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ルーツは、あのアプフェルシュトルーデルと同じ?アラブ人が伝えた極薄生地。

クルスタッド•オー•ポムと呼ばれるこのお菓子には、フランス菓子には使わない生地が使用されている。それはパータ・フィロと呼ばれる、極薄の生地である。これが元になって折パイ生地が作られたという説もある。この生地は、アラブ菓子に用いられる生地で、オーストリアのアプフェル・シュトルーデルにも使用されている。フランスでは、アラブ人が侵略してきた際、フランス南西部のミディー•ピレネー地方、ジェール県オーシュ周辺の主婦たちに伝えられたと言われており、今でも生地の仕込みは、女性がする。

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生地に溶かしバターを塗りながら数枚重ね、りんごを詰めて(しばしばアーモンドクリームも一緒に詰める)再び生地で覆うこのお菓子は、形こそ異なるが、オーストリアのアプフェル・シュトルーデルに似ている。よって、この二つのお菓子のルーツは、やはりアラブということで落ち着きそうだ。

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このお菓子は、いくつか名前があるので少々混乱する。一般的には、Croustade(クルスタッド)と呼ばれているが、他にPastis(パスティス)、Tourtière(トゥルチエール)と呼ぶこともある。パスティスは、また、この地方で作られるベーキングパウダー入りの山型のお菓子の名前でもある。今でこそ、生地にバターを塗っているが、昔は、がちょうの脂を塗っていたという。
以前、Gers(ジェール)県Gimont(ジモン)のパティスリー、「フィリップ・ウラッカ」で、パータ・フィロを作製するところを見せてもらったことがある。パティスリーでは、それを作る専用の部屋があり、女性が生地を広いテーブルいっぱいに、新聞の字がすけてみえるくらい、慣れた手つきで薄く延ばすのを実演してくれた。生地作りに必要なのは、適切な温度と十分なスペースである。クルスタッドは高温でさっと焼き、最後に地元のブランデー、アルマニャックをふりかけるのが決まりだ。

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