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vol.4 ドイツ🇩🇪 -フュッセン-

ヴィース教会からバスに乗って、もときた道を行く。
住宅街を抜けて、少し広い道に出ると
目の前にノイシュヴァンシュタイン城が見えてきた。

バスの中では買い物帰りのおばあちゃんや、
どこかにおでかけの様子のおじさん2人組、
楽しそうに会話をする親子。
何気ない生活の風景。
穏やかで幸せな空気が流れている。

そんな車内から憧れのお城を見るのは
なんだか不思議な気分。
西洋のお城という私にとっての非日常の風景と
この街に暮らす人々の日常が重なる。

憧れの景色が、誰かにとっての当たり前の景色なのは、なんだか嬉しかった。

小さな頃から、何度も読んだ絵本やお話の世界に
自分の体が入り込んだような感覚。

そんな事を考えていると、お城はどんどん近づき
お城のふもとのバス停に到着した。

目の前を馬車が通り過ぎて行く。


初めて見た馬車に、内心大興奮!!
馬車のひづめの音が、なんとも似合う風景。

馬車に乗ってみたかったけど、お城に向かう最後の便が出発してしまった
あとだったようで、歩いてお城まで向かうことに。

冷たい空気と、緑の香りに包まれながら山を登っていくと
だんだんお城が見えてきた。


絵本の世界そのまま。
小さな頃から何度も夢に見た。

お城の開園時間は過ぎてしまって、中には入れなかった。
残念だけど、またこの場所にくる理由ができた。


陽も沈んできたので、フュッセン駅に向かうことに。

駅に着いたものの、窓口は閉まっていて切符をどこで買えばいいのかわからなかった。

待合室には地元の方らしき、おばあちゃんが一人。
おばあちゃんに切符の買い方を尋ねてみた。

おばあちゃんは英語とドイツ語で一生懸命伝えようとしてくれるのだけど、
ドイツ語の部分が私は理解できなかった。

困っている様子の私を見て、立ち上がると切符売り場まで案内しようとしてくれた。

でも、おばあちゃんは足が不自由だったようで、歩くのも精一杯な様子。
その姿に、申し訳ない気持ちになって
大丈夫だよ!教えてくれてありがとう。と伝えて椅子に座ってもらった。

あなたのおかげでわかったよ!助けてくれてありがとうと伝えると
本当に?と言いたげな表情のおばあちゃんだったけれど
心配をかけているのが、なんだか申し訳なくて
あやふやながらも、おばあちゃんが教えてくれた方向へ向かってみた。
気をつけるんだよ。と手を振ってくれるおばあちゃん。

誰も頼ることのできない知らない国で受け取った優しさに心が暖かくなって
来てよかったなと改めて思った。
おばあちゃん本当にありがとう。

なんとか切符を買うことができた。
帰りの電車の中で、今日一日の出来事を振り返って
嬉しさと、興奮と、温かい気持ちを折り重ね
ミュンヘンの街に戻った。

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