陽一編バナー2

陽一編第13話「ゲームクリア」

サマーランド

陽一がきょろきょろとあたりを見回してる

陽一(業も由人もどっかいってる…)

森を見る陽一

陽一(今なら…)

足を踏み入れた陽一の肩に手が置かれる

「こおら」

ギクッと陽一が振り返る

火のついていないタバコを咥えてる業

陽一「業…ちぇー」

業「入っちゃだめっていったろ―?」

陽一「なんでだめなのー?」

業「戻ってこれなかったらどうするんだ」

陽一「カルマズもエニグマもいい奴だよー」

業「…それはわかってるけど」

業が森を見る

(真っ暗だ…)カチッと煙草に火をつける業

ふーっと煙を吐いた

業「陽一、森の中見えるか?」

陽一「なんにも!」

業が煙草の先を見て何かを思いつく

業「…ちょっとだけだぞ」

陽一「!どうするの!?」

業「こいつを明かりにする」

手をつないだ業と陽一が森へ入っていくのを

「もー」

横たわった細い木に腰かけた由人が顔に頬杖の両手を当てて見ていた

由人「まあ昼だし大丈夫か!」

煙草の火を上にして持つ業

陽一「業~なんか見える~?」

明かりにしてた煙草を吸った

煙草を口に咥えた業(結構歩いたな…)

陽一を見る

入りたがってた陽一も少し不安そうになっていた

業(引き返すか)「陽一、これ持って」

つないだ手と反対側の手で携帯灰皿を手渡す業

陽一「明かり、消しちゃうの?」

手をつないだまま、反対の手で携帯灰皿を受け取る陽一

業「帰りは明るいほうに歩けばいいだけだからな」

陽一が振り返る

小さく砂浜が見えて安心した
===
業が陽一を抱き上げる

陽一「業…砂浜が見えない…」

向かう先が真っ黒になっていた

業「こりゃまずい」

陽一「業、明かりつけて…」

業「箱はテントの中だ」

陽一が業にしがみついた

===

陽一「あれ…?」

業「戻り道で見せてくれたか」

いくつのもの地球が業と陽一を囲むように目の前に浮かんだ

陽一「…」

業「枝分かれした世界だ、それが俺達の狭い視野じゃ地球に見える」

陽一「狭い視野…」

陽一が左から右に見ていくと

陽一「わあ!こっち!」

業が目を向ける

陽一「なんにも無い!」

業「いいんだよ」

業がそれを陽一に見せないように向きを変える

業「満足したか?」

陽一「うん…」
===
「お帰り」

森から出てきた業と陽一に由人が声をかけた

陽一「由人!」

駆け出した陽一

由人のおなかに顔をうずめる陽一

由人が「かわいそうに、怖かったろう」という顔で抱き留めた

由人「もう入ろうとしちゃだめだよ」

陽一「うん…!」

業と由人がほっとした

顔を見合わせる

===

業がテントに向かって歩く

煙草の箱を取り出し

そこから1本を咥え

ポケットからライターを出した

カチッ

陽一「あー!」

しゃがんだ業が振り返り火をつけた

いたずらっぽい顔

陽一「ライター持ってたんじゃん!!」

業「ばれたか」

由人「ははは」

陽一のふくれっ面

由人「怖がらせてごめんね」

陽一「…」

由人にしがみついた陽一

陽一「俺が入りたがったんだもん」

由人「…」(ものわかりのいい子になって…)

煙草をふかす業「悪い子でも見捨てたりしないさ」

陽一「ほんとー?」

業「見捨てられたことがねえからな」

打ち寄せる波

===

業「今日は昼がなげえなあ」

由人「ほんとだね…」

陽一「…」

水平線を見る3人

陽一が由人に抱きあげられた

===

業「映画でも見に行くか」

陽一「行きたい!」

由人「新作あるかなあ」

陽一を中央にして3人が手をつなぐ後ろ姿、陽一がジャンプして歩いてる

===

正方形のポスターが並ぶ

静とマリが婚約した日の写真
インヘリダンス

ウェディングドレスを着た二人がケーキに入刀してる写真
静とマリ

エプロン姿の静とマリの前で5人の男の子がお菓子を作っている
クッキング

由人「これが新作かー」

星空で手を握り合う静とマリの下で21人の学生
コミュニケーション

3人が4枚のポスターを横切る

ロングのまま
陽一「インヘリダンスって何?」

業「継承…受け継ぐこと」

陽一「静とマリは女神さまの名前!」

由人「クッキングはお料理」

陽一「コミュニケーション!」

業「連絡、伝達。」

===

カウンターで静とマリが笑顔で話していた

業と由人と陽一が入館する

静「あら、3人ともいらっしゃい」

マリ「ちょうど新作ができたところなの」

陽一を見る静

静「陽一くんにはちょっと退屈かも」

静が苦笑した

陽一「大丈夫!俺ちょっと大人になった!」

少し深刻な顔をする静とマリ

業と由人が困ったように陽一を見た、無邪気に笑う陽一

マリ「何かあったのね」

業「こいつと森に入った」

口に手を当てる静「まあ…」

マリ「…何か見えた?」

陽一「枝分かれした世界!」

由人「あれを見たか…陽一、どう見えた?」

陽一「7つの地球!でも!」

業が「陽一っ」とたしなめた

陽一「…」(言っちゃだめなのか…)

静とマリが顔を見合わせる

静(陽一くん、反対も見ちゃったみたいね)

マリ(私たちにもまだ見えない可能性を…)

陽一「…7の倍は14」

業「こら!」

由人「…」(まいったな大分感づかれてる)

静「今日の映画、ちょうどいいかもしれない」

マリ「陽一くんにもきっと楽しめるわ」

業と由人が「え?」と静とマリを見た

陽一は顔を輝かせた

零れないトレーを差し出す静とマリ「ポップコーンとコーラもあるわ!」「上映は間もなくよ」

顔を見合わせる業と由人

陽一「やったー!」

業「飲み食いするなんて久しぶりだな…」

由人「あの、陽一のコーラ」

静とマリ「そうね」

3本のうち1本がSに交換された

静「一気に飲んじゃだめよ?陽一君」

マリ「ゆっくり飲むの、少しずつ」

陽一「トイレ行きたくなっちゃうから?」

静「まあ!」

マリ「お利口ね!」

陽一が照れて頭を掻いた

目を配らせる業と由人

業(女神さまには敵わねえな…)

由人(映画、楽しみになってきた!)

着席する陽一の両隣に業と由人が座った

スクリーンに照らされる3人

ポップコーンを食べる陽一

コーラを飲む由人

FIN

===

沈黙する3人

立ち上がる業「行くか」

陽一「ジュースまだ残ってる」

立ち上がる由人「飲んじゃえ」

ゴミ箱にカラになった容器を捨てる

トイレに入る3人

小の便器に構える業と由人

業「陽一~出ねえのかあ?」

大に入った陽一に業が声をかける

個室の中から返事が聞こえた

陽一「先出ててー!」

由人「はずかしくなっちゃったか」

業「まあ見越して食わなかったのは俺らだ」

手を洗う業と由人

トイレの出入り口で待つ業と由人

陽一が出てきた

業「手え洗ったか?」

陽一「うん!」

由人「じゃあ行こっ」

カウンターホールに戻った3人

業「あ」

カウンターに静とマリはいなかった

業「また見せ逃げだ」

由人「新作を作りに行ったんだよ」

陽一の表情

===
ポスターの並ぶ道を戻る3人

陽一「映画ってどうやって作るの~?」

業「作りたくなったか?」

陽一「作れるの!?」

由人「もうちょっとこの島で休んでたいなあ」

陽一「え?」

業「生きることが、映画って訳さ」

陽一「…一緒がいい」

業「他に道は、無くは無いけど」

由人「業、こら」

陽一(なにかあるんだ…)

===

車の走っていない道路

横断歩道の信号が青になる

渡ると1級河川に架かる橋があった

業「誰だ?橋渡りたいの」

由人「オレ」

業「由人か」

===

橋を渡る3人

ポケットに手を入れて歩く由人が業に尋ねる

由人「さっきの映画、わかったか?」

業「割と」

由人「21人いたクラスから1人が転校した」

業「20人と1人は星空を使って情報伝達をする」

由人「各々の日常パートが始まって…転校した子はだんだんと20人と1人のやりとりに興味を失くしていく」

業「20人の方もさみしさを忘れていく」

由人「久しぶりに転校した1人の送った星座が20人のもとに届く」

業「20人の送った星座はとんちんかんな方向に飛んで行ってしまった」

由人「それでおわり…橋も渡りたくなっちゃうよ」

業「…些細な心の機微を隠していた方が星座の座標のずれは大きかった」

由人「ああ……」「それ…すごくおもしろい…」

陽一(え~~~)(二人ともそんな風に見れるんだ…)(いいなあ…)

業「どうした?陽一?」

由人と業が陽一の手を握った

陽一「今日の映画、むずかしかった…」

由人「オレもわかんなかったよw」

===

星空が浮かぶ

業「今日は神様見えねえなあ」

由人「映画でも作ってるのかな」

陽一「神様の映画、もっとむずかしい?」

由人「そんなことないよ」

業「女神さまは艱難辛苦の人生を歩んだ」

由人「どんどんわかりやすく伝えれるようになる」

陽一「それがわかる二人は?」

業と由人が振り返る

業と由人「お前が大好き」

二人に抱きあげられた陽一が泣いた

橋を渡り切った3人

===

テントがぼんやり光ってる

業「明かり、消すね?」

陽一「おやすみ」

由人「おやすみ」

業「おやすみ」

===

3人の寝顔

陽一が目を開ける

===

むくりと起き上がり

業を見た

陽一「!?」

由人を見た

陽一「…」(暗いのに見える!)

消えてる明かり

===

テントの外に出た

森を見る

陽一「森の中が見える…!」

草木が茂っている

回想
見上げた業と由人の背中
回想おわり

陽一「俺もわかるようになりたい…」

森の中から意思が伝わってきた

「おいで」

陽一はテントの中の二人を見た

寝てる

業のポケットが四角く膨らんでいる

そこに手が伸びた

===

再びテントを出る陽一

おいで

陽一(エニグマとカルマズが呼んでる)

陽一は森の中へ駆け出した

===

エニグマの意思(陽一!)

カルマズの意思(こっち!)

二人を見つけた陽一は笑った

陽一「二人の思いがわかる!!」

3人が楽しそうに草木の中を走る
===
ボウっとらんたんに明かりがともる

業がまぶしそうに眉を曲げる

由人「業!」「業!」

業が怪訝そうに目を開けた

由人「陽一がいない!」

寝ぼけた業がポケットをはたく

サアっと青くなり肘をついて起きた業「煙草が無い…」

由人も青くなる

テントを飛び出す二人

真っ暗な森

業「くそ!!!」

由人「陽一…中が見えたのか?」

業(もう俺達じゃ何も見えない!)「由人!」

背を向け顔だけ振り返る由人「待っておしっこ!」

業「トイレでしたじゃねえか…!」

こんな時になんだよといった顔で業が由人を見た

走ってきた由人がランタンで森を照らす

真っ暗な中にあしあとが淡く光った

少し奥の方であしあとが三つになってる

業「陽一をどうする気だ…」

由人「急ごう!」

業が目をつむって覚悟を決めている

左手をばっと伸ばした

目をつむったままの業「由人!手え握ってくれ!」

ランタンを持ち替える由人「うん…!」

===

二人が森に駆け出した

少し広い場所にカルマズとエニグマが立ち止まった。

陽一「ここは?」

何も書かれていない岩の隣でカルマズとエニグマはニコニコしてる

ポケットをまさぐる陽一「そうだ、いいものもってきた」

カルマズとエニグマが「おっ?」という顔をする

陽一「じゃーん!」

しわの寄った煙草の箱を陽一は二人に見せた

カルマズとエニグマが悲しそうな顔をする

カルマズがエニグマを見てエニグマが頷いた
===
それに気づく陽一「…」

5つの可能性が示された

「…吸わないよ」
「(カチッ)どうしたの?」
「あ、ライター無いや」
「あれ?中身が空だ…」
「君たちも吸えよ!」

エニグマが陽一の隣にたたずむ

5つの可能性を見る陽一の後ろ姿

===

陽一「どれもなんだか悲しい…」

カルマズがほっと胸をなでおろした

エニグマは笑顔になった

3つのあしあとをたどる視点

===

明かりが陽一の後ろ姿を照らす

由人と業「陽一!」

明かりに照らされカルマズとエニグマがこっちを向いた時にはエニグマとカルマズが黒くなくなっている

陽一が振り返った

由人と業「!!」

陽一が黒くなった

業「陽一…!」

岩の影に宝箱がある

===

陽一が自分の両手を見た

陽一が黒くないカルマズと黒くないエニグマを見た

陽一が由人と業を見た

悲しそうな顔をする黒い陽一

カルマズ「どういうこと?って言ってる」

エニグマ「由人、ランタンを、僕に」

由人が苦渋の表情をしながらランタンを手渡す

陽一がランタンの移動を見守る

カルマズとエニグマが黒くなった

陽一「あ」

陽一が元に戻った

複雑そうな由人「…」

業「この島には5人しかいない」

由人「業…始めるのか…」

陽一「女神さまは?」

業「女神さまは黒くならない」

由人「黒い時は言葉を失う…」

クイーンが5人を見つけた

星座がともる

キングとジョーカーとジャックとエースが慌ててやってきた

空に集う5人の神

森の中の5人を見守っている

陽一「5人で明るくなれないの?」

業「…それを『揃う』って言うんだ」

由人「揃えるのは簡単じゃない」

陽一「…神様は揃ったから神様なの?」

そうだ

エニグマとカルマズが頷いた

業「由人」

由人「うん」

由人がしゃがんだ

由人「おいで、エニグマ」

エニグマが衝撃を受けた

由人に駆け寄る

抱きしめられた

エニグマ「由人と一緒になれるなんて思わなかった!」

涙を流すエニグマ

神様が見守っているクイーンはハンカチで目をぬぐっている

が…

エニグマが黒い手にハッとする
===
由人が黒くなっていた

業「由人とエニグマは表裏一体」

抱き上げられるエニグマ「業とカルマズは表裏一体」

陽一「…揃えるのは簡単じゃない、だから俺が居るんだね?」

黒い由人が頷いた

業がカルマズのもとへ歩く

カルマズを抱き上げた

業が黒くなるカルマズが黒くなくなる

目を配らせる陽一「…」(どうすればいい…?)

黒い業が左上の隅に移動する

陽一が黒くなり

由人とエニグマが揃った

エニグマ「由人!」

由人「エニグマ!」

陽一が学習する

右下に移動した

クイーン(そこはよくない…)

キング(わからんぞ)
===
由人(変化が無い…)

黒い業
カルマズ
由人
エニグマ
黒い陽一

由人と抱かれたエニグマが中央に移動する

黒くなる由人と黒くなるエニグマ

黒い由人がランタンを中央から右下の黒い陽一にかざした

受け取ると陽一が黒くなくなる

===

黒い業
カルマズ
黒い由人
黒いエニグマ
陽一

カルマズが下りて黒くなり

左下へ

また黒くなくなる

陽一がカルマズにランタンを手渡す

カルマズ「!」

業が反応した時には業が黒くなくなっていた

陽一が黒くなってない手を見る


カルマズ(ランタン持ち)
黒い由人
黒いエニグマ
陽一

一同「…」

黒いエニグマが黒い由人の腕から下りた

変化はない

黒いエニグマが右上に

黒い由人が業の方を見る

黒い由人(…)

業が汗を浮かべて頷く

黒い由人と業が斜めに入れ替わった

由人が黒くなくなる

業が黒くなる

由人
黒いエニグマ
黒い業
カルマズ(ランタン持ち)
陽一

陽一が汗を浮かべてカルマズを見る

カルマズが汗を浮かべて少し持ち上げたランタンを横目に見る

渡すOR駆け寄る

誰に?

黒い業のもとへ駆け寄るカルマズ

神「!!」

===
全員が黒くなった

神(黒は揃ったことにならない…)

黒い業が

黒いカルマズを抱き上げた

変化はない

黒いカルマズがランタンを黒い業に手渡した

変化はない

黒い由人が黒いエニグマの方へ歩く

変化はない

黒いエニグマが黒い由人に抱き着く

変化はない

黒い由人が黒いエニグマを抱き上げる

変化はない

黒い陽一が移動する

変化はない

神(…)

===

黒い業がランタンとカルマズを抱きながら空でうなだれる神様を見つけた

黒い業が悲しそうな眼をして

誰にも聞こえない大声で泣いた

抱かれていたカルマズが黒くなくなる

黒い由人と黒いエニグマ、黒い陽一が反応する

黒い業はカルマズの変化に気づいていないまま泣いている

カルマズ「業ってホントは泣き虫なんだよ?」

すうっと黒くなくなる由人とエニグマと陽一

由人と陽一とエニグマ「知らなかった!!」

神(おお)

カルマズ「業」

黒い業がカルマズを見た

カルマズ「ありがとう、僕を宿してくれて」
===
業が黒くなくなる/涙にぬれる表情

全員が自分の手を見た

神(揃った!!)

宝箱がガタついた

カルマズ「どうすればいいかわかる?」

業が涙をぬぐう

業「ああ…!」

ランタンが高くなる

カルマズが片眼をつむっている
===

がしゃああああああああああああああん

ランタンが地面にたたきつけられた

業「俺たちが明かりだ」

神(あと一息!)

業「陽一」

陽一(ああ、俺ってもう…)

業「それ、返しな?」

やさしい笑顔で空いた手を陽一の方へ向けた

陽一の手にぐしゃぐしゃになった煙草の箱

由人「怖かったよな…陽一…」

手渡そうとした陽一がこぼれる涙をぬぐう
===

回想
業と由人「お前が大好き」

陽一(さよなら…ありがとう!)

===

ぺしっと手を叩かれた

業「ばか、ずっといっしょだ」

煙草の箱が落ちた

由人を見る陽一

由人「ガラス踏むなよ?」

驚いて下を見る陽一
===
ガラスの破片「アイ・リヴ・ウィズ・ユー・アズ・カルマ」

陽一「アイってなに?」

カルマズ「自分のこと!」

陽一「リヴは?」

エニグマ「生きる!」

宝箱の鍵が壊れた

ウィズ・ユー

由人「君と一緒に」

アズ・カルマ

業「業として」

目をぬぐう陽一「つまり?」
===
業「俺はお前と一緒に、業として生きる」

陽一「…」(お前って?)

カルマズエニグマ由人業「陽一だよ?」

いたずらっぽい顔の業「じゃあ業って誰だ?」

宝箱が開いた

駆け出した陽一「業!!」

神(ゲームクリア!!)

由人がガラスの破片を忘れた陽一を見て手を伸ばした

5人の体が浮き
===
空に飛ばされる業と陽一と由人とカルマズとエニグマ

宝箱の中にはチョコレート

溶けて空に吹きだす

業「なんだありゃ」

由人「チョコ?」

指さすエニグマとカルマズ「とろけてる!」

茶色から黄金へ

5人があっけにとられてる

赤くなり形を成す

777

陽一「スリーセブン!」

上昇する5人

形を失い黒くなる文字
===
♠10JQKA

腕を上げる由人「ロイヤルストレートフラッシュ!」

上昇する5人
===
ソードが7本

カルマズ「攻撃力アップ!」

業「ははは!」

上昇する5人

===

14個の地球

エニグマ「枝分かれした世界!」

静とマリが空を見上げた

マリ「驚いたわ」

静「世界が一気に…」

上昇する5人

===

陽一「どこまでいくのー!?」

業「わからねえ!」

由人「え、このままじゃ」

カルマズとエニグマが歓喜の顔をして抱き合った
===
時間がスローになる

神様とならんだ

陽一と業と由人とカルマズとエニグマ

キングとジョーカーとエースとジャックとクイーン

10人が互いを見つめ合った

===

時間が元の速さになる

神様が上を見上げた

由人「今…」

業「神様が見えた?」

陽一「どういうこと!?」

カルマズとエニグマ「それはねー!!」

===

上昇が止まった

5人が互いを見る

下を見ると

キングたちが見上げていた

見上げるキング「おめでとう」

===
キングを見下ろした業と由人と陽一とエニグマとカルマズ

キング「神様」

由人と業と陽一とエニグマとカルマズが顔を見合わせた

クイーン「また一歩」

ジャック「最良の世界へ近づいた」

ジョーカー「俺は認めねえぞ?」

エース「反対言葉です」

陽一「俺たちが?」

エニグマとカルマズ「そう!」

クイーン「島を見てください」

ジャック「新たな住人が訪れました」

===

中学生の陽一と虎太郎と栄助と幹太と康平と貴誉

由人「マージナルトランプ…あいつらが次の神か…」

キング「あなた方の名は?」

業「俺たちは…」

===

業「ただの家族さ」

砂浜から声がする

「あー!」

中学生の陽一「またお前そんなとこにいて――!!」

小さい陽一が指さされてる

キングたちが笑う

小さい陽一「ここまできてね、って伝えてほしい」

ジョーカー「御意…」

===

ジョーカー「神様から伝言です」

ここまでおいでー!

憤慨する中学生の陽一

中学生の陽一「絶対行ってやるーーー!!」

業「由人、見ろよ」

由人「森の中に」

陽一「みんなが」

カルマズ「全部で14人か」

エニグマ「枝分かれした世界の数だね」

===
がさっ

森から礼達が顔を出し

黒くなって笑顔を見せた

礼達は闇に溶けた

栄助「みんなも来てるんだ」
===

業「14人…揃えるのは骨だろうな…」

カルマズ「森の中も悪くない!」

エニグマ「島には女神さまがいる!」

陽一「いつかあいつらも…」

由人「オレらも楽しくやろうぜ」

===

業「風呂でも入るか!」

陽一由人エニグマカルマズ「うん!」

===

貴誉「おお、おしり…」

虎太郎がハリセンで貴誉を叩く

虎太郎「こんなとこでもおしり好きか!」

頭を掻く貴誉「虎太郎のおしりが一番好きだよw」

虎太郎が頬を染めて貴誉を見た

腕組をして頬を膨らます虎太郎の隣に貴誉

幹太と康平、陽一と栄助が微笑んだ

===

「みんなー!」

声のする方を見ると女神が二人、歩いてくるところだった

陽一「静さん!マリさん!」

静「いらっしゃい」

マリ「4人にルール説明をするわ?そのあと初期設定をしてもらうことになる」

4人「ルール?初期設定?」

つづく