陽一編第5話「心の構造」
担任「おや?」
陽一の席が空いてる
幹太「先生、実はかくかくしかじかで…」
先生「…陽一に会いに来た隣の翼が教室を飛び出し、陽一君が追いかけてるんだね」
幹太「はい」
おもむろに無線を取り出す担任
生徒たちの目が輝く
担任「こちら1の1担任」
ガガ
?「応答します、こちら用務員室」
ガガ
担任「1の1と1の2の生徒計2名が教室を飛び出した模様」
ガガ
翼の証明写真がモニターに映っている
用務員「1の2担任からも1名の不在を確認したところです。発端は」
ガガ
担任「心のすれ違いに類するもののだと推測しております」
ガガ
用務員「了解」
===
たくさんのモニターのなかで動くものを探す女と担任に応答する男
男「生徒名を」
担任「今日転校してきた■■陽一」
ガガ
カタカタカタカタカタカタ
タイピングの音が響いた
翼の顔写真の横に黒い写真が表示される
===
担任の無線が鳴る
ガガ
用務員「写真がまだありませんね、今日の放課後撮影予定だったようです」
女「必要無いわ」
ガガ
生徒たち「え?」
ガガ
女「今二人を見つけたから」
生徒たち「ヒュ~~~!」
ガガ
女「二人は屋上への階段を上ってる最中よ、すれ違いの原因をもう少し聞かせて」
ガガ
担任「卒業以来の再会だそうで■■翼が■■陽一の変化を受け入れられなかった」
ガガ
女「把握したわ、でも保護した後はすぐ教室に戻す?」
ガガ
担任「いいえ、できる限り二人をぶつけ合わせてください」
女「了解よ!」
生徒たち「わー!」
===
担任はテンションの上がった生徒をいさめたりしなかった
女(ふふ、これだからやめられないわね。子供たちが聞いてると思うとこっちのテンションまで上がっちゃうわ)
男「冷静にお願いしますよ」
女「自動融雪は問題無い?」
男「積雪は0です」
駆け上がる翼
女「■■翼が屋上に着くわね」
男「ドアを開けておきますか」
女「どんな呪文を唱えるか、まずは様子見よ」
===
ドンドンドン!
翼「開け開け開け!!!陽一が来ちゃう!」
===
女「ドアを開けて」
男「了解」
===
ガ
ぐいーん
ドアをくぐった翼「今度は閉じて!一人になりたいんだ!」
===
男「だそうですが」
女「開けた意味が無くなるわ」
陽一が階段を上る音
ドアは動く気配が無い
翼(くそ!屋上に来れば助けてもらえると思ったのに!)
動かないドアにたたきつけたこぶしに頭をもたれさせる翼
タン、タン
足音が大きくなってくる
翼(…向き合えってことかよ)
===
女「心理状態が変わった」
男「クッションはどうしますか」
女「おそらく必要ないわ でも2秒で射出できるようにしておいて!」
男「了解!」
教室のテレビが用務員室のメインモニターと同期されている
担任「緊迫してきましたね」
食い入るように画面を見つめる生徒たち
翼が屋上の中央あたりまで歩いて立ち止まった時
陽一が開いてるドアをくぐった
目を翼からそらさない
ぐいーん
陽一のまなざしの奥でドアが閉まった
翼「はは、今閉まるのか」
自嘲のような翼の声と後ろ姿
===
女「誰にも邪魔はさせないわ」(腹の底、思い切りぶちまけなさい)
===
陽一「翼」
振り返らない翼「俺は■■翼だけど、君は誰?」
陽一「お前と一緒に6年1組を卒業した■■陽一」
振り返った翼「ふざけんな!おまえなんか陽一じゃない!」
===
びりびりした空気
翼の形相に教室のみんなが息をのんだ
===
陽一「翼が知ってるのって、どんな俺だったの?」
翼「質問の仕方が違うぜ?『君は■■陽一をどういう人物だと思ってた?』それが正しい質問だ!お前は俺の知ってる陽一と別人なんだからな!」
===
女「そよ風。南西に向けて」
男「了解」
===
ひゅうう
陽一「…君は■■陽一をどういう人物だと思ってた?」
翼「う」
鼻の奥がつんとする翼
翼「陽一の真似すんじゃねえ!!!」
陽一「俺は俺だ」
翼「陽一は自分の主張なんてしない!何も感じず寡黙に生活して、それでも心に留まったものを、そっと写真に収めてた!」
陽一「…」
翼「お前は写真を撮ったりするのか?」
陽一「ほとんどしない」
翼「心に留まるものがありすぎてか?一々撮ってられないよな、俺も小学生の頃陽一を見てて思ったよ」
陽一「…」
翼「何か言いたげだな?聞いてやるよ、陽一の偽物くん」
陽一「お前こそ…翼なのか?」
翼「誰だっていつもと違う自分を内包して生きてんだよ!!」
ハッとする翼
===
女「うまいわ」
===
担任「陽一くんやりますねえ」
栄助たちはなんだか自分が誉められた気がした
===
陽一「俺は…お前の知ってる陽一の下でずっと眠ってた」
翼「…」
陽一「みんな幼稚園とかそこらで芽吹かせるような自分を、小6の最後の最後でやっと芽吹かせた」
翼「はは…、俺が慕ってた陽一の方が偽物だって言うのかよ」
翼が涙をこぼした
===
感情移入する生徒たち(翼…)
===
陽一「偽物…わからない。でも今の自分の方があるべき自分な気がする」
翼「そんなのいやだ」
陽一「この自分もいつか過ぎ去るのかもしれない」
翼「知ってるものが変わっちゃうなんて嫌だよ!!」
陽一「でも」
===
男(ゴクッ)
===
陽一「俺がここにいることは、お前の知ってる陽一がいたことのあかしだ」
翼「いたことの、あかし?」
陽一「小学生の頃の俺が居たから、今の俺が」
翼「俺の知ってる陽一はどこ行っちゃったんだよおおおおおおおおおおおおお」
翼の嗚咽が響き渡った
===
女(あれは…カタルシスの涙ではない!)
===
ガガ
女「これ以上は危険だわ」
ガガ
担任「同感です、しかしかける言葉が見つからない」
「俺が行く!!」
栄助が叫んだ
幹太「俺たち、だよ」
ガガ
女「あら?栄助君?」
ガガ
栄助「覚えててくれたんですか」
ガガ
女「ふふ、取材で言ったこと忘れた?あたしたちだってそこの先生に引けを取らないプロなのよ?で、行ってどうするつもり?」
ガガ
栄助「ここには俺と、幹太と、豪と、琥珀と、柚留がいる!村井さんは1の2の礼、春、道郎を招集して!!」
ガガ
村井「全員で飛び降り自殺なんてごめんよ」
ガガ
栄助「ひどい冗談ですね!」
ガガ
ピンポンパンポーン
校内放送「お呼び出しします…1年2組の■■礼君、■■道郎君、■■春くん、至急1年1組に移動してください」
春「隣じゃん」
礼「なんだなんだ」
道郎「先生、いいですか?」
1の2担任「もちろん、翼の件のようだ」
===
ガラ
春が顔を出す
春「どうしたの?」
栄助「春、礼、道郎、元6年1組、出動だ」
===
いまだ翼の嗚咽が響き渡っている
村井「ドメスティックヴァイオレンスって知ってる?」
男「もう根絶されたと認識してますが…された子供はこんな声で鳴くんでしょうか…」
村井(心を病んでる最中だと知らせている…そんな声…)「栄助たちはまだ?」
ガガ
男子生徒C「こちら1の1!」
ガガ
村井「応答するわ、状況を教えて」
ガガ
男子生徒D「栄助他8名が屋上に向かいました!1の1担任も同行しています!」
村井「了解、あなたたちの任務はそこで観測者として働くことよ、メモは必要ないわ、心に刻みなさい」
残った生徒たち「了解!」
===
陽一「翼、翼ってば!」
肩をゆするも、自身の鳴き声でかき消されてるのか反応が無い
陽一(くそ、すぐそばにいるのに聞こえてない!)
赤い屋根 青い下駄 水色の雨―――
陽一(こんな時にオリトラの歌なんて)
ガ、ぐいーん
振り返る陽一
栄助「元6年1組!」
一同「見・参!」
===
村井「ふ、効果音は用意してないのよ、ごめんね」
男(村井さんに余裕が生まれた!)
状況を確認する男
栄助たちの真剣な表情
男「何とかなる気がします!」
村井「ええ!」
===
翼が反応した
全員の顔を見ていった
翼「貴誉がいない」
栄助「え?」
陽一「そうなんだよ、俺がこっちに来たから貴誉が一人になっちゃったんだ」
翼「貴誉が一人に?」
===
男「なんか、幼児退行してませんか?」
村井「人は誰でもいつもと違う自分を内包している…今の翼も、さっきの激昂した翼も、ずっと眠っていた心の姿なのかもしれない」
男「眠っていた心…」
===
陽一「貴誉の好きなもの、覚えてるか?」
翼「おしり!」
陽一「そうだ!貴誉はおしりが大好きだ!」
翼「きゃはははは」
豪「翼が…こわれた…」
幹太「でも貴誉はおしりが大好きだよ」
豪「まあそうだけど」
道郎「深刻なのかシュールなのか分かんないなあ」
===
ガガ
村井「タカホメのデータがあったらシェアしてほしいの」
ガガ
男子生徒A「▲▲中にいる栄助たちの友達です!無類のおしり好きだと聞いています!」
ガガ
村井「把握したわ、ありがとう」
ガガ
===
男「この異様な状況を打開させることができるのは」
村井「タカホメの思い出?いえ、ここに呼び出してしまうのも手かしら」
男「時間がかかりますよ」
村井「そこがボトルネックね。状況が長引きそうならタカホメの召喚も視野に入れておいて」
男「了解」
===
陽一「翼、貴誉さ、さみしがってたよ」
翼「どうして?」
陽一「おしりがみたーい、おしりがみたーいって」
翼「陽一は見せた?」
陽一「転校前のあいさつに行った時みせたよ」
翼「どうやって?」
陽一「ふ」
===
村井「!!!」
===
陽一「こうやって」
===
村井「いやーーん!!!」
男「硬派なのにウブだよなあうちの上司は…」
===
翼「きゃははは、は」
===
村井「!」
男「!?」
村井(状況が動いた!)
===
琥珀「おい貴誉に電話かけようぜ」
柚留「ダメだよ貴誉放課後まで電源切ってるもん」
春「そういうとこマメだったよねえ」
礼「んでおしりが好きっていうギャップがね」
翼「貴誉、どうしてた?▲▲中のみんなと仲良くやってた?」
陽一「うーん、制服着てる貴誉のことみんな迫力があるって言ってたよ」
翼「いいやつなのに」
栄助「…」
キョトンとしてる栄助
陽一「そうだ、こっち来たらやりたいことがあったんだ」
翼「なに?」
陽一「みんなで貴誉におしりの写真を送りたいんだ」
翼「俺はいいよ?みんなは?」
一同「え?」
===
村井「翼の関心が栄助たちに向いた」
男「これはどう見るべきですか」
村井「こんな話を聞いたことがあるの、意地悪した子を懲らしめてる子を見た子が、意地悪してる!と思ってその子を懲らしめるの、それを見た子がまた意地悪してる!っと思って」
男「正義の味方になる子がどんどん出てくる」
村井「幼児期の瞬間的な観点がそれより広く長いスパンの観点を持つ大人から見ると『連鎖』に見えるという話だけど」
男「つまり彼の視野が幼児期のそれより広くなったってことですよね」
村井「自分、相手、第三者…」
男「翼くんは本来の心理状態を取り戻しつつあると言えますかね」
村井(本当にそう言えるかしら)
回想
翼「知ってるものが変わっちゃうなんて嫌だよ!!」
村井(こんなわずかな時間でもたらされた変化を、成長と呼ぶには拙速な気がする…いえ、正直恐いわ。仮に状況が治まったとして、その後の翼は元居た翼なの?人間の心の構造が恐い…)
回想
「俺の知ってる陽一はどこ行っちゃったんだよおおおおおおおおおおおおお」
村井(あの時こんな限界的な思考に達していたなんて…)
===
栄助「俺はいいぜ!貴誉におしりの写真を送っても」
幹太「逆に嫌だって人~~」
一同「…」
翼「満場一致だね、集合写真にしようよ」
豪「でも撮る人がいないと」
翼「あ、そっか」
===
ゾクッ
村井「今言い知れぬ恐怖を感じたのは私だけ?」
男「どこでですか?」
村井「一人見えない人が翼に想定されていた」
男「こわっ」
===
担任「私が撮ろう」
一同「先生!」
ドアの影から出てきた1の1担任にホッとする村井たち
屋上でおしりを出す
担任「せー、の」
11人「はい!」
ぱしゃ!
村井たちの緊張の糸が切れた
村井「一件落着かしら…」
男「何か引っかかるんですか?」
村井「なにかしら…」
ダイジェスト
ふらふらした翼に陽一と栄助が肩を貸していた
栄助「卒業アルバムの写真でこの三人が並んでたよな」
翼を挟んで頬を赤らめる陽一
陽一(栄助のこと好きだけどなんだろ、この感じ)
翼「…」
陽一「栄助が中央だったよあの時は」
栄助「陽一、背え伸びたよな」
翼「…」
陽一は自分が栄助とほとんど同じ目線の高さになってることに気が付いた
陽一「うん…」(目線が同じくらいの高さだからか?)
元6年1組の帰還
スリル満点だったぜ!
村井「ふ」
無邪気な観測者たちに癒される村井
村井「通常業務に戻るわ」
男「報告書は」
村井「早めに、とは言わないわ」
授業風景
給食
昼休み
村井「だめね、1年生に目が行くわ」
男「今日くらい、僕がカバーしますよ」
村井「ありがとう」
と言いながら1の1をまた見てしまう村井
ロッカーの上に座り頬を手で押さえてる陽一が見えた
村井(ふふ、そうしてると、なんだかあどけなく見えるわよ、陽一)
その陽一の眺める先には
陽一がいた
村井「!?」
タンクトップ姿の陽一が学ラン姿の陽一を眺めてる
ように見えた
村井「1の1!録画映像を数秒戻して!」
男「了解!」
さっき見えたものは映ってなかった
村井「幻?」
男「つかれてるんですか?村井さん、なんて言いませんよ」
村井「え?」
男「僕も見えましたもん、タンクトップの陽一君がロッカーに座ってるの」
間。
村井「なんだったのかしら…」
放課後のチャイム
パシャ
精悍な顔をした陽一の学生証用の写真
担当の先生「はい。いいですよ、後日担任の先生から学生証を受け取ってくださいね」
陽一「ありがとうございます!」
撮影室を飛び出す陽一 昇降口に向かう
陽一「翼」
下駄箱から靴を取り出す翼と居合わせた
翼「先生に一人で帰れるって言ったんだ…あ、陽一、今日はごめんな、俺、変になってた」
陽一「覚えてるの?」
翼「そうだな、忘れちゃいたいけど、全部鮮明だ」
陽一「途中まで、一緒に帰ろう!」
翼「いいよ!」
翼と陽一が昇降口を出ていくのを眺める子供がいた
小学生の姿の翼だ
小学生の翼(俺、行っちゃった)
?(待ってたぞ)
小学生の翼が振り返る
小学生の陽一がいた
小学生の陽一(こんどは見守る番だよ)
小学生の翼(うん!)
分かれ道で中学生の翼と陽一が分かれるのを空から見届けた小学生の翼と陽一はギュッと手をつないだ
===
『起動中です』
貴誉がスマホの電源を入れた
メールが一件
開いて驚いた貴誉は周りから逃げるように家路についた
貴誉「ただいまー!」
貴誉の母「おかえりー」
自分の部屋に入りメールを確認する
陽一
無事転校できました
11人が屋上でおしりを見せてる画像
笑いをこらえる貴誉、その胸に感動が込み上げてきた
貴誉(何やってんだお前ら)
一人一人のおしりを見ていく貴誉
貴誉「これは礼の、これ道郎の、ふふ、見放題だ」
にやにやが止まらない貴誉
貴誉「ん?」
(このおしり誰のだ?)
目線を上げると翼のだった
貴誉「ああ、翼か」
(翼についてるんだから翼のおしりだ)
無言の表情
(でも…)
貴誉「まるで別人のおしりだ…」
翼が自室で天井を眺めている
柚留のメール「陽一が転校してきた!」
翼「…」
スマホに着信があった
貴誉から
翼「もしもし」
貴誉「おす!みんなでおしりの写真、ありがとな!」
翼「はは、みんなに電話かけてんの?」
貴誉「いや」
翼「なんで俺だけ?」
貴誉「いやなんか、お前のおしり、俺の知ってるのと違ったから」
翼「変わるもんさ、陽一もすっかり別人だったよ」
貴誉「よく笑うようになったよな」
翼「そう、かも?」
貴誉「ははは!…なあ翼」
翼「なに?」
貴誉「なんかあったらちゃんと言えよ?」
翼「ああ、わかった」
貴誉「うん、話はそれだけ、じゃあな」
翼「うん、またね」
ピ
…
ぶわ
机に顔をうずめ涙で机を濡らす翼
翼「うっう…う…」
===
男「そろそろ定時です。村井さん、じゃあお疲れさまでした」
村井さん「ええ、新学期早々大仕事だったわね、おつかれさま」
男「翼くん無事に帰宅したんだし、これ以上は職権乱用ですよ?村井さんも上がってくださいね」
村井「ふ、もちろんよ」
バリっと用務員の腕章を外す村井
男「乗っていきますか?」
村井「歩くわ」
手で合図をした男がバイクで走り去った後、徒歩で帰路につく村井が翼の部屋の窓を見つめた
村井「…おぼろ月」
見上げた空におぼろ月が出て、雲がかかっている
村井(カタルシスの涙は、流せたかしら)
机に顔をうずめる翼の後ろ姿、泣き止み笑顔がこぼれる
回想
(いやなんか、お前のおしり、俺の知ってるのと違ったから)
涙で濡れた顔でふっと笑う
翼(おしりソムリエめ)
しころうとしてた貴誉「えっきし!」
===
陽一が家族と夕飯を食べてる
陽一の父「陽一、学校はどうだった?」
陽一「変わったってみんなに言われた」
陽一の母「あらまあ」
陽一の父「そうか…」
陽一「父さんから見てどう?」
陽一の父「うん…なんか共感しやすくなった気がするよ」
陽一の母「正直なんだからもう」
陽一(そんな風に見えるんだ)
陽一は気恥ずかしくなって口の中のものを飲み込んで席を立った
陽一「ごちそうさま!」
自分の部屋に入る陽一
…
陽一の父「3人でやってけそうだね」
陽一の母「でも、昔の陽一がいなくなってさみしい気もするの」
陽一の父「陽一は陽一だ…父親面してみせるようだけど今までの陽一だってきっと今の陽一の中にいるんだよ」
陽一の母「中なのかしら」
陽一の父「外だって言うのか?」
陽一の母「空から今の陽一を見守ってくれてる気がする…」
陽一の父「オリトラにそういう歌あったね」
陽一の母「エニ、グマ…だったかしら」
===
ファーストのジャケット
僕がここにいる そのこと自体が
名を咲かせた誰かが僕を
愛してくれた日の証
巡る巡るよ僕らは 時の旅をする
未来はあの日の足跡
たどれば君がいる
この地層の模様はめぐりながら連なる
すべての色と出会う約束
博愛をなそう
このエニグマの層で
赤と青と水色と 桜色の夢
4つの色を始まりに 僕は眠ってた