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スキ50超えの記事

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#家族

『鬱』な花嫁

深夜2時。川の音がゴーゴーと響き渡る真っ暗で開けた車道。 アクセルを一気に全開にして、このままブレーキを踏まなければ、 もしかしたら少しは楽になれるのかもしれない、そう思った。 *** 2019年の春。私は東京の外資系コンサル企業に勤めていた。 入社をして5年。振り返れば辛いこともあったけれど、それ以上に仕事にやりがいを感じている時期でもあった。 常により上へ、より高いところへ、一息もつくことなく走り続けている感じ。走り続けることは大変だけれど、日々自分が成長できている

血の繋がった優しいライオン

私には7つ離れた弟がいる。 最近久しぶりに彼に会った。 彼は高校を卒業後、家族の元を離れ、今は一人暮らしをしている。 まあまあ歳は離れているが、私たちは昔からとっても仲が良い。 そして、7つも年齢が離れているのだが、多分姉と弟という関係性はいつの日からかなくなって、今やどちらかというと弟の方が私の兄化している。 振り返るとちょっとびっくりする話なのだが、私が中学生になった頃から(いや、それより前からかもしれないが)、まだ幼い弟を連れてたった二人で良く色んな場所へ出か

結婚式をしたら幸福度1000だった話

このような状況下ではありますが、先日無事に結婚式と披露宴を終えることができました。直前まで、決行か否か悩みに悩みましたが、今は無事に式を終えられたことにただただほっとしています。 家族と親族のみの小さな結婚式・披露宴でしたが、準備にぎりぎりまでバタバタしてしまい、また、終わってからも安心したのか精神が放心状態に近い感じになってしまっておりました。 そもそも、私たちは昨年の春と昨年の秋と2度結婚式の延期を経験し、3度目の正直で今回開催することができました。 どんな結婚式だ

自閉症の弟と私の夫

年始はわりとがっつり私の実家に夫が滞在しました。 数時間いたことはあったけれど、今年は半日以上はいましたね。 それは結婚して初めてのことでした。 夫が実家に来るときは、今までは何となくまだお客さんをお招きするような感じで、両親もソワソワしていたけれど、今回は家を特に綺麗にすることもなく、豪華なご馳走を準備するわけもなく、自然な状態で彼を迎え入れました。 父も母も夫と話していてとても幸せそうでした。 物静かなタイプである父も、「今度よければご飯でも連れて行くね」と笑顔で言っ

父の愛

29年間生きてきて、初めて父の前で泣いた。 「お父さんとお母さんはいつでもお前の見方だ。 好きなように過ごせばいい。お前が調子が良さそうな時に笑顔でいる姿を見ると、お父さんはとっても嬉しく思うんだよ。 もしかしたら、壁にぶつかってどうしようと辛い気持ちでいるのかもしれないけれど、今は人間は100年生きる時代なんだ。全くもって焦らなくて良い。 人生のほんのわずかな期間を休養にあてることなんて、これからの将来においても少しばかりも問題にならないよ。」 父からのこの言葉は私の心