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陽一編第6話「2116年2月14日」

2116年
2月14日
バレンタインデー

翼「陽一!これあげる!」

陽一「俺もこれ、翼に」

翼「ありがと!今年も陽一とチョコ交換できるなんて思わなかった!」

陽一「俺、いつも一口サイズのチョコ渡してたね」

翼「友チョコだから気にすんなって」

陽一「翼の本命は?」

翼「まだ…渡したい人いない…陽一はいる?」

陽一「うん」

翼「誰かは聞かないよ、でも」

陽一「ん?」

翼「父さん母さんのどっちと作った?」

本命のチョコは手作りと決まっていた。
手作りチョコを誰と作るかはちょっとした意味を持っていた。
父と作る→同性に渡す
母と作る→異性に渡す
一人で作る→あなたとセックスしたいというメッセージ

陽一「父さんと」

翼「陽一は男が好きか」

陽一「父さんにも言われた」

回想

陽一「父さん、一緒に作って、チョコ」

陽一の父「そういうのは母さんと、ハッ」

もじもじする陽一

陽一の父「陽一は男の子が好きか」

陽一「うん」

回想おわり

翼「親子関係、良好そうだね」

陽一「まあね」

翼「じゃあまた」

2組に翼が戻っていった

回想

陽一の父「材料は買ってあるのかい?」

陽一「それは母さんと行ってきた」

陽一の父「よし、作ろうか」

湯煎 溶けかけのチョコ

陽一「ごめんね、孫の顔は、見せられない」

陽一の父「え、孫?はは、どこでそんな価値観を刷り込まれたんだい」

陽一「オリトラの歌に、孫なんていいじゃんって歌ってるのがあった」

陽一の父「ああ…あったね…。でも昔の歌だから…あの歌が生まれた経緯を知ってるかい」

陽一「ううん」

陽一の父「ベースのアスカがレズビアンだったんだけど」

陽一「うん」

陽一の父「ギターの由人が悩んでたアスカに向けて曲を書いたんだ、孫なんていいじゃん、って」

陽一「でも、由人は反対言葉を使うんでしょう?」

陽一の父「ジョーカーだからね、だから業たちに詩を書いてもらった」

陽一「その頃ってさ、平成だったんだよね」

陽一の父「そうだね…あの時代に少年期を過ごした業たちだから性の価値観に転換をもたらせたのかもなあ」

陽一「少年愛どころか同性愛も異端視されてたんでしょう?」

陽一の父「うん…あ」

陽一「なあに?」

陽一の父「父さん、小4の頃にお前のおじいちゃんとチョコ作ったの思い出した。チョコを渡したい男の子がいたんだ…」

陽一「父さんが同性愛者だったら、俺はいなかったんだね」

陽一の父「魂の話になってきたなあ」

チョコを型に流し込む

陽一の父「どうして星の形にしたんだい?」

陽一「ハートは露骨かな、って」

陽一の父「…お前らしくていいと思うぞ」

陽一「うん…!」

回想おわり

幹太と栄助がチョコを交換してる

陽一の方にも二人がやってきた

陽一「ありがと、これ幹太に」

栄助「え?俺には?」

幹太がアッという顔をした

陽一「その…」

栄助の足を踏んづける幹太

栄助「いってえ!なにすんだ!」

栄助の腕を引っ張って退場する幹太

幹太「栄助、陽一は栄助のこと嫌いなんだよ」

栄助「え…」

陽一からもらったチョコを見せびらかし、にししと笑う幹太

「幹太」

その幹太を呼び出すクラスメイト

天パ気味の少年「これ、一人で作ったんだ」

幹太「え?でも」

天パ気味の少年「今は法律で禁止されてるけど!14歳になったら…」

幹太(一人で作ったってことは俺とエッチしたいってことだよね…)

幹太が顔を真っ赤にしてる

幹太「俺…何にも知らない子供だけど…」

天パ気味の少年「関係ない、幹太のことずっと好きだったんだ」

幹太「俺、俺…」

天パ気味の少年「受け取ることは、約束じゃない。ただ、気持ちを知ってほしかった」

赤い顔で、それでもキリっとする幹太

幹太「わかった、受け取るよ」

栄助がぐすんと鼻を鳴らしながらそれを眺めてた

栄助(陽一…)

教室に戻るも目を合わせてくれない陽一

栄助(ほんとに俺のこと、きらいになったんだ…)

琥珀と柚留と豪がチョコを交換してる

礼が隣のクラスからやってきた

豪「礼に渡す分忘れてた」

礼「ちょっと待てよ!」

琥珀「嘘嘘w」

豪「バレエ、応援してるからな」

礼「これは」

柚留「友チョコ以上本命未満」

礼「俺、がんばる」

豪「うん!」
===

キーンコーンカーンコーン

幹太「栄助、俺今日寄り道するね」

栄助「そっか…」

幹太「栄助も」

栄助「ん?」

幹太「多分寄り道することになるよ」

栄助「どこに?」

陽一「栄助」

栄助「陽一」

幹太が急いで退場した

天パ気味の少年と二人は帰っていった

栄助「俺、なんかしたかな」

陽一「え?」

栄助「チョコくれなかったから」

陽一「わ、渡す友チョコが無かったんだ」

栄助「だから!なんで幹太にだけ用意してたんだよ!」

陽一「友チョコなんて渡したくなかった」

栄助「俺、陽一に嫌われるようなことした覚えがないんだ」

陽一「嫌う?何言ってんの?」

栄助「好きの反対は無関心か…」

陽一「何…何言ってんだよ栄助、俺は、ちゃんとしたもの渡したかったんだ!!その、栄助に…」

栄助「ちゃんとしたもの?」

陽一「これ…」

カバンから箱を出した

陽一「と、父さんと作ったんだ」

栄助「え?」

目を丸くしてキュンとする栄助

陽一「箱と材料は母さんと選んだ、俺」

栄助「…」

息を呑む栄助

陽一「栄助のこと好きだ」

目を見る陽一

栄助が鼓動を高鳴らせる

陽一「大好きだ、運動会で栄助と二人三脚して、栄助のこと気になって、それで、それで」

陽一が涙ぐんだ

栄助「受け取る」

陽一「!」

顔を赤くしてる栄助

栄助「くれよ、それ」

上目遣いで右手を出した栄助

手渡す陽一


「栄助も」

栄助「ん?」

幹太「多分寄り道することになるよ」


陽一「ありがとう…受け取ってくれて」

栄助「一緒に帰ろ」

陽一「方向が違う」

栄助「寄り道しよう」

あれ?

冬休みに妄想してたことを栄助に言われてることに気が付く陽一

栄助「雪、積もらなかったな」

陽一「1年生でいられるの、あと3週間とちょっとだ」

栄助「中1の1年間が最高の1年って言われてるけど」

陽一「けど?」

栄助「中2の夏からはセックスできるんだぜ」

陽一「お、俺としてくれるの?」

栄助「性行為実習の話聞いてるか?」

陽一「夏までにパートナーを決めないといけない」

栄助「俺と陽一で、どう?」

風に吹かれる陽一

栄助も同じ風に吹かれてる

陽一「うん…」

栄助「俺、自分は両性愛者だと思ってた」

陽一「違うの?」

栄助「陽一のおちんちんが見たい」

妄想の回想

陽一「に、2月だよ、寒いよ」

栄助「はは、外で見せろなんて言わないよ」

陽一「明日土曜だしその」

栄助「どっちかがどっちかの家に泊まるか」

陽一「うん…」

栄助「陽一の家でもいい?」

陽一「ゲームとかないけど」

栄助「キスとかできんじゃん、しゃぶるのまでは13歳でもできるし」

陽一「栄助、大人だね」

栄助「あ、顔射は勘弁な」

陽一「されたんだw誰に?」

栄助「幹太」

陽一「幹太がうらやましい」

栄助「かけられた方はたまったもんじゃないよお!」

陽一「そ、そっか」

栄助「俺、今」

陽一「…」

栄助「なんか幸せだ」

陽一「俺はもっと幸せ!」

栄助「ははっ、あ」

陽一「あ」

春と道郎がいた

腕を組んでる

陽一「春も道郎に告白したのかな」

栄助「え?あいつらずっとつきあってるぜ?」

陽一「え?いつから」

栄助「多分4月から」

陽一「す、すげー」

栄助「俺たちも…」

陽一「え」

栄助「陽一」

陽一「はい!」

栄助「もうちょっと友達でいたい?」

陽一「その…ううん!」

栄助「チョコもらったお返しに言うよ」

陽一「うん」

栄助「俺とつきあ」

陽一が手で栄助の口をそっとふさいだ

陽一「契約してるみたいでいやだ」

栄助「うん」

陽一「ただ、栄助と…一緒にいたい…」

栄助「陽一」

陽一「好きだ、栄助」

栄助「うん」

キスする二人

?「おめでとう」

栄助と陽一が目を向けると貴誉がニット帽をかぶっていた

栄助「貴誉、久しぶり。」

陽一「ど、どこから見てた?」

貴誉「なんか幸せ~のあたりから」

栄助「貴誉はチョコもらったか?」

貴誉「誰かに見せたくてな、こっちまで来た」

パカ

いろんなおしりのチョコ

栄助「ははっ」

陽一「全部形が違う」

栄助「ほんとだ、貴誉のこと、わかってくれてんじゃん!」

貴誉「受け取ったけど、受け取っただけ」

栄助「そっか」

貴誉「お前ら見てたらなんか悪くない気がしてきたよ、じゃな」

手を振り合う

栄助「歩こ」

陽一「うん」

ただいまー

栄助「チョコ、見ていい?」

陽一「うん」

パカ

栄助「星型のチョコ」

陽一「…」

陽一は少し不安になった

貴誉がもらった手作りチョコを思い出す

いろんなおしりが好きな貴誉

1個のチョコを渡したら自分のおしりで貴誉を占有したいと表現することになる

その子は貴誉のおしり好きを受け入れてるからあんなのを作れた

陽一(俺そこまで工夫してないよ…)

カプっとチョコをかじる栄助

栄助「お、おいしい」

陽一「よかった」

栄助「なんか大人な味がする」

陽一「父さんのブランデー入れちゃった」

栄助「陽一って意外とロックだな」

陽一「はは、音楽かけよっか」

スピーカーに向けてスマホをかざした陽一

栄助「あ、ご先祖様の曲か」

陽一「え?」

栄助「なんでもない」

陽一「ご先祖様?」

栄助「由人が生涯童貞だったって噂知ってる?」

陽一「でもジョーカーだからほんとか嘘か」

栄助「童貞はわかんないけど、子供はいなかった」

陽一「うん」

栄助「由人には、愛礎って弟がいた」

陽一「詳しいね」

栄助「俺、愛礎の子孫なんだ」

陽一「え?」

栄助「だから、由人は俺のご先祖様」

陽一「ほんと…?」

栄助「うん、でも印税とかないよ、ほとんど著作権切れてるし、オリトラが結成されたのは100年も前だ」

陽一「そういえば」

オリジナルトランプ図録を取り出し

由人の少年期の写真を見る陽一

由人と栄助

陽一「どことなく面影が…」

にこっと笑う栄助

陽一「え?」

と陽一も、信じられない、というように笑った

栄助「ほんとはちょっと自慢だったんだ」

陽一「俺、オリトラ大好きなんだ」

栄助「なんか」

鼻を押さえる栄助

栄助「泣ける」

陽一「栄助?」

チョコをまたかじった

栄助「世の中をめちゃくちゃにしたって、言う人もいた」

陽一「栄助…」

栄助「だから、うれしいよ」

陽一「平成なんかより現代の方がいいよ!!」

栄助「そうなのかな」

陽一「子供がお互いをいじめあって、自殺に追い込んで…今じゃ考えられない、由人たちはその時代を生き抜いたんだ」

栄助「うん…」

陽一が熱く語る

陽一「少年愛だって異端視されてたんだ!今、世界で最も美しいとされてる少年愛が!この100年間にオリトラがつないでくれたんだよ!」

栄助が泣き崩れた

陽一「栄助!」

世の中をめちゃくちゃにした?

その責任を感じることもあったのか?

俺と同い年の栄助が!

ゆるせない

栄助「陽一、怖い顔してる」

栄助を抱きしめながらハッとする陽一

栄助「平成を生きた人たちだって、何かを守りたかっただけなんだ」

陽一「守りたい…」

栄助「ただ、守るために加害者が必要だった」

陽一「加害者」

栄助「それに定められたのが、小児性愛者」

陽一「小児性愛者」

栄助「好きって気持ちを抑圧された」

陽一「…」

栄助「それを由人たちがぶち壊した」

陽一「それこそロックだよ」

栄助「うん…」

こんこん

陽一の母「陽一?」

陽一「あ、ごはん?いまいく」

陽一の母「栄助君、泊まっていくのよね」

ガチャ

陽一「うん、いいんでしょ?」

陽一の母「陽一、怒ってた?」

陽一「栄助に怒ったんじゃないよ、大丈夫」

===

栄助「わあ!」

陽一「ステーキだ」

陽一の母「父さんまだだけど、二人は先に食べて?」

陽一「いただきます!」

栄助「いただきます!」

陽一「うめええ」

栄助「陽一んちこんなごちそうが出るんだ」

陽一の母「たまによ」

陽一「翼が泊まりに来た時以来かも」

陽一の母「もっとだしてたわよー」

陽一「そうだっけ?」

栄助「ぷ」

あはは

ちゃぷん

湯船につかる二人

陽一「なんか」

栄助「うん」

陽一「エッチな気分になれないね」

栄助「…俺」

陽一「違う?」

栄助「陽一になんかしてほしい」

陽一「じゃあまず」

キスをした

栄助「立って?」

じゃばっと陽一が立ち上がる

陽一「え」

栄助が陽一のちんちんにむかって口を近づけた

陽一「栄助、いいの?」

と聞いたときには咥えられた

陽一「し、しずかにな」

気持ちよくなる陽一

勃起したところで口で皮を剥かれた

戻された

皮の中に這う栄助の舌

陽一「いっちゃう前に栄助のも」

今度は栄助が立ち上がる

栄助「俺、しゃぶられるの初めて」

陽一「幹太のしゃぶったんだよな」

栄助「うん」

陽一「きもちい?」

栄助「うん」

キスしながら互いのをしごく二人

栄助「俺、精通まだなんだ」

陽一「俺が立ち会う」

栄助「うん」

いろんなアングル

栄助「あ、なんかくる」

陽一「だ、出していいよ」

栄助「ん!」

びゅる、びゅる。ぴゅっ

陽一「おなか平気?」

栄助「え?」

陽一「最初の頃痛くなったりするんだ」

栄助「平気みたい」

陽一「休んでて」

まもなく陽一も果てた

びゅびゅ びゅる

栄助「陽一」

呼ばれてキスする陽一

パジャマの陽一

陽一の私服を着る栄助

客用のふとんに入る栄助

陽一「そっち、広そう」

栄助「入る?」

部屋に鍵をかける陽一

陽一「これで安心」

うれしそうに栄助の入っているふとんに入る陽一

栄助「おやすみ」

陽一「おやすみ」

最後にキスをして

二人は寝入った

つづく