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連獅子 観劇

2020年1月18日夜の部観劇

初春大歌舞伎の歌舞伎座で猿之助さんが考古になったこと團子ちゃんと連獅子を踊る。発表があったときからファンの期待は高まり猿之助ファンでなくても興味を持った方は少なからずおられたと思う。
一口に連獅子と言ってもそれぞれのお家で異なる。澤瀉屋型は手数が多いと言われる。私は亀治郎の会る印象は激しい踊り。それを初春に踊られる程に回復したのかと感慨深い。團子ちゃんにとっては挑戦と修行だ。一ヶ月間でどこまで成長するのか本来なら初日から観たかったが中日をかなり過ぎての観劇。猿之助さんの前シテはゆったりとしながら踊る喜びを噛みしめる様だ。右近はこんなにゆったりと父親感を出して踊っていただろうか。左近が團子ちゃんだから慈愛に満ちた表情をみせる。時に厳しく時に心配そうな表情。左近が起き上がった時の喜びに満ち満ちた表情は客席にまで喜びが広がる。細やかな表現を團子ちゃんに教えるかの様に丁寧な右近を踊り、わずかな動きや声でだから慈愛ににタイミングを教える。猿之助と言う人はドコまでも神経が行き届いてる。踊りながら客観的。

間狂言の宗論は福之助君と男女蔵さん。オグリのご縁があってのことか福之助君も男女蔵さんを相手に挑戦の日々だと思う。頑張れ福之助君。
簡単に見えてコミカルな雰囲気を出すのが難しい舞踊でもある。

話は反れるが、私史上最高の宗論は松緑&猿之助の宗論。鴈治郎さんご襲名で壱太郎君と鴈治郎さんの連獅子。間狂言で二人の宗論は最高のご馳走。宗論って本当に楽しい狂言だ。笑いが止まらないコミカルで楽しい舞踊だった。宗論だけ独立した所作事としておどって欲しいと願ったのはこの時が初めて。踊り巧者の二人なら何を踊っても魅力的だよね。
 

澤瀉屋型の後シテ(のちして)の二畳台は三台、石橋を模しているそう。猿之助親獅子が毛を振る、毛先をちょっと掴む、二畳台にぴょんと飛び乗る。動物の感じを強く意識した動き。毛振りも激しいのが澤瀉屋型。最後の方は囃子方が荒ぶり煽り、それに合わせて獅子毛振りもスピードを増すのだが以前に観た連獅子程の激しさは少なめかも。團子ちゃんが初めて挑戦するおもたかの舞踊。そしてあの大怪我から連獅子が踊れるまでに回復した猿之助さん。この舞踊をこの二人でこんなに早く観られる日が来るとは想像だにしなかった。

細かい事にまで目がいかず猿之助さん親獅子だけを見つめてしまった。頑張る團子ちゃん仔獅子を見ながらシンクロし始める猿之助親獅子、冷静に丁寧な毛振りをしながら團子仔獅子と合わせていく。
太鼓は傳治郎さん、小鼓は傳左衛門さん、傳治郎さんの太鼓は荒ぶりきらない。囃子方はさほど煽らない。最後まで丁寧な連獅子だったのが印象的だった。千穐楽までどれだけ進化するのだろう。
#猿之助 #團子 #連獅子

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