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猿之助特別舞踊公演

4日が初見。
口上で三代名詞猿之助さんと初代理事長の関係や春秋座が出来た経緯を披露するのだが午前の部と午後の部でエピソードを変えてくる上山鷹山まで飛び出す博学さに舌をまく。
春秋三番叟は #弘太郎 #喜猿 #笑野 #猿紫 #猿四郎 のおもだかーずだ。踊り巧者に囲まれて弘太郎君が芯を勤める。弘太郎君の緊張が客席にまで伝わる中、女形猿紫さん、笑野さんと立役猿四郎さん喜猿さんが同じ踊りなのに微妙に踊り方が違う。5人そろったての振りは壮観。今回は素踊りだったが本公演で衣裳を着けて踊って欲しい。

20分の幕間は亀治郎の会第一回から懐かしい映像がお楽しみと流された。そこには私の知らない亀ちゃんが楽しそうな笑顔を見せていた。可愛い。

連獅子は宗論無し。これは「フェスティバル奈良」2020年3月29日に平城京跡朱雀門ひろばでお披露目されるはずだった物だと推察する。本来なら昨年3月は南座でオグリの公演があり、大千穐楽は26日。それに続いて猿之助さんと團子ちゃんの連獅子を再び観られたはずだったがコロナ禍で全ての公演、イベントが中止になった。まさか鷹之資君と猿之助さんで宗論無しの連獅子が観られるとは思わなかった。

おもだか屋の連獅子は二畳台を三台重ねて石橋を模している。その二畳台を舞台に運ぶ後見は #喜介 #翔乃亮 の若き二人。観客がじっと見つめる中で重い二畳台を美しい所作で運ぶ、これすらエンタテインメントとして演出されてる事に感心する。牡丹が飾られ御簾の太鼓の音がひときわ大きくなり心も高鳴る。

花道から白毛の親獅子と赤毛の仔獅子が登場していよいよ気分は高揚する。仔獅子は花道に登場して前を向いたまま再び花道を下がっていく。鷹之資君の足運びは確かだ。大きな拍手の中鳥屋から花道を戻ってくる。また大きかな拍手。今回の親獅子親は正確な技術力が光った。鳴物が煽り激しい毛振りが続くが白い毛が描く孤はスピードアップしても正確で同じ形で回って行く。仔獅子は速さをアップする物の孤が乱れる。若さの発露を感じるが親獅子はまるで乱れない。近くで観られたのでじっくり観察出来た。猿之助と言う人はやはり巧くなるんだと実感する。

今年の猿之助さんはもう終わるのかと思うと寂しい。長く歌舞伎の舞台を観ないと舞台の見方まで忘れそうに為っていた自分に驚く。
叶わぬ夢だが猿之助歌舞伎を一日中観られた日に還りたい。

コロナ禍で厳しい状況を吐露した猿之助さんだが耐えて一門を支えいつか1ヶ月間の地方公演に来て欲しい、そんな普通の時間が戻る事を願ってやまない

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