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クリック率340%増!Snapmartを運営してみて分かった素人クリエイティブの凄さとプロクリエイターの生きる道

アイキャッチの写真はSnapmartで購入できます

2016年を振り返って

2016年という1年は、私にとってスナップマートに始まりスナップマートに終わった年だった。

アプリの公開に先駆けて、私はMediumにこんなエントリーを公開した。

私がスナップマートで実現したい世界について(@etomiho)

要約すると、「プロと素人の垣根がなくなってきている」「ビジュアルコンテンツはますます需要が高まる」「マイクロコンテンツをもっと手軽に流通させられるしくみが必要だ」というようなことを言っているのだけど、正直これを書いたときはまだそういう未来が来ることに対して100%の確証はなく「おそらくそうなるだろう」という推測の域を出ていなかった。

実際、アプリを公開した直後は売り手(アプリダウンロード数)ばかりがグロースして、買い手のほうはすぐには現れてはくれなかったこともあり、目論見が外れたかのようにも思われた。

その風向きが変わってきたのは、11月にネット広告代理店の依頼で商品の素材集めのためのフォトコンテストを実施したことがきっかけだった。実際にスナップマートで集めた写真が、既存の写真素材を使った場合に比べ、A/Bテストにおける広告のクリック率において3倍以上の差が出るという結果が出たからだ。

前職でソーシャルメディアマーケを生業としてきた頃から常々「SNS(広告)では”タイムラインになじむ”自然な写真が必要だ」という話を繰り返ししてきたが、正直ここまでの差が出ることは想定していなかった。

明確に、素人クリエイティブに力があることが証明されたことは、今はない市場を開拓していこうとしている私たちにとっては大きな収穫だった。

クリエイティブの質の高さは想像をはるかに超えていた

もう1つ驚いたのは、投稿される写真の質の高さである。

先日、ある企業からの依頼で、粉末タイプのホットスムージーを希望者に配布して、おのおの写真を撮っていただくというフォトコンテストを実施したところ次のような写真が集まってきた。

驚くべきことに、これらの写真を撮ったのは写真のプロではない。ほとんどが、主婦や学生やサラリーマンといった”素人クリエイター”である。

アプリの画面のキャプチャなのでわかりにくいとは思うが、ただスムージーのパッケージを撮影するだけではなく、多くの人が工夫を凝らしたアレンジレシピを披露しており、1枚の写真を撮影するのに一手間もふた手間もかけてくれていた。逆に、プロには撮れない類の写真なのではないかと思う。

結果として、このメーカーさんは上記のような写真素材を250枚近く集めることができ、当面の間のソーシャル運用や広告素材に困らなくなったと聞いている。「成功事例」と言って差し支えないだろう。

それでもプロの仕事はなくならないと思う理由

ここまで主婦や学生や本業を持つ人たちの写真の腕前が高くなると、プロのフォトグラファーに依頼される仕事が減ってしまうのではないか?と思われるかもしれない。しかし、私はスナップマートを運営してみて逆のことを思った。おそらく、プロへの仕事依頼は減ることはないだろう

というのも、広告クリエイティブなどで顧客からの依頼がある案件(クライアントワーク)の場合、顧客からの要望に応えられる確約がある人以外に「仕事として」何かをお願いすることはなかなか難しいからだ。

これは、決して素人がいい加減だと言っているわけではなく、単純に生活がかかっている人とそうでない人では、頼まれごとに対するコミット度合いが違って当然だという話にすぎない。プロであれば、たとえインフルエンザにかかっていてもなんとか期日に間に合わせてくれる人の方が多数派だと思うが、素人に同じ動きを期待するのは難しい。

この「何かアクシデントがあったときの安心材料」という付加価値は、中間業者にとっては極めて重要であり、ここに対するニーズは絶対になくなりはしない。だから仮にプロと素人のスキル差がゼロになったとしても、本来プロがやるべき仕事はなくならないと思っている。

先日noteにこういうエントリも書いたが今後ますますプロは”約束を守る”ことが求められ、その積み重ねで顧客に「安心感」を与えられる人の価値がどんどん高くなっていくのではないだろうか。

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