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フランに凝縮されるフランス人のお菓子感

フランという言葉はフランスの古語で円盤状の金属を表すそうで、なんと、私が人生で最初に見たフランなるお菓子がまさにそのイメージ。
あれは30年前のノンノかアンアンか。フランス人らしき人が作っているのでですが、型は金属がいいです、ということで直接型にフラン生地を流して焼くというレシピ。人って最初に見たイメージが頭に叩き込まれるから、フランス行ったら、あらら、いろんなフランがあるのね、と驚き。だから教室で教える形って大事なんですよね、先生がそう作ったからこのお菓子はこういうもんだ、初めてそのお菓子を見る生徒はそう思い込んでしまいがち。地方菓子が特にそう。だから、現地に行けば別の型でつくったりしていて形は自由です、などと説明はしますが、皆も同じように作りたくなる、っていうのはわかる(笑)。今から21年前に出版したケーキングというムックで、パリのフランを食べ歩いて記事書かせてもらってます。ミュロのとかカイザーのとか。本当にどこでも売っている日常のお菓子。フランス人だったらみんな子供のときから食べているから、原点ですね。これを基準に他のお菓子を展開する。たとえば、カヌレがパリっ子にまだ知られていないころは、お菓子屋は、えっとキャラメリゼしたフランだよと。プリン(キャラメル・ランウ゛ェルセ)ももう彼らにとってはフランの一種だし、クラフティーっぽいものもフラン。なんでもフランフランです。しかし、ケーキング、いい本だったなぁ。これ見て育ったパティシエさん、沢山いると思います。

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上下どちらもキャラメルのフラン。

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30年前の雑誌のフランのレシピです!

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