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巡礼者が広めた、ピレネー山間のバームクーヘン!?

このお菓子、ガトー ア ラ ブロッシユは、フランスはスペインと接する、ミディー ピレネー地方で作られている。以前は、各家庭の暖炉で焼いていらしいが、今では、山間の小屋で夏場だけ焼いているところがある程度。ブロッシュとは、焼き串という意味。この円錐形の焼き串を暖炉の火にかざし、まわしながら生地かけて、焼いていくのだ。この地方では、結婚式、洗礼式、聖体拝受など、家族や宗教上の行事に欠かせないお菓子である。

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出来上がりは、小さいもので20cm150gくらい、小屋で焼いてくれるものは、80cmで4kgくらいになる細長い山形である。型を回しながら何回も生地を重ね焼く。お菓子の配合は、カトル・カールと同じだが、卵黄と卵白はわける。卵黄に砂糖、粉を混ぜ、別に立てた卵白を混ぜる。香りづけに、オレンジの花の水、ラム酒、レモンを入れて、最後に溶かしバターを加える。フルーツの砂糖漬けも混ぜるものも多い。それを、アルミ箔で覆った型に流していくのだ。焼いている最中は、夏の小屋の温度はかなり上昇していて、焼いている職人は汗だくである。周辺では、リンゴが栽培されているので、小屋の外のテラスでシードルと一緒にいただけば、最高だ。

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このお菓子は、日持ちがするので、スペインのサンチャゴ・デ・コンポステーラを目指す巡礼者たちが、空腹を満たすために食べながら歩いていたことから、世の中に知れ渡るようになったとか。そんなことから、このお菓子は、ミディー・ピレネー地方以外、ラングドック、アキテーヌ、ルシオンなど南西部全般で幅広く作られるようになっていった。ドイツのバームクーヘンと製造行程は似ているが、ルーツが一緒かは不明。

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