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コーヒーの接ぎ木作業

明けましておめでとうございます。今年は、昨年に引き続き、コーヒーについての学びを深める年にしたいと思っています。あと、おいしいハワイ島産コーヒーを発見したり、コーヒー農園をたくさん回りたいと思っています。

さて、コーヒーの接ぎ木の方法について今回はお話したいと思います。うちのコーヒー農園では、3~5か月くらいの若い苗を使って接ぎ木をしています。一般的には、成長した木を使うのが主流みたいですが。うちの農園では、根っこの部分を使うリベリカ種をBase、実らせたいコーヒーのアラビカ種をTopと呼んでいます。日本語では、ベースの部分を台木、トップの部分を穂木というそうです。作業手順を見ていきましょう。
まず最初に、ベースのリベリカ種の苗を根っこから2~3cmほど残し、上から70度くらいの角度でハサミを使い切り落とします。

ベースのリベリカ種を根っこを残してカット


次に、葉っぱや茎がしっかりしているトップのアラビカ種を選び、ベースに合うような角度で、カッターでスライスします。まだ葉っぱが出てきてない豆がくっついてる苗でも、茎が丈夫だったら使っています。私は、ビーントップと呼んでいます。

トップに使うアラビカ種の選別
トップに使うアラビカ種の根っこ部分をカット

最後に、ベースとトップをくっつけ、クリップでとめる

トップとベースをクリップでくっ付ける

トップとベースをクリップでくっ付ける作業をひたすら繰り返します。一つのトレイに98本のポットが入れられます。大体、1時間半くらいで1トレイを終わらせています。全部終わったら、衣装ケースに水と青い液体(確かカビや菌類の繁殖を防ぐものだったと説明されたような気が・・・)を入れ蓋をして、外に設置してある棚に置いておきます。ミニグリーンハウスの役割をさせるそうです。

夏場は約1か月後、冬場は2か月後くらいにミニグリーンハウスからトレイを取り出します。トレイを取り出す際には、はじめは蓋を半分あけ数日置き、蓋を全開にし、1、2週間置き、徐々に外気に慣れさせてから、完全にトレイだけを外に取り出します。この置く時間は、オーナーさんが経験から苗の様子を見て判断しています。そして最初は、ネットの屋根がついているエリアの下に置き、柔らかい雨にならし、外の環境に徐々に慣れさせ、最終的には、屋根もない棚に置いていきます。無事に育ったら、お客様のもとに届けるそうです。
オーナーさんはよく、接ぎ木の苗を育てるのは赤ちゃんを育てるのと一緒だよ。最初は赤ちゃんもずっと外にはいないで、徐々に外の空気に慣れさせるでしょ~というように言ってました。この苗の手入れを英語では、「Nursery」と言います。意味は、苗床という意味もありますが、保育園という意味もあります。保育園と言えば、人の子どもですが、コーヒーの苗を育てるのも、子育てに似てるのかなと感じる今日この頃です。
98本の接ぎ木しても、ミニグリーンハウスから取り出す際、また外気に慣れさせる際に、10%~20%程度は枯れたり、菌類にやられてしまったりしてしまいます。自然相手にしていると思いどどりにはいかないことばかりですね。

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