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農作物の栽培方法〜多様な栽培方法〜

皆様こんにちは。えと菜園オンラインショップ衛藤です。年の瀬も押し迫ってまいりまして、熊本でも厳しい寒さが続いています。今年はコロナにより社会や経済が振り回される年となってしまいましたが、来年はコロナが収束し、明るい一年になる事を願いつつ、まずは自分自身が体調を崩さないよう、手洗いうがいを徹底した日々を送っています。皆様もお身体おいといいただき、良き新年をお迎え下さい。

さて、当店で取り扱う商品は、それぞれの農家さんがこだわりを持って栽培しています。「自然栽培」や「有機栽培」、「特別栽培」、「減農薬」など、各農家さんの栽培方法の違いもありますが、大きく分けて「慣行農法」と当店が取り扱う商品を作ってくれる農家さん達の栽培方法との違いについて説明したいと思います。各農家さんの栽培方法については当店ホームページで簡単にですが説明させていただいてますので見ていただけると幸いです。


慣行農法で使用する肥料と農薬について

一般的に市場に出回っている農作物は慣行農法で栽培された物が多くなります。慣行農法とは、「各地域において、農薬、肥料の投入量や散布回数等において相当数の生産者が実施している一般的な農法」のことです。農薬や肥料を用いる事で、虫や病原菌からの被害を減らせる事で、「見た目も綺麗」「安定した収穫量も見込める」点や、草刈りなどの手間やコストも減らせるので、農家さんにとっては農薬や肥料は有難い存在と言えます。しかし、戦後に使用された農薬の人体への毒性の問題を皮切りに、環境汚染や現在使用されている農薬も長年に渡って摂取する事で人体への影響があるのではないかという懸念点などがあります。

(栽培方法のページで前回消した除草剤を撒いている写真を入れてください)

こだわりの農法で栽培を始める農家さん達の誕生

そんな中、「時間やコストがかかっても出来る限り農薬や肥料に頼らず美味しい農作物を作ろう」という考え方が芽生え、自然栽培や有機栽培、特別栽培などの農作物を作る農家さん達が少しずつですが増えてきました。当店が取り扱う商品を作ってくれる農家さんはこちらにあたります。各農家さん達はそれぞれの肥料となる「ぼかし肥料作り」や「完熟有機肥料作り」によって味の向上や、「農薬を使わず虫被害を減らす方法」について説明したいのですが長文になってしまいますので今回は「肥料」について少々お話しさせていただき、「農薬について」や「各農家さんの対応策」は別の機会にお話しさせていただきます。

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農作物を育てるのに必要な栄養分を土にどう与えるか

農作物を育てるのにまず第一に必要となるのは、「作物が育つ土を作ること」です。私も過去に何度か自然栽培の野菜作りに挑戦した事があるのですが、当時土作りをほとんど意識せず「土があれば野菜は育ってくれる」と楽観的に考えて始めたので、散々な結果に終わってしまいましたが、土作りの大切さを学べました。

作物が育つのに必要な元素は16〜17種類あると言われますが、特に大事な元素が「チッ素(N)」「リン酸(P)」「カリ(K)」の「肥料の三要素」と呼ばれる3種類の元素です。作物が出来る事で、土中の元素量は減少します。この3種類の元素を土に与え、毎回作物がよく出来るようにするのが「肥料」です。この「肥料」の作られた過程や使い方で慣行農法と独自の農法とで大きな差が出てきます。まずは肥料の種類を簡単に説明していきます。

肥料は大きく分けると「化学肥料」と「有機肥料」の2種類があります。


即効性だけど、地下水汚染が懸念される化学肥料

「化学肥料」とは無機物を原料に化学的に合成して作られた肥料です。ややこしくなってしまうので今回説明を省きますが、「化学肥料」は「単体化学肥料」と「化成肥料」があります。一方「有機肥料」は植物性や動物性の有機物(炭素を含む化合物)で作られた肥料です。土中の微生物の働きで分解されてから作物に吸収されます。鶏糞や豚糞、牛糞、魚粉などは「動物性の有機肥料」油粕や米ぬかなどは「植物性の有機肥料」となります。

「化学肥料」は水溶性ですぐに植物が吸収する事が出来るので即効性に優れ、安定した効果と作成工程に時間や手間もかからないのでコストを下げる事ができます。しかし水溶性の為、有害な硝酸態窒素(チッ素分が植物の生育には不可欠の為生じてしまいます)により地下水汚染の問題などが生じています。


遅効性だけど効果が長続きし、環境に優しい『有機肥料』

「有機肥料」は完成するまでに「発酵」など微生物の分解が行われてからの効果となるので、即効性はありませんが、効果は化学肥料と比べ長続きするのと、完全に発酵させる事で硝酸態窒素量の減少など環境や人体への影響が少ないと言われています。当店が取り扱う農家さんの中には「植物性の有機肥料」をベースに「動物性の有機肥料」を配合し独自の有機肥料(ぼかし肥料)を作る農家さんもいます。独自で作る際は腐敗菌を抑え上手に発酵させる必要性があり、農家さんそれぞれに特徴があり、とても奥深いです。

米ぬかをベースに炭化させた籾殻で独自ぼかしを作る「堤さん」の商品


米ぬかと海の幸をブレンドし有機認証も得ている「澤村さん」の商品


米ぬかとEM菌を使ってぼかし肥料を作る「田中さん」のお米


今回は肥料について簡単に説明させていただきましたが、「化学肥料」や「農薬」は戦後の日本の農業において農作物の安定した供給や農家さんの生活の安定に非常に役立ってきました。農薬を使わず虫の被害を受けた場合、農家さんは日常生活を送るのが難しくなり、作物価格の高騰にも繋がります。また見た目がどうしても気になってしまう消費者さんもいらっしゃいます。日本に住むみんなで日本の農業について少しづつ考える事が、より良い「食と農業」に繋がっていくと思います。



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