見出し画像

ウエディングプランナーへの道⑤

ウエディングプランナーになって4年目の頃。
クリエイター部門(ペーパーアイテムのデザインやコーディネイト制作)での経験を積み、少しずつデザインもできるようになったり、コーディネイト力もつけてきた私は、1年ちょっとぶりにプロデュース部門に戻してもらえることになった。
ずっとしたくてしたくてたまらなかった接客。
お客様との一緒に考える結婚式づくり。
嬉しくて嬉しくてしょうがなかった。

そこからは水を得た魚のように新規接客もほぼ私が行い、決定率もぐんぐんあがっていった。
小さい案件も含めて年間120組ほどの顧客を抱えていた会社の約半数は私が受け持っていたくらい。
月に10件以上のお客様の結婚式を担当することもあり、新規接客から打ち合わせ、準備、当日の施工まで全て承り、しかも毎回違う会場で行う結婚式だったので毎日寝る間を惜しんで仕事をしていた。
でも若かったのもあり、充実した日々は私にとって苦ではなく、楽しい日々を送っていた。

そんな私が当時唯一悩んでいたのは〔後輩を育てること〕。
私よりも6~7歳若い子たちの思想は、その頃でいう“新人類”((笑)死語ですね)。
例えば、社長に「今日ご飯行くよー!」って言われて、社長のお誘いは絶対だった私たちを目の前に、「今日は帰ります」と断ってさっさと帰る後輩ちゃんたち。
はじめはびっくりしたけど、段々とこれが新しい思想なんだ。
なんだ!断っていいんだ!って逆におしえてもらったくらい。
今となってはこれが当たり前だし、逆にハラスメントなんて言われちゃいますよね。

そんな子たちがぶちあたる仕事の壁。
上司の厳しい言葉。(愛はあるのですが…)
落ち込む彼女たちは、なかなか仕事が続かず1~2週間で辞めていく子たちもざらでした。
それでもその壁を越え、残っていった後輩ちゃんを育てるのは、自分の成長にもなりました。

一からおしえてあげることも、自分は知っていても全く知識がない子へのものの伝え方も勉強したし、
守ってあげることの大切さも知り、きっと包容力も大分あがったと思う。

育てる=愛なんだな、って思いました。
愛とはいろんな形がありますが、

愛とは惜しみなく与えること

何かで読んだことがある、これが近いのかな?って思いました。

愛があるからこそ、優しく大切にするだけではなく、もし想う相手がピンチに陥った時でも一人でちゃんと乗り越えられるように、教える私は愛情を持って厳しく教えないといけないこともある。
いいことばかりじゃないよ、こんなこともあるんだって時には夢を少し壊してしまうこともあるかもしれないけど、
「でもその先にはね、こんなに素晴らしい世界があるんだよ」って
もっと夢を広げてあげられることもできる。

そんなこと思いながら後輩指導に四苦八苦しながらあたっていた記憶があります。

そうそう。
後輩ちゃんの中でも一番弟子だった子とは今でも繋がっています。
大阪にいるので離れているけど、年末に会いに来てくれたり、何かあったら連絡くれたり。
結婚式も依頼してくれて、花嫁姿も見せてくれました。
愛すべき子でした。
プランナーとしてはミスも少なくはなかったし、なかなか花開くまでは時間がかかる子だったのだけど、それでもお客様に愛され、社員のみんなにも愛される子でした。
その子が今や2児の母となり、肝っ玉母ちゃんぶりを見せてくれた時には成長ぶりが伺えて、社会人として厳しい時代を共に歩めてよかったなぁ・・
と思ったものです。

今年からetowaは初めての新入社員を迎えます。
今まで夫婦でやってきたけど、私のイズムを誰か継承してくれないかと思っていたところ、ご縁があって来てくれることになりました。
後輩を育てるよりも、もっともっと大変だと思うけど、母が子を育てるようにその子と一緒に成長していけたらと思っています。
愛のある毎日を。
そして惜しみないまっすぐな愛情を持って育てていきたいな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?