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18世紀の女子会に欠かせなかったお菓子、プティフールとフリアン。

そもそも、フランスのお菓子は、16世紀、アンリ2世に嫁いだカトリーヌ・メディシスによって、砂糖やアーモンドを使ったお菓子(代表的なものはマカロン)、アイスクリームなどがフランスの宮廷に登場したことによって発展していきます。マカロンなどはプティ・フールの元祖といっていいでしょう。

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(フランス地方には、今でも昔から作られていた素朴なマカロンが残る。これは、ロレーヌ地方、ブーレイのマカロン)

18世紀まで続いたブルボン王朝の王侯貴族たちのサロンでは、手軽に食べられるプティ・フールが好まれました。しかし、当時は、砂糖は大変貴重なもので、かつ身体によいものとされていたので、医者が管理していたと言われています。あの有名な大予言者、ノストラダムスは、実は
医師でもあったので、カトリーヌ・ド・メディシスに招へいされて、預言者としての務めと同時に砂糖の研究も任され、果物やハーブを使用したジャムなどを研究していたと言います。

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ソフィア・コッポラ監督の映画「マリー・アントワネット」では、マリー・アントワネットの華麗な衣装も見ものでしたが、それと同じくらい印象的だったのは、色とりどりのお菓子でした。その中にカラフルなマカロンがありました。プティ・フールはすでにこのころ食されていたとはいえ、あのパリのマカロンと呼ばれるマカロンが作られたのは、20世紀初頭。このころは、素朴な焼きっぱなしのマカロンしかなかったと思います。まあ、そのへんは大目に見るとして、プティ・フールやマカロンは、宮廷のジョシたちの語らいには欠かせないお菓子だったにちがいありません。

ところで、フリアンというお菓子の名前がありますね、あれは、何?という質問をよく受けるのですが・・・。よく見かけるのは、四角のフィナンシェのようなお菓子をフリアンとして売っているものです。が、フリアンは、実はプティ・フールのこと。宮廷では18世紀まで、プティ・フールのことをフリアンと呼んでいたそうです。でも感覚としては、セックではなく、ドゥミ・セックのお菓子のイメージがありますね。そうそう、プティ・フールには、セックとかドゥミ・セック、そしてフレなど、カテゴリーがあるのです。

セックは、焼き切ったお菓子です。
よくあるのは、ディアマンとか、パレ・ド・ダムなど。ドゥミ・セックは、ミニマドレーヌやミニフィナンシェなどしっとりした焼き菓子。そして、フレというのは、生という意味ですから、クリームやフルーツなどを使った小菓子(ミニタルトも入ります)です。フランス料理のコースの後、カフェとともに供されますね。

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