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手強い記憶。

今日は久しぶりの
父のリハビリマッサージの日。

ほんとうは毎週お願いしてるのだけど
寝てしまってる日と重なりがちで
なんだかんだで月に一度くらいに
なってしまっている。


綾瀬はるかにそっくりな上に
ちいちゃくて純朴なマッサージ師さんは
とてもかわいらしく
父もまんざらでもなさそうで
マッサージ自体は億劫そうだけど
マッサージ師さんを目の前にすると
いつも流されてやってもらっている。

前もって「今日はマッサージだよ」
と伝えると大抵嫌がるので
最近は大丈夫そうな日は
考える隙を与えないほど
滑らかに滑り込んでもらっている。


レビーのひとは
後頭部をほぐすと良いらしいのだけど
父は全然気持ち良さそうじゃない。

肩を揉んだって
喜びゃしないし
手を握っても
「そんなに単純じゃないよ」
とか言ってくるかわいくない父だけど
マッサージ師さんには
すぐに父のかわいさがバレて
今日もかわいいと言われて
きょとんとしていた。


昨日テレビで
レビーの介護が壮絶そうにやってたけど
父は基本的にはいつも
犬がおすわりしてきょとんとしてるみたいに
きょとんとしているか
ぼーっとしているので
やっぱりどんな風に生きてきたかが
関係しているのだと思う。

昨日のテレビでは
そのひとの過去の壮絶な記憶が
幻視として出てきていたから
父が最近良く言う「凍っちゃう」ってのも
寒い寒い長野の山で育った父の
古い記憶なのかもしれない。


今日も朝から訴えていたので
マッサージ師さんが
その凍っちゃったからだを
溶かしたかったみたいだけど
「溶けなかったみたいです」
と愛おしそうに言って帰っていった。

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