ていよう。

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