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マレーシアはガソリンが安いですが

 8月16日のニュースをみていると、日本でのガソリン代が高騰していると報道されていました。原油産出国ではなく、すべて輸入に頼っているので致し方ないのかもしません。一方で、マレーシアは原油産出国なので、価格は安いのですが、それでも物価はあがっています。

 マレーシアのガソリン代は世界でも安い国トップ10に入るそうです。

 レギュラーガソリンのRON95は現在、1リットルあたり2.05リンギ。きょうのレートで約60円です。実はこの金額は2021年2月からまったく変わっていません。2020年4月には1.25リンギ(約40円)にまで下がってはいましたが。

 一方で、ハイオクガソリンのRON97はレギュラーに比べるとだいぶ高い。1リットルあたり3.37リンギ(106円)で、この金額のアップダウンは激しいです。昨年だったか一時期4.83リンギにまで上昇しました。

 また、このほかディーゼル油は同2.15リンギ。こちらも2021年2月から変わっていません。

 燃料費については現行の金額からさらに引き下がるではと専門家は予測していますが、そうなれば嬉しいものです。

 マレーシアでは燃料費に対して政府が補助金を出しています。毎週金額が発表されます。昨年は800億リンギあまりを補助金として使ったようですが、補助金がなければもっと高騰していたに違いありません。

 それでも日本より比べれば破格の安さ。日本の場合は都市部では車がなくとも生活できますが、マレーシアでは車無しにはなかなか移動が難しい。そのため、燃料費は相当低く抑えてもらわないと生活に支障が出るのです。

 このガソリンをタイやインドネシアに密輸しようとする輩が結構います。タイとは陸続きであるため、トラックを違法に改造してガソリン、特にディーゼル油を積んで陸路でタイに運ぶ行為が後を絶たない。1万リットルのディーゼル油を違法に積載して国境で検挙されるケースもあります。複数のガソリンスタンドで給油して密輸するそうですが、その途中で見つかってしまうことが多い。政府は取り締まりを強化しているのですが、それでもすべてを取り締まるのは難しいようです。

 一方で、物価も上がり続けています。ローカルは「燃料費が高騰しているから」との理由で、便乗値上げするのですが、補助金で抑制しているので、これは理由には当たらないはずなのですが。まあ、それだけでなく、他にも理由はあるのでしょうが、マレーシアは過去にない物価の値上がりなのです。

 2022年には年間4%のインフレ率を記録していました。スーパーに行っても「だいぶ高くなったなあ」と実感したものでした。ただ、今年1月のインフレ率は3.7%にまで下がり、さらに6月には2.4%にまで縮小はしています。だいぶ抑えられてはいますが、それでも以前に比べるとどれも価格はまだ高い。特に食料品です。

 現在のトマトの価格は1キロあたり3リンギ(約94円)ほどですが、昔は2リンギほどだったのを記憶しています。チキンも前は1キロあたり5リンギほどでしたが、今は高いところで9リンギ。健康維持とコロナの感染防止のため、外食をほとんどやめて自炊にしてきたので、食費については以前に比べて1か月あたり1万円ぐらいは上がってしまいました。

 この高騰は貧しい人にとってはかなりきついでしょう。上がった価格はなかなか下がってくれないのかと思いますが、いつまでもこうはいきません。政府は躍起になって貧困層に手厚い保護を施していますが、いつまでもそれはやってもいられないはず。根本的な価格抑制策をしないと今後も上がり続けるでしょう。いつになったらこの状況は続くのか。せめて食料品だけでも抑えてほしいものです。

 
 
 

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